↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
136/163

14日 案外多いっぽいです。

「……あ、さーせん」

 …………なんで謝ってんねんうち。相手普通の人間やぁ言うねん。聞こえてへんねん。

 んとな、ちょっとな、するっと壁すり抜けて入った所がお風呂にな、男の人浸かってはってんか。うん、濁った入浴剤使ってはったけど、な? なんか、気まずいやん。若かったし。

「あれー? 入浴剤変えた?」

「あたしが買ったやつー」

 んぉ。お姉さん? 脱衣所の洗面台ん所で、ヘアバンドしたお姉さんが手ぇ洗ってはった。

「あら、いつの間に~?」

 そこ台所か? やらかい女の人の声した。お母さんかいな。なんか、声が母さんっぽい。

「えへへ、寒くなってきたからねー。温まるのにした」

「ミツバはほんと、よく気が利くわね」

「いーい湯っだっなっ。みつ姉さんありがとね!」

 ……でかかった割に意外と可愛いな弟。ほんでお姉さんの名前、ミツバ? 可愛らしなぁ。なんか野菜にあったよな、こんな奴。あれ、野菜やったっけ?

「ぎゃぁあああああ‼」

 うぉおっ⁉ どした、弟⁉

「どうしたの⁉」

「どしたの?」

「シャンプーが目に入った」

 派手な叫びの割に地っ味ッ‼ そんで、声もめっちゃ冷静やったしな。何やねん。

「驚かせないでよぉ……大丈夫?」

 うぉわっ、お母さん駆けつけて来てた! どんだけ慌てててん。息上がってるやん。

「うん、だいじょーぶ」

「良かったわぁ……」

 そらな。たかがシャンプーやしな。

「帰ったぞー」

 ん?

「お父さん、お帰りー」

「あら、おかえりなさーい」

「はい、ただいま。お土産帰ってきた、んや、買ってきたぞー」

 へーっ、お土産買ってきてくれはるんやー……って、何て? 今最初なんか違うこと言わへんかった?

「何買って来たの?」

「わぁあい! おかえりー‼」

 うぉまだ居た‼ みつ姉さんにひっついて台所兼食卓来たら、小学生も飛び込んで来た! でも絶対コレあれやんね。お父さんが帰ってきての『わーい』やのうて、お土産あるぞー聞いての『わぁあい!』やんね。

「父さん? お土産何ー?」

 弟……お前なんで風呂から会話参加しとんねん。声でかいな加えて耳もえぇな自分。洗面脱衣所と台所直結してるからか?

「なにー?」

「たこ焼き」

『わーい!』

 ……体のサイズ偉い違うのに反応同じか! みつ姉さん苦笑しとるやん! あ、や、呆れ顔か。

「一人一パックずつあるから喧嘩するなよー」

 おー、一人一パックか!

 ……え、一パック?

 …………え、一人八個ちゃうそれ。

「すごい! おとーさん太っ腹!」

「誰がお腹ぽにょだ」

 言うてへん言うてへん。

「どんだけ買ったの」

「たくさんあるわねぇ……」

 みつ姉さんガチの苦笑。お母さんそのめっちゃにこにこの笑顔怖いて。やめてって。

「というわけで、母さん。……小遣いがなくなった」

 爆弾投下! 絶対アホやろこのオトン‼

「あらあら、お父さんったら」

 怖い怖い怖い怖い! お母さん怖いてその笑顔! 黒いて!

「か、母さん、それじゃ!」

「ちょっとお待ちなさい?」

「あ、お母さん。今月分のバイト代多目に入ったから入れとくねー。あたしは無駄遣いしないから」

 みつ姉さんかっけぇ。みつ姐さんやん。……何か違うか。

「ミツバ…………」

 おお、ほろりと来てるやん。お母さん嬉しそう。よかったな、お父さん。これでお父さん無事かもしれへんで。良かったな。

「小遣いUPの方……うわぁ母さんやめていやぁああああ‼」

「あ、先に食うなよ、リン」

 もぐもぐもぐもぐ。リンちゃんそれ美味そうやなー。

「大丈夫大丈夫お父さん、死にはしないわ」

 ……あかんわ。ちょっと背後の光景が、ちょっと……えぐいわ。

「リン、見ちゃダメ」

「なんでー? おかーさんとおとーさん、たこ焼きいらないのー?」

「あら、覚める前に頂きましょうか」

「……わしのは、皆で分けて食べなさい」

『わーい!』

 お父さんゾンビ化しとる。

 ……何やろな。また変な家開拓してもた気ぃするわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。