28日 女なのでしょう。
「なぁなぁダイ爺! もうすぐハロウィンやってんて!」
「おう、今日が二十八だから……あと二十八、二十九、三十、あと三日か!」
「……ダイ君、違うよ。ハロウィンは十月三十一日……あと四日」
「あれ、ハロウィンって三十一まであったっけ?」
「二、四、六、九、十一。あ、十月入ってないから三十一まであるわ。うん」
「え、なんだその裏ワザ!」
「三十一日まで無い月まとめた感じのサムシング?」
「に、が二月、し、が四月、む、が六月、く、が九月で、さむらい、が十一月……」
「え、ちょっと待て、なんで十一月が侍なわけ?」
「さむらい、を漢字で書いたら『士』って字になるでしょ……。この漢字を上と下で分けたら十一になるじゃないの。そういうこと」
ほぇー、それは知らんかった。
……って、誰この子、ダイ爺の後ろに引っ付いてるこの子誰。え、彼女? ……かと思ったら意外と年食ってんぞこの人。あれ? ホンマ、小さいだけで結構年行ってるんちゃう? え、なに、年上好きなん? 年上好きが行きすぎちゃった感じ? 違うよな。
「おいレイ、お前何考えてんの?」
「お幸せにな……」
「ちょっと待て本当に何考えた⁉」
「どうもありがとう」
「おばさんもそこ俺いうところじゃねぇ!」
「何やねんもー、照れちゃってなぁ、可愛いっすねぇ」
「でしょぉ? もう……いつもねぇ? 私の事をおばさんだなんて、ねぇ?」
うん、まあおばさんやけどな。ダイ爺間違ってないけどな。しいて言うなら趣味がちょっと中高生の趣味ちゃうかな。いや、大丈夫。否定はせぇへん。間違ってるとは言わへん。うん、大丈夫。
「ダイ爺、いつの間に彼女出来たーん?」
「できてねーよ⁉」
「えー、めっちゃ可愛いやん彼女さーん」
おばちゃんやけどー。えぇねん。誰かが言うてたで。『女は六十五までがお姉さんやねん。男は二十五からおっさんやけど』って。
……うわぁ、今思うとめっちゃ差別やーん。いや、区別ってことにしとこ。誰やねんこんなん言うたの。たぶん京都の子……? あれ、友達……? わからんわ。うん。
「女の言う可愛いはあてになんねぇ」
「え、ほんなら可愛ない言うんか?」
「え」
ほれほれ、本人の前やで。少なくとも貶すことはできひんで、ただの知り合いならな。ほれ言うてみぃ、ほれ言うてみぃ、なんかうちおっさん臭いな。まぁえぇわ。気にせんことにする。
「いや、可愛いっちゃうん、可愛いんじゃね?」
「きゃー、愛されてるやーん!」
疑問形やったけどな。もうえぇわ。ここは、煽っとく。
「違うっつってんだろが! 話聞けよ!」
「え、嫌や。たまには女子っぽいことしてみたい」
「お前今女子っぽいから! ウザさがすっげぇ女子っぽいからもうやめろ! それ以上変な道に走るな!」
……………………うん? …………んんん? ……あれぇ?
「おかしない?」
「あん?」
「いや、うちが、女子っぽいことして、何がおかしいのん?」
「それ以上オネェの道に走るな!」
「おっしゃダイ爺、歯ァ喰いしばれ」
「そうそう、その意気」
あっ、ちょ、待て!
「気を付けて……行ってらっしゃい」
ああ、ごめんなおばちゃん、彼っさんシバいてくるわ。まぁ、うん。えぇやろ。
まぁ、うん。ちょっと熱っぽい視線がうちに向いてる気ぃするけどまぁ、えぇやろ……。
………………逃げよ。




