9日 百鬼
「宴だぁああああ‼」
『わぁああああ‼』
……わ、わぁあああ? ごめん、ついて行けへんかった。
いやな、真夜中の山の頂上で、何か色んなのが集まって何かやってたからレイちゃんも来てみたわけよ。ジュジュとか豆腐小僧とかその他諸々妖怪居たわけよ、昨日のマシロさんも含む。ついでにシルとかキーヴァとか、鬼さんとかも含む。
本気で言うわ。何の集団⁉ どこに接点があったんこの人ら‼
「はいはい、テメェら、静粛に。誰だぁ、煽った奴」
……シーン……怖い怖い鬼さん怖い。
「俺でーす。さーっせんっした!」
勇気あるな自分‼ 誰や‼ ……ほんで、なんでそんな大量に銃だのライフルだの持ってんねん。どっか置いとけや。
「許す」
「あざーっす‼」
え、鬼さん優しっ! とか思った瞬間金棒降ってはるからな。全然優し無いからな。それあっさり受け流すこの人もすごいな。でもライフルの使い方はそうじゃないと思うねんか。
「ん、上からの伝達事項は特に無し。精々楽しめってくらいだ」
『うぉおおおおおお‼』
怖い怖い。楽しむって何を楽しむつもりやねん。どうやったらそんな雄叫びできるねん。
「ただし‼」
『うぉ?』
雄叫びの口のまま聞き返すな! ただのアホやろこいつら! ゴリラかチンパンジーの集団みたいなことになってるやんか!
「うっかり町の幽霊および人間殺してみろ。俺がテメェら殺すからな」
お、おぉ……。え、爺ちゃんがこの町居たら安全って言ってたんは、鬼さんがこの町守ってるから? 何それ、何そのめちゃくちゃ心強い用心棒。でもめっちゃ目ぇ怖い。やっぱ鬼の目やて。くわばらくわばら。
「わかったら、俺からは終わりだ。飲め!」
『わあぁああああい‼』
ホンマに分かってんのかいなこいつら。ってか、鬼さんこそ酔って暴れへんやろな。
「キヴ」
「何?」
「俺が『うっかり者』に気付かなかったら、お前が殺っといてくれ」
「わかった」
ちょー待て、いきなり責任放棄したぞアイツ。二十そこそこ(に、見える)の奴が、半分くらいしか生きてへん奴に仕事明け渡したぞ。横流しやん、横流し!
「よし、いい子だ」
…………鬼さん? あれ、ホンマに鬼さん? 顔逸らしてたら分からんかったかも。表情悪そうやのに「いい子だ」って。
あ、なんか、誘拐犯にしか見えへんことなって来たわ。
「おぉおお、レイ、なんだこの騒ぎ」
「分からん……何か、妖怪さんたちが宴とか言ってわいきゃいやってはる」
「……妖怪って、宴とか好きそうだよなー」
「せやねー。……ダイ爺どしたん?」
「いや、そりゃ……なぁ?」
まぁ気になるわな。何やねんこのハイテンションな集団。軽く不気味やわ。っていうか、出されてる食べ物も訳わからん物ばっかやしな。その時点でやろ。
「痛っ、誰だ、菓子とガラス玉すり替えた奴‼」
なんで気付かへんかったん⁉
「あー、シルちゃんだぁ! 髪切った?」
「んーん、今日は角取った。そこの角焼き。二本限定よん」
それってさ、羊が羊毛のコート来た人間見てるような気分にならんのかな。まぁうちもそんな羊の気持ちとかぜんっ全わかれへんけども。
「豆腐ー、豆腐ー、日本一旨い豆腐だよー。霊界じゃ非売品‼」
何か豆腐売ってる奴いるし。
……楽しそうってことは、分かった。
「なぁレイ」
「なんさ」
「妖怪の宴ってさぁ、何か怖くね?」
「……せやねー」
こいつらまさか、この後百鬼夜行ごっこするんとちゃうやろな。
実は第百話だったり。わーいわーい。
毎度ありがとうございます。




