23日 飽きられつつ光る
らん、とん、ろん。
そんな感じの音。
『らん、とん、ろん』
そんな感じの歌声。
……たまに聞こえんねん。何の曲コレ。音鳴ってるところ探そうとしてもさ、何か知らんけど音が大きくなる方角分かれへんねん。曲が終わったら聞こえへんくなるんか思うてても、いつの間にか消えてるって感じでな? いつ終わったん? ってなるんよ。
「なぁアケヤマさん」
「はい。おや、レイちゃんこんばんは」
「あ、こんばんはぁ。なぁなぁアケヤマさん、この曲どっから流れてるんですかね」
「…………曲? すみません、どんな曲ですか?」
「らん、とん、ろん、みたいな」
「ん……? 聞こえませんが……」
嘘やん。え、嘘やん。ちょー待って、うちだけとかちゃうよな⁉
「エンドウさん‼ この、らん、とん、ろん、的な曲聞こえるよな⁉」
「え? はい。あの、これ、なんでしょ……」
「あーよかったぁー。アケヤマさん聞こえへん言うから、うちだけか思ててん」
「あ、私もです」
「やんね!」
あー、すっきりした。散歩してこ。……そいや、この神社の裏に洞穴掘られてなかったっけ? どんなんかは忘れたけど、あったような気ぃはする!
「……あらっ、お客じゃーん。レイ、どかした?」
「……そっちこそ、どうかしたん?」
「へ?」
いやだって、何か体中青いで。青く光ってる感じする。何? ブラックライト? あれ? ブラックライトちゃうかったっけ、真っ暗な部屋で点けたら、洗濯で洗剤とか使ってる家の服は白い部分がピカー光る……ブルーライトやったっけ? でもなんか黒、ブラックライトな気もする。
「あたしは何にもないけど?」
「シルさーん、結晶ちょっとくだせぇやぁああいっと、危ないから投げないでくれよったく」
何か、細いものがいっぱい刺さった硬そうな結晶? 投げるって。シル自分怖すぎんで。
「なぁ、アレ何? なんで光ってんの?」
「魔力を凝固させた物体。光ってるのは、魔力は昇華するときに発光する性質があるから。おーけー?
「いやあんまし」
ごめん、分からん単語が多すぎた。魔力? は、まぁまだえぇとして。凝固って何や、『しょうかい』って何や。
「んっと。ドライアイスってさ、気体になる時白い煙出るでしょ?」
「えーっと、うん」
いや、別にそうやったっけーちじゃ考えてへんで! ちゃんと覚えてて言うたからな! ホンマやからな‼
「あれが、魔力だったら、気体になる時光るってこと」
「全然分かれへん」
「シルさん、それちょっと違……」
「もういいやわかんなくて」
「ええ⁉」
「おいおい……」
ひっど! え、ひっど‼ もうちょっと丁寧に解説してくれてもえぇやん! ちょっとくらい付き合ってみてくれてもえぇやんかぁ‼




