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【第五話前編】手は結ばれ、心は離れる。

_____________________________________


――前方デッキ


昼を少し過ぎたぐらいに準備を終えた船は出発した。

船に乗っかった自分たちはデッキへと移動する。

ほかの乗客たちは散り散りになり、数名以外は別の場所にところへ行ったようだ。

このデッキには自分たちの他に、妖美な女性と僧侶風の男がいる。

ちらりとイラを見てみると、なんだかボーっと海の向こう側を眺めていた。

何か考えているのだろうか。

そっとしておくか、話しかけるか悩んだが、とりあえず、話しかけてみた。


「イラ、どうかしたか?」

「んー……。」


二つ返事があるだけで、言葉に気力がない。

聞こえてはいるだろうが、頭に入ってきていないのだろう。

いつものイラらしくない、結構な悩み事だろうか。

仕方がないので横腹を突っついてみる。


「ひあっ!!」


デッキ中にイラの甲高い声が響き渡る。

その声に反応してか、デッキにいる二人がこちらを見てきたが、

どうでもよかったのだろうか、すぐさま海を眺めた。


「な、なにすんだー!こらぁ!」

「いや、呼んでも反応なかったから。」


うーと唸り声を上げながら、こちらを睨んでくる。

どうどうとあやしながら、落ち着かせた。


「でー、なんだ?どうかしたのか?」

「いや、何考えているのかなと思ってな。」


そう言った瞬間、イラの元気が再びなくなった。

本当にどうしたのだろうか。


「いやなー、じぶんよりつえぇやつってたくさんいるんだなっておもってなー。」

「自分より強いやつ?」

「あんなすごいまじゅつがつかえるやつがいるんだなー。」


どうやら、あの狩人に手足も出なかったのが相当悔しいのだろうか。

腰を抜かして、何もできなかったが、あれはしょうがないことだと思う。

あの威圧感、魔術のスピード、威力、絶対的な力の差……。

この世の中には自分たちより強いやつなんか巨万といることは重々承知だった。

しかし、実際に対面してみると心に重くのしかかる。

それは置いておいて、しょげてるイラを見るのはなんだか気が滅入ってしまう。

なんとかしてやるか。


「……俺はな、森の時では自分ではまだまだ戦えている方だと思ってたんだ。」


イラがこちらに瞳だけを向けてきた。

それに構わずにそのまま話を続ける。


「だが、廃坑や狩人との戦闘で自分の無力さを知ってしまった。

まぁ、この世界にはまだまだ強い奴はたくさんいるし、これからも出会うだろう。

だから、まぁ……一緒にがんばろうぜ。」


イラの頭にポンと手を乗せる。

小さく、うんと返事をした声が聞こえた。


少し涙目になっているイラの顔を見ないように、

偶々デッキにいる女性の方角に顔を向けると、目が合ってしまった。

こちらと目が合った瞬間、女性は微笑み、

カツカツとヒールの音を立ててこちらに近づいてくる。


「あらあらぁ……白髪なんて珍しいわねぇ、どこの出身かしらぁ?」


妖気を漂わせる艶めかしい声だ。

女性は黒の長髪で片目が隠れており、かなり大人びた雰囲気を漂わせている。

服装は胸元が大きく開きボディーラインがしっかりわかるような黒いドレスに、

ローブを上から纏っているようだ。


「……あなたは?」

「ワタシはぁ……【ドロシィ】、よ。

旅をしているただの占い師よぉ。あなたたちはぁ?」

「……俺はハク、こいつはイラ。俺たちも旅をしている。」


一瞬、女性がドロシィという名前を言うのに詰まっていたのは気のせいだろうか。

