↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現役幽霊だらだら日記  作者: 呪理阿
十一月
PR
155/163

2日 抜ける

「…………なぁ、おにーさん」

「……ん?」

「今日の夜は、暗いんすね」

「…………ああ。明日は新月だったな」

 ハロウィンと、昨日と、今日と。ああ、もう今日も終わるんか。うち、まだ居る。……幽霊、うち以外、おにーさんしか見ぃひん。

「なぁ、おにーさん何してはんのですか?」

「……は?」

「なんでうちも連れて来てくれてはんの。隠れんの、一人の方が楽やないすか」

 簡単に見つからへんしさ。

 ……シルとかさ、その兄弟とかさ、その仲間とかさ。めっちゃ目ぇ効くねんで。猫の頭と犬の体持ってる黒い生物とか、もう、眼光らせてのそのそ歩きまわってるからな。うちの近くに隠れ取った人が誰かやられとったからな。悲鳴聞こえた。悲鳴聞こえた。うん、悲鳴しか聞いてないけども。

「……ああ、後悔してる」

 何やねん。後悔してんのかい! ほんならとっとと一人で逃げりゃえぇもんを。アホや。絶対アホやコイツ。

「やってることに矛盾が多過ぎるな。何やってんだ、俺」

「知らんがな」

 あ、タメ語なってもた。えぇわ。もう。

 山ん中で木も多いから、おにーさんの顔あんま見えへんのやけど……。うん、やっぱ見えへんわ。どんな表情してんのかも全然分かれへん。

「なぁ、おにーさん。あいつ等、何なんか知ってる?」

「……ああ、知ってる」

「おにーさん、あいつ等の仲間なん?」

「違う」

 ……ふーん。ホンマかいな。でも、違ったらあいつ等の事知ってるとか言わんよな。

「あいつ等何なん?」

「幽霊」

「嘘やん」

「元、幽霊」

「や、嘘やん?」

「……茶髪くせっ毛兄妹とその親類以外は、元幽霊」

「だいぶ限定されてきたな。えっと……? それ、誰の事?」

「ジャイズン、シヴィル、ヒルデガート、キーヴァ、……今居るのはコレ、だけか」

「……あの、猫と犬の合体生物みたいなやつも?」

「……リボルか。ああ、それも元幽霊。俺が言った奴以外、全部元々は幽霊」

「嘘やん!」

「わっ!」

「しっ」

 っと。ごめん、ホンマごめん。そうやん、アイツら耳えぇねん。やばいやばいやばいやばい。今、なんか『わっ』て声が。

「……リオ、か」

「あれ? ……どうしたの、こんな所に座り込んで」

「いや、別に」

 あ。いつかの、魔法の使い方が無駄な感じするおっちゃん、もといお兄さん。あれ? この人もっかい別な会い方せんかったっけ、何かもう、あかん、頭がおかしい。記憶ごちゃごちゃやし。あれや、絶対、怖さで頭壊れた。頭良うなる方に壊れてたらえぇなーとか思うけどきっと無理やな、うん。

「その子は?」

「幽霊。……何か、いつの間にか拾ってた」

『どういうこと⁉』

 ちょ、見事なまでにおっちゃんとハモったやん! めっちゃ綺麗な音奏でてもうたやん! 拾ったって何⁉ うちはネコか! 犬か!

「……そか、うん、対応しようか? 本業だしね。……あれ、君なんでここ居るの?」

「……さあ。忘れた。帰るわ」

 え、ちょ、おにーさん⁉ え、どうしたん急に⁉

「哀しいね、幽霊って。……えっと、ちょっと待ってねー。君、ハヤシレイちゃんだよね。うん、享年14? 出身……京都って、ああ、はいはいあの、ザ・和! な所? はいはい……」

 どういうこと、え、どういうこと。ザ・和! って何。何か続けてペラペラ言うてるけどしょうみよう聞こえへん。

「未練とか、ある?」

「え、何の?」

「やり残したこととか、んー、やり残したこととか……」

 やり残したことしかないやんけ。

「……さあ。忘れたかも」

 なんか、やりたいことはあった。何か、前はやりたいことあったはずやねんけど。

「そう。よくあることだよ。こっちおいで。冥界に行かなきゃ、生まれ変われないから」

「……ん。冥界って、どこ」

「さあ……。俺も行ったこと無いからわかんないな」

 ふーん。……で、うちは手ぇ引っ張られてるけど、これどこに向かって歩いてんの。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。