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現役幽霊だらだら日記  作者: 呪理阿
のちのち 手紙
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159/163

化物より、次期死神へ。

 ヘイ、ユージーン。お前今どこに居るんだ?

 キヴが日本でお前を見たと言ってたけど、変だな。あれは七月中旬に見たと言ってた。でも先生は、月の境目あたりにしか行かないはず。お前が先生と一緒に居るなら、中旬に出会えるはずが無いんだ。

 まあ、尤も? 俺は先生の飛脚代わりも買ってるから、お前が先生の隣に居ないことにはとうに気付いちゃいたんだけど、な。てっきり捨てられたんだと思ってた。霊界に来ないから、適当にその辺でしぶとく生きてるか、とっくに満足して産神様の方へ行ったのかと。なる、ハロウィンには一緒に居たということは、単なる先生流言語覚えろ月刊だったわけか。俺も昔よくやった。先生から離れてる時のあの感覚はなんというんだろうな。身体の力が抜けるような、全身にきちんと血が巡っているのを改めて感じるような、そんな感覚。無いか? ああ、お前なら無いかもしれないな……。

 そうだ、一つ、仲間内の先生を見る視線教えとこう。

 このままいけばいつかお前が向けられる視線の事。

 たぶん、お前の事だ。受身でしか感じたことがないだろう。

 いいか、『死神様』は怖い方だ。

 別に、先生の気分次第、粗相をしでかした、そんなことで命を飛ばすような方でないことは分かっている。それは、仲間も皆分かっちゃいる。

 頭では分かってても、怖いものは怖いんだ。

 先生はむしろ優しい方じゃねぇか。少なくとも俺から見たら、十分優しい方だ。お前もきっとそう思ってるだろ? あの方に、『死神』だなんて肩書きは正直似合わない。精々着物に口調、笑い方に難がある程度の、ただの喋る骨の妖怪。正確は新設。そんなとらえ方もできなくはないんだ。

 でも、ダメなんだ。

 死神様の前に立っただけで、何かに押しつぶされる感がある。あの腰から下げた目ん玉と目があっただけで失神した奴も多い。失禁した奴はもっと多い。

 理由じゃない。ただ、この人の前に居てはいけないと誰かが言っている。

 まあ、死神様は死を具現化したものという説もあるが……。そんな簡単な物か? 俺は違うと思うな。ああ、答えを知ってるわけじゃねぇぞ。死神様が何者かは、きっと本人でも分かっちゃいない。

 なぁジーン、お前は幽霊が昇華するのを見たか? 光の粒子になって、どこかへ消えるんだ。その色は一人一人決まっていて、かつ、同じ色は存在しない。どんなに似ていたとしてもまったく同じ色は無いと言われている。そして、黒や白も無いんだ。黒は光ってるとは言わねぇからな。

 黒はきっと産神様だ。何にもまだ個性の無いところから始めるから。

 そして白は、たぶん死神様の粒子なんだろう。光は混ぜ合わせたらそのうち白くなるから。

 死神様は、きっと、幽霊の粒子の一粒二粒をそれぞれ貰ってその体を作っている……すべて俺の推測だけど、な。死神様の本体、つまり骨の観察でもしておいたらどうだ。色が変わることがあるかもしれねぇぞ。

 つまり、な? 死神様が幽霊を一部一部接いでその体を作っていたとしたら、多感な生物や幽霊は、どんな薄情な奴だって嫌悪感や恐怖を知らず知らずの内に感じちまうって、そういうことなんじゃねぇのかと。

 今、俺は思った。

 どうでもいいことばかりで悪かったな。そのうちまた、会うことがあれば。

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