しかし、白髪ってのは珍しかったのか。

確かに自分たち以外であまり見たことないな。

出身地は、ハルフィードということにしておくか。


「出身はハルフィード、北西の小さな村だ。」

「あぁ、『あの』ハルフィードねぇ……。」

「『あの』?」

「あぁ、なんでもないのよぉ。以前行ったことがあるだけぇ。

そんなことよりぃ、二人は兄妹かしらぁ?」


何やら妙にさっきからドロシィのセリフに引っかかる。

一体何者なのだろうか。

雰囲気からしてかなり怪しいのは確か。

あまりこちらの素性を明かさないほうがいいかな。


「いえ、旅の仲間ですね。アクアヴェイルで出会って――。」

「ほぇー?わたしたちがであったのってハ――。」


横から入ってきたイラの口を高速で塞ぐ。

とりあえず、こいつにはしゃべらせないようにしよう。

ドロシィが吸い込まれそうな漆黒の瞳でこっちをじっと見つめている。


「ふふふ、そう……アクアヴェイルでぇ。

これも何かの縁かしらぁ、ねぇ、少しあなたたちを占ってみてもいーぃ?」

「うらなう?」


イラが疑問そうに首をかしげている。

こいつ占いも知らないのか。

以前から感じていたことだが、イラには知識がないのだろうか。

しかし、占い師とはなかなか珍しいし、イラも興味ありげにワクワクしている。


「まぁ、占いぐらいなら……。」

「ふふふ、それじゃぁ、始めるわねぇ。」


すると、ドロシィが何もない空間からカードの束を取り出した。

カードが空間に浮遊し自分たちの周りをくるくる回り始め、

ドロシィが何やら呪文を唱え始める。


「運命に惑わされし、哀れな子羊よ。その――。」

「ちょっと待たれよ、旅人たちよ。」

「!?」


いきなりドロシィの真後ろから低い声が聞こえたので見てみると、

いつの間にか、もう一人デッキにいた僧侶風の男が立っていた。

ドロシィも気が付いていなかったのか、驚いている。

そして、僧侶風の男がドロシィを鋭い眼光で睨みつけ、

低い殺気の籠った声で話しかけてきた。


「その占い、運命属性の魔術じゃな……。

そこの子たちに何をしようとしていた?」

「運命……属性?」

「人の運を変えてしまう恐ろしい魔術じゃ。

まぁ、そんな超レアな魔術を扱えるやつはワシは一人しか知らぬ。」

「まぁまぁ、ちょっとしたお遊びですよぉ。

そんなに殺気を込めた【魔力】を出されても困りますわぁ。」


元々の強面の顔をより怖くした感じ顔の僧侶風の男と

すましながらも妖美なうふふと笑みを浮かべているドロシィ。

違う雰囲気の二人だが、火花が飛び散っているのはわかる。


「ふふふ、まぁ、邪魔が入ったことですし……。

また今度、占ってあげるわぁ坊や達。

それと……【ルーの犬】も、また逢いましょう。」


そしてまた、カツカツとヒールの音を立てながら船内に入っていった。

僧侶風の男はドロシィが船内に入ったのを確認すると、

ふんっとしかめっ面を浮かべ、こちらを見てきた。


「お主たちももう少しは気をつけよ。旅は初心者か?」

「え、えぇ……。」

「せっかくのうらないがぁ……。」


またイラがしょぼくれてしまった。

確かに、ドロシィはかなり怪しさ満天だったが、

いきなり現れて占いを止めるのは何か理由があったのだろうか。


「あの……ドロシィのことをご存じなんでしょうか。」

「ふむ、詳しくは知らぬが危険な奴と聞き及んでおる。

まぁ、あまり関わらぬ方が身のためじゃ。」


ということは自分たちは少なくともこの僧侶風の男に救われたということか。

そんなに悪い人でもなさそうだし、簡単にでもお礼を言わなければ。


「そういうことなら……ありがとうございます。」

「うむ。お主たち、ハルフィードから来たと言っておったな。

