31日 祭りだからさ。
『Happy Halloween‼ Trick or Treatって言ってお菓子もらいに行きたい今日この日にどうして仕事があるのでしょう‼
答えは簡単、平日だからです。いや、違うか。我らが上様がお祭り好きだからでぇーす、恨むなら上様を恨みなさい! 怖くてできないね、うん、あたしも無理。まぁそんなことはおい、とい、て。
この世界では、この10月31日の夜は死者が家を訪ねて来ると信じられていたそうです。ついでに、悪い妖精やらおばけやら? ああ、あと悪い魔女、そんなのも出て来ることになっていまーす。ハイ、それで人々はオバケの仮装をして身を守るわけですね。ミメティスムよミメティスム。でもまぁこの国この町じゃあんまりやってないか。渋谷とかすごいらしいよ。見てみたいね。ああ、また話がそれた。
ハイハイ、ここからが本題だからね、ちゃんと聞いてねー。えー、本日をもって我々の観察を終了いたします。なので観察対象を元の姿に戻しましょうというわけで。これは最後の実験も兼ねています! お好きなだけ霊狩を楽しんで下さーいっ、ってノリだけど、ちゃんと狩った分数えとくのよ。おーけー? ちなみに上様も一週間前くらいからいらっしゃってます。お目にかかるようなことがあったらちゃんとあいさつしましょうね。怖くってもしましょうね。以上、解散!」
…………お、おぉう。長かったな。もううち、トリックオアトリートのところあたりから聞いてへんかったわ、シヴィルの声。
いや、だってな、だってな! 今な、昨日いっぱいわらわらわらわら来はった幽霊の皆で一緒にハロウィンパーティーしててんで⁉ やばい、ガッツリコスプレした人も居てはるし! フランケンがやたらリアルすぎてめっちゃ怖い。ネジ! 頭からネジ生えとる! もとい刺さっとるっ! ん? うちは元が学ランやったから、白黒やったらそれっぽいやろ。せやからいつも通りの服装やで。20人中6人くらいには本気で男女間違われた。残りの10人には一回確認された。
『ヘイ、レイ! 楽しんでる?』
『イエース‼ メッチャ、タノシンデル!』
気持ち英語な。気持ちだけ。うん。なんか幽霊言葉便利やな。うちも使えたで! ドヤァ。今話しかけて来てくれたんは、狼男のコスプレしたバグさんて人。色んなところで写真撮りまくってはる。サブの人に見えるけど、ハロウィン企画したんもこの人なんやて。うちも誘ってくれたおかげで、幽霊なってから一番ってくらいにはめっちゃ楽しい! やっぱ、えぇわお祭り! やっぱ、皆ではっちゃけてコスプレすんのもたまにはえぇわ! コスプレしただけで生まれる謎の集束感何なんやろ。コスプレするよな人なら、話しかけて引かれることは無いやろ。
『おいお前ら、死ぬぞ』
あ、ヤンちゃんに歩き方教えてた人やん。コスプレせぇへんの? 吸血鬼とか似合いそうやのに。
『さっきの聞いてたか? 霊を狩るとか言い始めたぞ』
え? 今何て? 誰が言うた? え、ちょえ? 狩る? 誰が? 何を、え、ちょ、えぇえええ⁉ 何その物騒やけど生きた人に何も関係のない狩り。え、狩りって何やった? え、霊狩るって、えぇえええ⁉
お祭りムードとは別な感じにざわつき始めた中、誰かが言った。
『木の葉を隠すなら森の中だー!』
木の葉を隠すなら森? え、あ、森行けばえぇの……って違うみたいやな。やば、乗り遅れた。ちょ待ってェ⁉ え、何。めっちゃ怖い。




