第7話 弓矢と外出
少し短いです。
どうぞ、お読みください。
『弓矢、それは人類が作り出した狩猟に使う道具であり、戦いに用いられる兵器であり、人々の秩序を維持するための道具でもある。昔人類は、投槍器を用いていたが、次第に廃れていき、もっと正確に狙う事が出来る道具が求められた。ある時、良くしなる木の両端に頑丈な糸を張ったものが、開発された。それが弓である。最初の内は、槍を打ち出すための物であったが、次第に槍よりも小さく細い投射物が開発された、それが矢である。この二つの発明により、人類は、大いなる発展と多大なる犠牲を同時に持つことになったのである。』
〔デイ・ノルド王国〕首都 〔ハルマ―〕王城 後宮 王子自室
僕ことエギル・フォン=パラン=ノルドは、リウム先生から弓矢について講義を受けていた。
僕も七歳となり九我流においても、弓矢を修練が始まることとなっており、そして自分専用の弓矢を購入する為、こうして講義を受けているのであった。
リウム先生は、序盤の説明を終えると、僕が座っている机の上に並べていた弓を取り解説を始めた。
「殿下、これより弓の種類をご説明いたします。まず私が持っている弓は長弓と呼ばれる弓です。戦場では最も使われている弓です。長所は、長いため力を十分にためて矢を打つことが出来、長距離の飛翔と高い威力があります。短所としては、長いため取り回しが難しい事と、引くためにはかなりの力が要る事です。」
僕は、先生の言っている事をメモしながら聞いていると、先生は、長弓を置き、別の弓を持ち上げた。
「こちらは、短弓です。狩猟や警備などに幅広く用いられている弓です。長所としては、取り回しが容易であることと、狙いが正確に出来る事です。短所は、距離が離れれば離れるほど、威力と正確性が落ちしまう事です。」
そういって先生は、短弓を置くと、更にもう一つの弓を持ち上げた。
「こちらは、馬上弓です。主に馬に騎乗している時に使う弓でございます。こちらの長所は、騎乗している時に扱いやすく直ぐに矢を番えられることです。短所としては、威力が減衰しやすいと言う事です。」
そう言って先生は、馬上弓を置くと、「よいしょっ」と言って重量物を持ち上げた。
「最後に、こちらがボウガンもしくは、大陸東部では『弩』と呼ばれている弓です。長所としては、何本も矢を迅速に発射することが出来る事です。短所としては重量が重いため取り回しに難がある事ですね。」
そう言い終えると先生は、ボウガンを机に降ろして「フゥー」と一息入れると、次に矢の説明に入った。
「続きまして殿下。『矢』についてお教えいたします。矢の種類は、二種類ございます。ボウガンから放つ棒矢と弓から打つ羽根つきの矢の二種類でございます。そして羽根つきの矢の最大の特徴は、飛距離が長いと言う事です。羽を取り付けていますので、風に乗ることが出来、回転も加えることが出来るので、長い距離を飛翔することが出来ます。対して棒矢は、速射性が最大の特徴となっております。」
そう言い終えると先生は、「フゥー」とまた息を吐いて、一気にしゃべった息を整えると、こう言って来た。
「これで授業は、終えますが、何か質問は、ございますか?」
僕は、それに対していくつかの疑問をリウム先生にして、回答を得て行った。そして粗方の疑問が解消されたことを受け、先生にこう告げた。
「質問は、以上です。」
それを受けた先生は、ニッコリと微笑むと、こう返してきた。
「では、これで授業を終わります。この後、城下に行くので、準備をしておいてくださいね。」
僕は、「はい」と言って先生に礼をして、こう言った。
「ありがとうございました。」
そう言い終えると、自室を出て、食堂へと向かい、母上たちとの昼食を食べ終えると、午後からの外出の準備を開始したのであった。
外出の準備を整えて、後宮の自室を後して、後宮の扉から外に出ると、そこには、リウム先生と須針師匠が、待っており、更に意外な人たちも僕が出てくるのを待っていた。
「おっ、ようやく来たか。エギル。」
何とガル叔父上とシルビア叔母上が、待っていたのであった。僕がなんでだと思っているとシルビア叔母上が、こう言って来た。
「私たちが、冒険者をしているのは知っているでしょ。冒険者は、武器を買う事が多いから、武器については、詳しいのよ。エギルに相応しい武器を選ぶために私たちがついていく事に成ったの。」
僕は、それを聞いてこう答えた。
「はい、お願いします。」
「では、出発しようか。」
ガル叔父上の掛け声により僕たちは、王宮を後にして城下へと向かったのであった。
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