すまぬが、あの女性との会話が聞こえてしまっての。」


結構離れたところに立っていたのにあの距離で聞こえていたのか。

この僧侶風の男もただならぬ雰囲気を漂わせている。


「あぁ、自己紹介がまだじゃったな。ワシは【シンバサ=ノクトール】。

聖職街ブリジットハーツで修行僧をしておる。」

「シンバサさんですか、よろしくお願いします。自分たちは――。」

「ハクとイラじゃろう?それも聞こえておったわ。」


はっはっはと高らかに笑うシンバサ。

ブリジットハーツで修行しているということは僧侶で正解だったらしい。

服装はいかにも聖職者と思わせるような純白のローブに帽子を被り、

十字架をぶら下げている。

歳は結構取っているのか、ところどころにしわが見え始めており、

身長は自分より少し低いぐらいでドロシィと同じぐらいか。

強面だが、感じは優しそうなおっさんだ。

しかし、ドロシィが言っていたルーの犬というのが気になってしまう。


「聞いていいのかわからないですが、ルーの犬というは……?」

「あぁ、それは――――。」


シンバサが話し始めると同じタイミングで、

ドタバタと船内から騒がしい音が聞こえてきた。

たくさんの人が走り回っているような音だ。

そして、すぐに船内に入るための扉が大きな音を立てて勢いよく開けられた。

出てきたのはこの船のクルーで、ゼーゼーと息が荒い。


「た、大変です!当船は現在魔モノの群れに遭遇!

反対側のデッキに多数乗り込んできています!応援を!」

「なんじゃと!?すぐに行く!!」


シンバサはその報告を聞くや否や真っ先に素早く走っていった。

空には特に魔モノのような影はなかったが、

魔モノの群れは一体どこからやってきたのだろうか。


「まさか……海からか?」

「おい!かんがえてるのうみそがすこしでもあるなら、うごけ!」


そう暴言を吐き捨て、イラも走って行ったので、

考えるのをやめ反対側のデッキに急ぐ。

_____________________________________


――後方デッキ


「なっ!?あれは、魚の魔モノ!?」

「きょうのばんめしだぁ!」


到着したがかなりの魔モノが既に船に乗り込んでいた。

そして、既に傭兵風な男と若い夫婦、そしてシンバサが戦っている。

しかし、その戦況は圧倒的なもので思わず見入ってしまった。


「はぁあああああああああああ!!」


どうやら、左側からくる敵は傭兵風の男が凌いでいる。

覇気のある大きな声を上げ、

魔モノの群れに向けて特大剣を振り回すかなりの筋肉質な男だ。

彼の一振りだけで、約50もの魔モノをぶった切り、風圧で吹き飛ばしている。

マントの隙間から覗いて見える強靭な肉体からその一閃を振れるのだろう。


「さぁ、【ヘスティア】!!僕らの力を見せてやろう!!」

「えぇ、あなた!神聖なる風の神よ、彼に力を!【シルフエール】!!」


正面からくる敵は夫婦が抑えているらしい。

こちらは魔術をかけ強化する後衛と前線でなぎ倒す前衛の若い夫婦。

ヘスティアと呼ばれた女性が魔法で男を強化している。

それと同時に男は大きな人型の獣と成り、群れに突っ込んでいった。


「フハハハハ!!サイコウノキブンダ!!」


女性は常に魔術を男にかけ続け、強化し続けている。

そのおかげもあるのか、普段の戦闘能力の高さもあってか、

男は魔モノの武器や魔術での攻撃も簡単に弾き、

爪や牙で魔モノを一掃していく。


「す、すげー!かっけー!」


男が変身したのを見て、イラが目をキラキラ光らせている。

さっきの煽りは何だったのか、お前も働け。


「貴様らなぞ、ワシで一人で十分じゃぁ~!

