次期死神より、死神へ。
先生、先日、俺の叔母であるシヴィルが属するアト研究班の実験が終わったようです。『10/31 ハロウィン』『11/1 諸聖人の日』『11/2 死者の日』と、シルが言っていたその三日間で幽霊が天へ霊界へと送られていました。まあ、ご存じのとおりです。あ、それとちなみに、礼の関西弁幽霊は無事に霊界に着きましたかね? 俺は全く知らんのですが。
幽霊が一気に昇華されていく光景はとても綺麗でした。いつかの、真っ暗な一片の光も無いような暗闇の世界であれをやったら、さぞ綺麗なんだろうなぁと、ここ最近ずっと考えております。
先生、あれが先生の代用品の仕事ですか。
あれが、後々の俺の代用品の仕事ですか。
代用品の名称は死霊神でしたか。見た目は幽霊と大差ないですね。皆心を持ってて、それぞれ個性を持ってて、そして何より、ミスが多い。そのあたり、幽霊だな、と、人間だなあと思いました。
先生、先生の仕事って何ですか。
いまではもう死霊神の仕事でありますから、もう幽霊を送ることは仕事ではありませんよね。
もっと前は死霊神の手におえないような奴を送ることが仕事と聞きましたが、ジャイズンが居る限り無いかと。むしろ、次に先生自ら動くようなことがあったとしたら、それはジャイズンが死ぬときだろうなと。でもきっと、うちの兄のキヴか、弟達が狩るのだろうなぁ。
先生、死神の仕事って何ですか。
この世界ではどうも、人を殺しに来るのが仕事のようです。
先生はこの世界に来たことがあるのですか? よう似た絵をちらりと見かけました。まあ正直、白い骨に黒い襤褸を撒きつければ大体そう見えなくも無いのですが。昔の先生には肉があったのでしょうか。ちょうど、今の俺みたいな、血の通わない肉が。そして、以前の俺みたいな、血の通った肉が。きっとあったんだと、俺は思います。
そうだ、肉に血が通っていた頃、ジャイズンは、死神様は何もしていなくても仕事をしていることになると申しておりました。それはどういうことでしょうか。
先生のおそばに居るのに、知らないことが多いようです。
言葉はいろいろ覚えました。いろいろな民族に触れました。いろいろな景色を見ました。
まだ足りない。
死神様には当分追い付けなさそうです。
そうだ、ここの次はどこの世界へ行くのでしょう。霊界へは行かないのですか。
次、この世界へいらっしゃるのをお待ちしております。




