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許嫁=猫…ではない  作者: 東音


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修羅場に次ぐ修羅場

談話室を出た廊下の突き当たりで、二人はすぐに見つかった。


「りん……」


 松平部長と共に、自販機の前にしゃがみ込でいるりんごに、俺が声をかけようとした時……。


「も、森野ぉっ……//」


「ひっ??!☠」


 !!


 唇を尖らせた松平部長の顔がゆっくりりんごの顔に近付いて行くのが見えた。


 りんごの表情は見えないが、松平部長のしようとしている行為を特に拒絶しようとする様子もなく、もう少しで唇と唇が触れ合うという時……。


「何をやってるんだ!!」


「「!!」」


 反射的に大声が出て、二人は驚いたように振り向いた。


「さ、里見……!」

「こ、浩史郎先輩……! あっ!」


 安堵と気まずさが同居したような表情のりんごの腕を取り、俺は詰め寄った。


「俺を他の女子に囲ませておいて、自分は松平と密会か? 最低じゃないかっ!」


「ち、ちがっ……! ただ、私は飲み物を持ってくのを手伝おうとっ……! こ、こんな風になると思わなくてっ……」


 ぶるぶる首を振りながら否定するりんごに嘘は感じられなかったし、それを裏付けるように、自販機の床には、スポドリのペットボトルの入ったエコバッグが二つ置いてあり、その一つからこぼれたのか、ペットボトルの何本かは床に転がっていた。


 それでも、俺が止めなければ松平と決定的な行為に及んでいたであろう事を思うと、怒りが抑えられなかった。


「一方的に松平に迫られたにしても、すぐ拒絶しろよ! 《《君は俺の許嫁だろう》》!?」


「……!!」


 感情のまま放ってしまった言葉に、りんごは目を見開き、逆に俺の腕を掴み、責め立ててきた。


「なんでっ……!? なんで言っちゃうの!? 《《皆の前で……》》!!」


「!!」


 気が付くと、俺の後ろには、宇多川、西園寺、他の部員全員が詰めかけ、息を潜めて俺達の様子を窺っていた。


「え? 何、修羅場……?」


「森野さんと里見くんが許嫁で、そこに松平部長が割って入ろうとしたって事……?」


 ざわめく部員達。


「お前達は、許嫁同士……だったのか……?」


「里見様が森野さんと許嫁同士……ですって!?」


 ショックを受ける松平、西園寺。


「り、りんごっ……!||||||||」


 全ての状況を踏まえ、宇多川は真っ青になると、こちらに駆け寄って来た。


 ドガッ!

「どきなさいよっ!!」

「ぐわぁっ!」


「夢ちゃん……!」


 勢いのままに突き飛ばされ、俺は床に横倒しになった。


「わあぁっ。りんごぉっ!! 男子なんかのものにならないでぇっ!!」


「ゆ、夢ちゃんっ?!」


 痛みに呻きながら見上げると、大泣きしている宇多川に抱き着かれ、りんごが目をパチクリとさせているのが見えた。


「男子に取られるぐらいだったら、私がりんごをもらうわっ!」 


 そう宣言すると、宇多川はりんごの顎を片手で捉え……。


「んむっ!」

「へっ。夢ちゃ……んむっ?! ※$%¥※?!!」


「「……!!!!?||||||||」」


「「「「「「「「!!!!」」」」」」」」


 俺、松平を初めその場にいる全員は、宇多川とりんごが濃厚なキスを交わしているのを呆然と見守った。


「ぷはっ。夢ちゃん、いきなり何をっ……」


「り、りんごはまだ私のものだものっ! りんごは私と一緒に過ごす為に、この学園に入って来たんだから!! そうでしょぉ? りんご!! わあぁ〜ん!」


 りんごがやっとの事で宇多川を引き離すと、宇多川は子供のようにわんわん泣き始めた。


「ゆ、夢ちゃん……」


 その様子を途方に暮れた様子で見詰めるりんご。


 そして、その様子を見ながら、更にどうしていいか分からず立ち竦んでいる俺、松平、西園寺、部員達。


 カオスでしかなかった……。




*あとがき*


 いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m


 かなり大きく話が動きましたが、このカオスは収められるのか、又は収まらないで突っ走るのか今後の展開を見守って下さると有難いです。


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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