食らうがいい!【ガストオブメテオ】!!」


右側からくる敵はシンバサが魔術で乗船させる前に打ち落としている。

シンバサの魔術により大量の小隕石が魔モノどもに降り注ぎ、

瞬く間に魔モノが消え去っていく。

莫大な威力の魔術を簡単に発動しているということは、

やはりあのおっさんはただモノではなかったようだ。

しかし、あれだけの魔術を唱えて船は大丈夫なのだろうか。

そういう心配もあったが、当たろうとした瞬間、船に吸い込まれていった。


「ふむ、僕の魔術も少しは役に立っているね。」


声がする方向を見てみると船のヤード(マストから横に出ている棒)の上に、

若い青年が座っていた。

青年の右手はヤードを掴み、何やら船に流し込んでいる。

どうやら、船を守っているのはあの青年のようだ。

しかしこの青年の魔術、船が無傷のところを見るとシンバサの魔術だけではなく、

魔モノたちの攻撃まで全て防いでいるようだ。


「あれだけの魔モノがみるみるうちに減っていく……。」

「なーなー!ハク!わたしたちもやるぞ!」


イラの掛け声で自分たちも参戦する。

とにかく、打ち漏らしたやつを自分たちでやることにした。

しかし、これだけの強者揃いをもってしても、

なかなかに絶滅しきれないところを見るとやはりかなりの数がいたのだろうか。

自分たちは無我夢中でとにかく狩り続けた――。

_____________________________________


「ふむ、さっきのやつで最後か。数が多くてなかなかじゃったのぅ。」


シンバサがこちらに歩いてくる。

現在は太陽も沈みかけ、薄暗くなってきた。

かなりの長い間戦闘していたようだ。

自分たちもあれから魔モノ討伐に加勢し、まぁまぁ活躍できたと思う。

自分はイラに襲い掛かってくるやつを斬り、イラはバンバン魔術を放っていた。

その結果、疲弊してか以前の廃坑のようにフシューと頭から湯気が出ている。

今はイラを寝かせ、自分は床に座り込んでいる。


「お主たち、中々やるではないか。見直したぞ。」

「シンバサさんこそ……。一体何者なんですか。」


シンバサはハッハッハと高らかに笑っているが、

あれだけの魔術を何回も唱えて汗一つかかずにピンピンしているのは化物のようだ。


「ハッハー!まぁ、これで一先ずは――。」


シンバサが締めの言葉を言おうとしたとき、

バン!と扉が大きな音を立てて勢いよく開けられた。

この光景はさっき見たので展開はわかってしまう。

出てきたのはこの船のクルーで、ゼーゼーと息が荒い。


「次は反対側のデッキに魔モノが出現!!さっきよりも多いようです!!

