21日 見てみたいから
「おー、何か懐かし、高校」
「そうなん?」
「ああ、ひょっとしたら死んで以来かもなー」
「ふーん……そか」
死んだんいつやねん、とかは別に聞かへんけどさ。覚えてへんやろし。
んっと、なんか、今日はやったらバスの中に居る人が多かったからちょっとバスの上に乗って走ってみた。やっぱ車って速いわ。で、そのバスに乗ってたんは中学生ばっかやったみたいなんやけど、その人等が皆高校近くのバス停で降りはんねん。その人等についてったらトーカの高校に着いた。
ダイ爺はー、んーと、なんで居るんやったっけな。
「なぁダイ爺」
「んぁん?」
「なんやねん、んぁんって。いや、そうやなくて」
「何だよ」
「なんで自分ここ居るんやった?」
「…………居ちゃ駄目なのか⁉」
「いや、何でうち自分と一緒に居るんやろってなった」
「ひでぇなオイ。ほら、お前が中学来てて、帰る途中にいきなりバス追いかけだしたから俺びっくりして付いて来たんだよ」
「あ、そら気づかんわ。何で一緒なんか分からんわ」
「気づいてなかったとか言ったか今‼」
「言い直したやん!」
「つまり言ったのかよ」
「分かった、前言撤回したるやん」
「結局気付かないに落ち着いたな」
………え? なんで? ……『なんで一緒なんか分からんわ』を撤回したことになってる?
「ほんなら、前言撤回の前々々撤回」
「よしっ」
何が『よし』やねん。
「てか、人多いなぁ」
「学校公開じゃね? ほら、何かユニフォームの奴等が集まってるし。部活の勧誘とか」
「まじか。え、学校公開って、こんな人居るモンなん? 別に見るとこ無くない?」
「ぼろっくそ言ってんなお前。部活体験とか、なんか……ほら、なんたら授業? とか、一応見るとこあるだろ」
『一応』って最初につくけどな。ってか、自分もそんな分かって無いやん。
「つまりあれか、保護者やなくて中学生が見に来る授業参観?」
「ぜんっぜん違うだろ‼ それはねぇわ。高校の現状見せちゃ駄目だろ」
「え、あかんの?」
「いやだって、正直高校って中学と大差ねぇぞ? ちょっと文化祭が豪華になって、無駄に授業がややこしくなるだけだぜ?」
……嘘やん。
「え、青春無いのん? 文化祭とか体育祭とか部活とかめっちゃ頑張って、最後に勝つ‼ みたいな」
「いや、クラスとか色とかいくつかあって、最後に勝てるの一組だけだからな? 勝てない奴等の方が多いんだぞ」
「お、おぉ……なんかちょっとガチなこと言うなや。怖いやん」
「いやお前高校行かねぇじゃん」
まぁそうやけども。
「あっ、ほら、あれは? 青春の――えーっと、ラブコメ? めっちゃイケメンもしくはめっちゃかわいい子に告られるか告るかするやつ。そんで、最後に叶うやつ」
「ないない」
「うそやん‼」
「少なくとも、俺には無かった」
「…………………………どんま」
まぁ、そう言う事やんね。一部人口にしかないねんな。ん? でもダイ爺の高校生活って短かったんちゃうん?
「死んだとき、ダイ爺何歳やったん?」
「十六」
「高校生どんくらいしてたん?」
「あー? ざっと三ヶ月?」
「すっくなぁ⁉」
「んだよ」
「そら、青春してなくてもセーフやろ。別にあとの二年とかその内にあったかもしれへんやん」
「いや、んなこと言ってもなー」
「せやから、中学生の夢壊すな‼」
「そこかよ!」
え、だって憧れやん。高校とか青春とか。
……うちも中学生ん中混じったろかいな。




