17日 少年VS少女
今日は家に居ます、レイちゃんです。
エイトとミヤビとレイちゃんでお留守番です。
ミヤビは猫だから当然として、エイトは小学四年生。でもって、特に最近学校イベントもなかったので、今日は特に学校がお休みなわけではありません。頭痛いんやって。熱射病か? 気ぃつけなあかんで。
そんなところに電話がかかってきました。
「もしもーし。コウチです」
耳を近づけてみた。
『私、マリーさん』
アンタかい!
『今、あなたの家の前に居るの』
ほんでいきなり最終来た!
「え? どこに居るって?」
聞き返した……⁉
『……今、あなたの家の前に居るの』
答えるんやな。優しいな、マリーちゃん。
「家に前とかあるの?」
え。
あるやろ、門のある方が前やろ? ……いや、表と裏って言うし、いや。
『ぇ、と。あなたの、家のドアの前に居るの』
ガンバレマリーちゃん。
「え、ドア?」
ガチャ。
……と、エイトが明けたのは部屋のドア。
それじゃない! 誰も居らんそこ!
「居ないじゃないか」
そら居らんわ!
「まったく、嘘なんか吐きやがって」
プツッ……え、切っちゃった⁉ めっちゃ口調芝居がかってたで。うん……負けるなマリーさん。
また電話かかってきた。その勢!
「……む」
電話を見て腕組みして。めっちゃしかめっ面してますけど。
「…………ま、いっか」
スルー⁉
あーあー、留守電なっちゃった。
『ぅぇ……私、マリーさん……ぐすっ。今、あなたの家の前にぃるの……』
さすがにこんな涙声のマリーさんを放っておくわけには行かないらしく、エイトは心配そうに電話を見て一言。
「……今、『うぇっ』って言ったよな……吐いた?」
違ぁあああああああう! 嗚咽! 泣き声! もうえぇかげん開けたげて!
がちゃ。
あれ? がちゃ?
『私、マリーさん。今、廊下に居るの……』
鍵開いてたんやな……よかったな、マリーちゃん。
「そこ、蚤居るよー」
『ノミ⁉ ノミ……ノミ?』
分かってないな。うん。知らぬが仏やで。いや、知らずにかゆくなるの嫌やけど。
「え、蚤知らないの? 教えてあげよっか」
咳払いを一つ。
「蚤って言うのはね。血を吸う害虫なんだよ……。たぶん、君をぐっちゃぐちゃにするだろう……」
おどろおどろしい口調であることないこと吹き込むな! いや、途中まではあってるけど! 合ってるんやけど!
『……マリーさん、血、無いの』
おぉ……ここにきてまさかの返し来た。マリーちゃん反撃してきた。
「……えー、そうなの? でもねぇ、蚤っていうのはね、血が無くてもむしゃむしゃ食べるものだよ。いろんな物を」
無いこと無いこと吹き込むな! 怖いわ! 何やねん、むしゃむしゃ食べるって!
『マリーさん、食べれないもの。人形だもの』
「え?」
さすがにエイトもビビったか? ざまぁー。いや、人形って聞いて信じるわけないやろけど……
「人形って……動けるの?」
信じた⁉
「だったらいいやー。もう、人形なら、ほかの場所に捨てて動けないようにしよー。要らないし」
酷ッ! 棒やけど!
『マリーさん、ゴミ捨て場から来たの』
おぉ……なんか、扉の向こうでちょっとしてやったりがおしてるのわかるで。
「……じゃあ帰れば?」
『嫌なの』
それよか自分ら、電話越しに喋んなよ。電話代もったいないで。
「ていうか、何しに来たの?」
そういや、今回は迷わず来れたんやな、トーカん家。
『お家探しの旅なの』
トーカ関係なかった!
「行ってらっしゃーい」
『行って来ますの』
え、行くん⁉
「ちょ、マリーちゃん?」
「あ、レイ兄様、こんにちはなの」
「お、おぉ、こんにちは」
順応早いよなこの子。うちにビビって泣いてたんは誰やった?
「えぇんか? これで帰って」
「また来るの。そして、あの子に勝つの! だからマリーさん、神様に勝ち方教わるの」
「お、おぉ……頑張れよ」
「はいなの!」
えぇお返事。うん、でも、そもそも何したら勝ちになんのやろ……。
ちなみに、可愛いミヤビは興味なさそうにあくびしてました、まる




