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22日 誰か国語辞典貸して

『おかしいと思わないか? どうしてここだけ、こんなに穏やかなんだ』

「……言われてみれば、おかしいかも」

 あっはっは。ごめん、ただのギャグ。おかしきゃ笑えってな。

 ……いや、ほら、別に誰にも見えてんやろ? ちょっとふざけたくもなるやんかー。って、最近幽霊増えてるんや、そうや、ひょっとしたら見られたかも? ……うわ恥っず。ということでレイちゃんはコトネと誰かさんと誰かさんその二が喋ってる内容に耳を傾けることにします。

 ……何か、誰かさん二人の顔立ちといいスタイルといい。謎にあそこだけハリウッド感が。コトネは除く。ごめん。

『ほら、見てみろよ。自動販売機に札入れてるぞ!』

 え、アカンの?

「普通じゃないの?」

『ちゃんとおつりが出ないこともあるのに、怖くてお札なんか入れられないわ!』

『あ、釣り出たぞ。良かったな』

「日本では、おつり出ない方が珍しいの」

『『オゥ……』』

 アンタらホンマどこの人。ってかさ、てかさ? あの人ら、ひょっとしなくてもこないだコトネがぽーっとした目で見てた人らやん? 英語だかドイツ語だかロシア語だか分からんけど、そんな言葉話してた人ら。今も同じような言葉喋ってんのに、意味通じてるってどういうことなの。

『あっちでは鞄をベンチに置いたまま立ち去ったけど……』

 どこや。バス停? ……いや、立ち去っては無いけどな。ちょっと時間表示見るために立ち上がらはっただけやけどな。

「……でも、盗まれはしないかな……」

『あんなに高そうな鞄なのに!』

 え、アレ普通の、革製のスクールバッグ。あ、確かに高級感あるわ。うん、見た目は。でもな、スクバ盗んでどうすんのやから。使いどころなっかなか無いから。ほんであの鞄結構使い込んであるぞ。

 分かった。この人ら、価値観うちらと相当違うんや。

『……もしかして、日本って全部あんな感じなのか?』

「あ、あたしが見た限りなら……」

 コトネまだそんな大き無いけどな。

「あ、こんにちは。その節はどうも」

「あ、どもー。えーっとどの節でしたっけ?」

「おかげさまで、今では普通に歩けるよ」

「ああ、えーっと、あの時の。うん、うちはなんっもしてないんやけどね」

 コトネが行っちゃった後で会うたあの子か。おない位やから、他の人より強く印象残ってるで。

「あは。でも、ありがとう。……どこ見てたの?」

「んあ? ああ、バス停。不用心やなぁて」

「本当。日本人は平和ボケしてるって言うけどね」

 ……自分、可愛いな。ショートの髪とそのすごい大人しそうな声と仕草がめっちゃいい。抱き着いていい?

『いや……そうは言っても! 日本のこの町に居たら、いや、居る時のみ、幽霊は絶対的な安全が保障されているって言うのが、やはり納得いかない‼』

『アール、落ち着いて』

 アールさん、今言ったことをもうちょい優しい言葉で、ゆっくり、お願い。理解追い付かへんかった。待って、絶対的な? 安全が? 保障されている? 絶対的って何。

「……確かに、そうだね……。ねえ、あなたはどう思う?」

 ごめん、ちょーまって、絶対的ってどういう意味。

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