表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/163

20日 猫ですから自由

「いただきまーす」

「いただきます」

 ほくほくご飯とお魚の煮物と、小松菜とお味噌汁と……今日は和食の日なんやな。

 コウチ家の食卓を、お父さん以外の四人が囲んでいます。地味にうちも居たりします。だから四人と一人。幽霊の数え方って何なんやろ。匹? 体? 人? うち的には『人』がいい。

「あれ? みゃーは?」

「ん? え? 二階に居たの?」

 二階から下りてきたエイトとお母さんの会話。え? 何? 猫ちゃん行方不明?

「えぇーっ。外行ったんじゃないよなぁ……」

「さっき居ったじゃん」

「え? いつ?」

「五十分前」

 カエ、それ当てにならんで。っていうか何でそんなきっちり覚えてんの? 約一時間前で良くない?

「どこ行ったー」

 お母さんスルーしはったし。

「にゃー介ー」

「ミャービー」

 あらら、ご飯ほったらかしでミヤビ捜索が始まった。うちも手伝ったるやん! ミヤビー。にゃー、にゃー介ー。

「誰かソファー見た? 保護色だから遠くからじゃ分かりにくいと思うんだけど……」

「見たけど居なかった」

「うーん……」

 お母さんはリビングを出て廊下に。カエは和室の押し入れを覗いてみて、エイトは……なんでトイレ見てんの。かくれんぼか。

「にゃー」

 あれ? 今声が。まさかホンマにトイレに居ったん!? ……と、思ったら、エイトもきょろきょろしてたから違うっぽい。エイトがそばを通りかかったカエに聞いてみたら、

「今のトーカちゃんだと思うよ」

「そだよー」

 ややこし事すんなっ! 

「あれ、お母さんどこ探してるんだー?」

「二階ちゃう?」

 あるよな、人とかペットとか探してて、新たに行方不明者が出ること。

「おかーさーん、居たー?」

 エイトは自分で探す気無しか! トーカ、押し入れはさっきカエが開けたばっかやで。カエ、流石に食器棚には居らん。

 ……この子等の行動ってガチなん? ボケなん? 突っ込んでえぇの、アカンの?

「トーカちゃん、カエちゃん、居たって!」

「どこに居た?」

「カエちゃんがどこに居たー? ってー」

 あんな、階段の上に居るお母さんにも聞こえてると思うで。伝達係居なくても。

「カエちゃんのベッドの上で寝てた」

 ……なるほど。

「カエのベッドふかふかやもんねー」

 あの子布団畳まんからな。

 マットレスは無いです。ベッドの上にお布団敷きます。朝、学校に行く前に畳みなさいってお母さんは飽きることなく言い続けています。でも畳まないカエちゃんは中学生。反抗期の兆しはまだ見えてません。アレ? ってことは、ただのものぐさか。

「トーカちゃんのベッドはバリバリされるのにな」

 ちゃんと畳むトーカのベッドは爪とぎに使われることが多々あります。

 同じベッドのはずやのにな、不思議やねぇ。カエは珍しく布団畳んだときでもお昼寝に使われるのに。

 ……うちがそれを知っているのは一緒にゴロゴロしてたからとちゃうで! ミヤビ愛でてたからとちゃうで! いや、なでなではしたけど!

 嘘です。もういいです愛でてました。ハイ。可愛いですミヤビ。今もお母さんの腕の中でにゃーっと伸びなんかしちゃってコノヤロウ悶えさす気か。

 台所まで戻って来たらすでにトーカはご飯中。ドライか。

 お母さんの腕から逃げ出したミヤビはソファーに乗った。おぉ、色同じや。遠くからじゃ分かれへん。

「ミヤビよミヤビよミヤビさん、この世で一番美しいのはだーれ」

 ……なんでエイトはそのミヤビで白雪姫ごっこしとんねん。この子はどう返せばえぇねん。

「俺だにゃ」

 カエが答えるんかい!

「この世で一番賢いのはだーれ」

「俺だにゃ」

「カッコいいのは」

「俺だにゃ」

 ナルシストか! 自分大好きか! いや、可愛いから許すけど!

「美しいのは」

「俺だにゃ。ってそれさっきやった」

「アホは」

「お前だにゃ」

「チッ、引っかからなかったか……」

 俺って言ってほしかったんやな。わかるわかる。納得はせんけどな!

「ご飯食べぇよ、二人ー」

『あーい』

 よしゃ、これでミヤビ独り占……いや、なんも言うとらんよ。

 あ、ミヤビ立ってもた。寂しいんかなぁ……。台所までとてとて歩いて、皆がご飯食べてる食卓の横をすりぬけて、シンクの上にぴょんと乗って。

「あっ、にゃー上った」

 前は怒られてたんやけど、調理スペースである流しの右側はともかく左側は今は怒られへん。慣れか? で、ミヤビのお気に入りの場所――冷蔵庫の上へは、ここからぴょんとさらにジャンプする必要が。高さは冷蔵庫の半分ちょっと。お家の冷蔵庫参考にしてな。

 それゆけミヤビ! ぴょーずるっ、どてっビチャッ。あれ? 擬音が変なことに。

 ジャンプしようとしたミヤビの足元にビニール袋。それを蹴っちゃったから、滑って転んで流しの中へ。大丈夫か!?

「にゃー」

 おぉ、すぐ出てきた。よかった。

 落ちたばっかなのにもかかわらず再挑戦。たくましいな自分。

 無事に冷蔵庫の上に昇って、目を細めるにゃーはすごい可愛いです。はい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