22日 まぁ子供なんですよ
『なー、おーい! そこのお兄! あ、おい、黒い服の、あぁああえっと、暑そうな服のお前! テメーだって‼』
「あ、うち女な」
………あれ? うち今、何で返事できたん? 聞こえてきたの、外国語やで? 英語でも中国語でもないけど聞いたことのある感じの……どっかの。どこやろ。とりあ振返ってみよか。誰もおらんわ。……あ、居た。ちょっと視線下げたところに、小学生か中学生かくらいの少年くんが一人。
『マジィ⁉ ぜんっぜん見えない』
「ドヤ。イケメンやろ」
『別に、全然?』
……酷いわこの子。外国人ぽい顔してるからて。将来楽しみかもしれんからぁて。きっとあれやろ?
「自分、お父さんイケメンやろ」
それ見慣れてるから、基準が高すぎるんやきっと‼ そう言う事にしといて! やないと、うちが凹む。結構イケメン言われたことあったで、いつだか忘れたけどやな。いつかは言われたで‼ ほんまやからな!
『あー……ん、かっこいい、とか、可愛いって言われてるのは見た事ある』
「可愛い⁉」
『オバサンらに』
「は、はぁ……」
まぁ、ありえなくは無い……ん、か? 可愛いとかっこいいと両方言われるお父さんて。何それめっちゃ羨ましい。うちもそうなりたいけど無理やわぁ、うん。
『あっ、そうじゃなかっ、なくて、だな』
「噛んだな」
『放っとけ』
いや、可愛かったで。よかったな、自分は将来お父さんみたいになれるかもしれへんで。良かったな。
『赤い髪の、ふわふわん毛の、角の無い、こんくらいの男子! 見てねーか? あ、あとつり目で仏頂面‼』
こんくらいって……大体どんくらいや。小中学生? 身長的に自分よりは年上なんやな?
「何其れ、誰?」
『え――っと、兄貴その一!』
あ、その二も居るんや。
『見てねーか?』
「んーや? 多分見てへんで」
『ちぇっ。キヴ、にゃろぉどぉおおおこ逃げやがったぁああああああああああ‼』
声でかい声でかい。耳痛いわ。雄叫びか。それでその子呼んだら即見つかるやろ。あれ? 今その子の名前言わへんかった?
「ほんで、誰探してんの? 名前」
『キーヴァああああああああああ』
ありがとぉ。別に叫ばんでもえぇねんで。
うん、何やしっかり知ってたな。ほんでお父さんも知ってたな。……あの鬼さん、あのわっかいわっかい見た目で何人子ども居んねん。ホンマはいくつやねん。
『うっさい馬鹿、黙れ』
わ、キーヴァ、ドロップキックしながら振って来た。どっから降って来てんな。
『るっせー運動音痴、頭でっかちー』
…………うわー、何か、精神年齢の差を感じるわ。
『ジャイズン仕事で手が足りない。手伝いしたら小遣い貰えるって』
あ、そこは子どもっぽいんやな。『小遣い』なんやな。
『えー、俺嫌だ。もっと楽しいのがいいー、つかよぉ‼ こっちゲームの途中だぜ⁉ サバイバル鬼ごっこ‼ なんで俺ここに来てんだ!』
鬼ごかい。やっぱなんやかんやで子供なんやなぁ。
『ほんとか?』
キーヴァ、お前何に反応しとん。




