20日 意味、無し
「なぁ、神様?」
「どうした。というか、いつ来たんだ?」
「今来たんっすけど。まぁ、んなこたいいや」
……神の爺ちゃん、焼き芋置いといたほうがえぇ空気やでコレは。もっさもっさやってるような空気ちゃうで。っていうか美味そうやなそれ。いや、んなことどうでもえぇねんて。さっさと食切るなりちょっと横置いとくなりせぇよ。
えー、レイちゃんは拝殿の上でちょっとのんびり中やったところ。ほんで、何か話し声聞こえてきたからちょっと本殿の方に顔をのぞかせてみたり。アパートの兄ちゃんやん。どうしたんかな。
「まぁ、座りなさい。焼き芋食べるかい?」
「あ、あざっす」
お前も食うんかい‼
「美味ぇっすね」
「だろう。そこで採れたんだ」
「ぶっ……そ、そこか⁉ 拝殿の裏すか⁉」
知らんかったんかい。結構目立つやん。お参り来たら、帰りは絶対見る場所にあるやん。
「それで、どうした?」
「あぁ、いや……。何か一気に力抜けたっつーか」
そらな。もう思いっきり吹きそうになってたもんな。でもホンマには吹かへんあたりはさすがイケメン。いや、イケメン補正やったらどうしよ。うちの目がそういう風に見せてるだけやったりして。……それは無いか。うん。イケメンより可愛い女の子や。レズちゃうで。
「っはー。あんさ、この町平和じゃん?」
「……そうだろう?」
「ああ。不気味なくらい」
「不気味と言うか」
「だってさ……幽霊殺しに来るやつらが来ねぇじゃん。俺からしちゃ、超不気味なんだけどな」
……は? 何それ。めっちゃ怖いやん。死んだやつわざわざ殺して何が楽しいねん。
「知っているのか?」
「知ってるも何も……んや、いーや。あんまし関係ねぇや。ただな、俺あいつ等嫌いなんだ」
「幽霊か?」
うそん。お兄ちゃん、めっちゃ優ししてくれてたやん。それなりに喋ってくれてたやん。え、幽霊の事嫌いやったん?
「いや、ゲーム感覚の狩人共」
「奇遇だな。私もだ」
「おっ?」
「だから、なんとかこの町には入らないようにしていたんだが……。穴が開いた。残念ながら、彼らはすでにこの町に来ている」
「マジ? 見間違いじゃなかったのかよ――」
え、なに? 何⁉ 幽霊殺されるん⁉ ちょ、ちょ、お兄ちゃんとか爺ちゃんとか男の人がいる近くでちょっと固まっとこ。
「見間違い? 何と」
「……ちょっとした敵。ま、どうこうできる相手でもねぇのは重々承知してっけど」
諦めモードやん。この人愚痴りに来たん?
「なぁ、神さん」
「……どうした」
かみさんて。奥さんか。
「人間って、いや、動物、植物、生物。これだ。生物。なんで必要なんだ?」
「……どうした、突然」
「いいや、別に。ずっと前から不思議でよ。生物が生きるのは子孫を残すためだっつーけど、なんで子孫が必要なんだ? 他の生物との関わりなんざ、他の生物も滅びりゃ必要ねぇし。それによって星に何か影響あるっつーんなら、星が無けりゃ起こりえない。だからさぁ、俺が言いたいのは、全てに意味無いなってこと」
「何かあったのかい」
「いや、別に」
…………滅亡計画でも考えてたんか、自分は……?




