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22日 七不思議を探せ!

 階段の数が変わる。

 トイレの中から声。

 人体模型が動く。

 走る金次郎。

 肖像画の目が動く。

 夜中に音楽室のピアノが鳴る。

 夜中に体育館でボールがひとりでに跳ねる。

 ……七不思議あるある。七不思議って言ってんのに、七個じゃないことってざらやんねー。

 ちなみに、今日うちが来てる中学校ではこんな噂一個も聞いたことありません。七不思議? 零不思議の間違いやろ? 的なことになってます。

 そんな中! レイちゃんはこの手の噂を探してみようと立ち上がった! ちょっと季節早いとか気にしない! 怖いとか知らん! 別にな、会うてしもたら友達になるなり逃げかえるなり倒すなりできる……は、はず? やから! うん! うち喧嘩強いねんぞ! たぶん。

 まあ、走る金次郎は、この学校に金次郎さんと人体模型さんは居はらへんから絶対会えへんねんけどな。あ、あと肖像画も無いみたい。

 まずは手近な階段から。登ってみよう、ひーふーみー、えー……この先知らんねん。四、五、六……十一段。下りてみて、一、二、三……十一段。同じやん。

 全部の階段で試してみたけど全部同じやった。うち何やってんのやろ感は気にしない。学校中で練習してる吹部の皆さん頑張ってね。BGM有難うね。

 えー、次はトイレか。

「誰かいますかー」

 シーン。

 ……虚しいわぁ。

「うち何やってんのやろ……」

 全部回ってみた後のうちの言葉。くじけんぞ! 吹部の皆さんも頑張ったはんねんぞ!

 人体模型も金次郎さんも居たはらんから、美術部の肖像……あ、肖像画も無いんか。あ、いや、接骨像、間違えた。石膏像もいろいろ噂あるよな? そっちも見ていくか。

 ……セッコツ像とセッコウ像って似てるよな? な? Tが入ってるか入ってないかの違いやん……

 美術室の中で、石膏像さんを探してみる。……無い。こっち準備室かね? となりの狭い部屋に……お、居はった。こんにちはぁ。

 石膏像は……自分のコト見てくるんやった? 

「どこ見てんねん」

 明後日の方見てはるわー。嘘やな、アレ。

 えー、ほかの噂ってったら……夜? 夜中? うちに夜に学校来いってか? ……うわー。マリーちゃんでも誘ったろかいな。

 一応音楽室と体育館見ていくか。ひょっとしたらもう居てはるかもやしな! うん!

「失礼しまーす」

 おー、音楽室広いなぁ。うわ、ギターとか置いてある。机の上に置いてある大小様々の黒い箱はいったい……あ、楽器ケースですか。吹部の子が明けてるの見たからわかった。

 大きいピアノやなぁ。前に座ってはる子も吹部さん? ピアノ使うんや、吹部って。

「あれ……? あなた、幽霊?」

「え?」

「そうでしょう? 机から生える人間なんて聞いたこと無いもの」

「自分、見える人かいな」

「ううん。私も、幽霊」

 ……あら。あらららら。いらっしゃいましたよ、音楽室の幽霊。可愛いのはアレか? 七不思議補正? 幽霊の神聖化現象? まぁ、綺麗な子のほうが不思議な感じするよなぁ。ここに来てぶっさいのも嫌やし。

「どこの人?」

「京都やでー。自分、いつからここ居んの?」

「さぁ……覚えてない。皆の服が白くなって黒くなってを繰り返して、窓の外で空が近づいて遠くなってを繰り返しているだけ」

「ピアノ弾くん?」

「えぇ。ギターも、歌も、リコーダーも」

「学校で習うもんばっかやん」

「そうよ。触れた楽器はみんな。好きなの」

「へぇー。何か引いてぇや。なんか、こう、すごいのん」

 笑われた。酷いなぁ……いや、そらわからんかったやろけど。

「人が居るのに、いいの?」

「えぇんちゃう? ここにうちら居るのがバレたら何かあんの?」

「……無い、かな」

 女の子の指がピアノに置かれて、音楽が流れる流れる。すげぇ。めちゃくちゃ上手い。吹部さんびっくりして、先生とか仲間とかも読んできて、どうするんかと思ったらまさかの鑑賞しはじめた。え? 嘘ん? なんで?

「コンクール金賞とるぞぉー!」

『おー!』

 自分ら、頭大丈夫か?

「なあなあ、リノ」

「何?」

 教えてもらった名前を呼んだら、はにかんだように反応してくれる。可愛ぇわぁ、もう……可愛ぇえわぁ! ごめんなさい。不審者ちゃうんです。

「レイくん」

「女です……」

「……別に『くん』でもいいんじゃない? しっくりくるもの」

「まぁ、別にえぇけど」

 爺ちゃんの呼び名もレイ『坊』やしな。

「体育館行ってみんか? 七不思議探ししててん。なんか、勝手に跳ねるボールってあるやん。探しにいこ」

 リノはぱちくりして……

 続きます

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