至急応戦を!!」

「さっきワシらがいたところじゃな。急ぐぞ!!」


またもや、大量に魔モノが攻め込んできた。しかも今度はさっきより多い。

さっき戦っていたシンバサ含む人たちは全員クルーの声と共に向かっていった。

自分らが行っても役に立てるのだろうか。


「また……まモノか……?わたしたちも、い、いくぞ……。」

「もう目を覚ましたのか?」


以前の廃坑の気絶よりはかなり早く復活したことに驚いた。

しかし、気力だけで話しているのか、

背中の方からイラが行くぞ行くぞとブツブツ言っていて、目が虚ろだ。

今の俺たちにできることは本当に限られているが、

しょうがなくイラの言う通りに反対側のデッキに向かうことにした。

_____________________________________


――デッキ前方


「こ、これは一体……。」


デッキの扉を開けると、周囲には魔モノの影や気配すらなく、激しい熱気が襲う。

日が完全に沈み、辺りは真っ暗になっているが、

デッキはかなり明るく照らされている。

しかし、先ほどのデッキ後方で戦っていた人たちが扉の前で突っ立っているので、

灯りの正体がわからない。

扉の前の彼らの視線はある一点に向けられている。

なんとか彼らの間を抜け、前に出てみると、

その一点には、イラと同じぐらいの年齢の少女が一人いた。


「んあー?もう終わっちまったのか……あっけねぇ、弱すぎる……。」


こちらに気が付いたのか、少女がこちらを見て気だるそうにしゃべった。

まさか、あの魔モノの群れを一人で片づけたのだろうか。

少女は緋い長髪の髪で、かなり細身の少し焼けた肌をしている。

服装は漆黒に炎が宿っているようなドレスだ。

そして驚くことに、武器は少女と同じ大きさの特大の炎を纏った剣だが、

それを二刀流にしている。

双剣や二刀流でさえ珍しいのにあんなに大きな剣を二本も軽々と持ち、

片方は肩に、もう片方は前に振り下ろしている状態だ。

瞳はイラよりもっと深い炎の色をした緋色だが、

片目だけ何かの模様が描かれており、それが何なのかははっきりと見えない。


「こ、こ、こやつはぁ……!!」


その少女を見て、いきなりシンバサだけがかなり驚き始めた。

他の人たちはおー!っと感動しているあたり、

この少女のことを知らないのだろう。


「ん?この子のことを知っているのかい?僧侶の人。」


シンバサの驚きに気が付いたのか、夫婦の男性がシンバサに声をかけた。

この口調からやはり知らなかったらしい。


「こ、こやつは【緋】!!あの【緋のクルル】か!!」

「「「!!!!」」」


緋という名前を聞いてか、全員が言葉に出ないほど驚いている。

確かに特徴ある武器や見た目をしているが、これほど驚くとは、

彼女は何者で、何をして、いややらかしたのだろうか。


「チッ、興覚めだ。帰る。」


そういうと、クルルはボッと炎に包まれどこかへ消えていった。

クルルが消えたことで、全員がホッと一息付いている。

あの少女のことが気になってしまったので、シンバサに尋ねてみた。


「あの少女って一体……?」

「お主たちまさか知らんのか!?」

「え、えぇ……田舎の村で育ったもので……。」


シンバサに知らないことを告げると、

正にこいつ本当に頭大丈夫かというような目でこちらを見てくる。

記憶がないんだからしょうがないでしょう。


「エ、エールに行くのであれば、絶対彼女のことは知っておけ。

今から教えるから心して聞くのじゃ、よいな?」

「は、はい。」


絶対という言葉を言ってくるあたり、かなりの要注意人物なのだろう。

顔をずいっと近づかれ、念入りに警告するような口調で話してきた。


「あの少女はクルルといって、エールを統括・運営している集団、

【夜会】のメンバーの一人じゃ。

絶対的な炎と剣の力を誇り、戦闘能力・パワーならエールで一番、

つまり、夜会のリーダーすら上回ると言われておる。」

「あんなに小さい子が……。」

「む、なんのはなしだ?わたしのか?」


シンバサがしゃべり終えた時にイラがしっかりと意識を取り戻した。

残念ながらお前のことは一ミリも話していない。


「まぁ、エールに行った時は夜会もそうじゃが、彼女に気をつけよ。

あんなのと戦闘になったら勝ち目なぞゼロに等しいからのぉ。」


シンバサがそういうと顔を離し、ハッハッハと笑いながら船内に入っていった。

他の人たちも魔モノはもういなくなったせいか、いつの間にかいなくなっている。

疲れからか、イラを背中から降ろし、床に座り込んで壁に背もたれた。

イラはまだ本調子ではないからか、ぐでーと横になっている。


「さ、さすがに今日は疲れたな……。」

「いろんなやつとであったなー!」


この広い空間に二人だけの世界でため息をつきながら今日あったことを思い出す。

ドロシィにシンバサ、あの傭兵風の男、夫婦の二人、若い青年、

そして【緋】のクルル。

かなりの強者揃いのこの船が魔モノの襲撃などでは、

落とされることはまずないだろう。

やはり、世界はまだまだ広いということを身をもってわかってしまった。


「強くならないとな……イラ。」

「……そだなー。」


小さくイラと気持ちを通わせながら、目を閉じる。

潮風と波の音が気持ちよいが、静かに遠のいていく。

_____________________________________

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