18日 ハウ・トゥ・
「……この町、幽霊がいっぱい居るね」
「そか? 最近多いなぁ思たけど……まあ、こんなもんちゃう?」
「ううん。この町以外じゃ、幽霊なんか全然見ないよ」
「嘘ん⁉」
え、嘘ぉん⁉ マジで⁉
「一日に何人も幽霊とすれ違うのなんか、変な感じ」
「普通ちゃうん⁉」
たまーにうち、散歩中にすれ違っただけの見知らぬオバちゃんと立ち話すんで? 気付いたら夕方なってたりすんで? たまーに、すれ違ったお爺ちゃんから戦争の話聞いたりすんで?
うん、まあ、どっちも一回二回くらいしかないけど。そんでも、結構すれ違うで? 一応。 ……ま、ダイ爺は中学から出れるようになってから今までで謎に友達大量生産しとるらしいけど。お前友達作りの天才か、て。
『こっちだよ~。ほら! ここなら安全だよ、お仲間いっぱい居るでしょ~?』
『ホントだ、何ここ、ずるいなぁ』
『すごい、こんな所あったのね!』
え? ……え?
『今ならこの町安全だよ~。じゃあね』
あれって、シルの妹ちゃうん? 喋ってんの何語? 英語? 連れてこられたん誰? ……あ、リア充な。つまりカップルな。わー、手ぇ繋いどる、わかりやすっ。でも外国人さんやし、普通に美しいな。綺麗やな。でもなんでずーっと飛んどんねん。降りろし。浮つくなし。
「わぁ……、なんだか憧れるなぁ」
コトネ、自分案外興味深々なんやな、ああいうの。……何か、女子力の差ぁ見せつけられた感が。えぇもーん、うち学ラン来てるから男やもーん。可愛い言われるよりイケメン言われる方がうれしいもーん。
「何言ってるか分からないけど」
分かれへんのかい‼ まぁそうやんな、あっち喋ってんの英語やもんな! 自分精々小学生やもんな! 習てへんわな!
……あれ、習ってるはずのうちもわかれへん。
…………あの人らが喋ってんのはドイツ語ってことで!
「ねえ、ねえ! あのっ」
「はい?」
コトネー、おーい、自分大丈夫かー。目ぇ奪われすぎやろ。もうえぇわ、うち一人で対応しよ。
「あ、えっと……地面に立つのって、どうやるの?」
……はい?
うちと同じくらいに見える女の子。この子もやったらふわふわふわふわしとんな。落ち着けし。あ、地面に立てへんってこと?
「どうやるって……普通に、足の裏地面にくっつけてやな」
「すりぬけちゃうんだ……」
え、なんで⁉ いやまあ、すり抜けよう思たらできるけど、立とうとしてんのにすり抜けることってなっかなか無いで?
「……アパート行ってみるか」
「アパート?」
「アパートにな、お兄ちゃんと姉ちゃんとの兄妹住んではんねんけどな、この人ら謎に幽霊詳しいねん」
ホンマ謎やけど。……幽霊との付き合い長いんやろな。
「あ。でもさすがに今は留守か……」
真昼間やし。今日は雲っとんな。
「お前は生きてた頃、立つ時に一々立ち方を思い出しながら立ってたのか?」
『え?』
「体があった頃は何にも考えないで立てただろ」
「あっ、うっ、はいっ」
え、誰。いやごめん、目で聞かれても答えられへん。誰この人。まぁアンタも誰やねんなんやけど。立てへんアンタ誰。話しかけてきた男の人誰。
「立とうと思えば立てる。生前は立てたんだから、立てるのは当たり前だろ。ほら」
ほらって何やねん。ほら、立てたやろってか。
「え? あ、本当……」
マジか! 簡単やなオイ。生きてた時足悪かったらどうするつもりやってんな。
「……思った以上に早かったな」
なんでお前が驚いてんの。




