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034 【行為】成長、【器物】食べ物(米)

『ご飯と食べて大きくなろう! 白米戦隊ハンゴウ、推参!』

 ――このような前口上を叫ぶヒーローに、息子は夢中だった。といっても、幼稚園の頃だ。所構わず真似をしたがるやんちゃ坊主には、手を焼かされたものだ。

 ただ、食卓ではこの上なく大人しかった。席につくのを嫌がったり、好き嫌いをしたりすることもない。いただきますも、ごちそうさまも、言われる前からちゃんとしていた。それを誉めると、元気一杯にこう言った。

「おりこうにしてたらね、ハンゴウにもえらいっていってもらえるんだー!」

 頬に米粒を張りつけた息子の笑顔は、今でも忘れられない。

 それから十数年が経ち、大学受験に追われる日々になっても。

 最近はもう、茶碗一杯で足りる日はない。三杯食べて、ようやく腹八分。

 おかわり、と言われる度に、ついふふっと笑ってしまうのだった。

「……なんだよ、お袋。笑われるようなこと、したか?」

「ううん。ちょっと、あんたのちっちゃい頃を思い出していただけ」

「またそういう……。いつまでも子ども扱いするなっての」

「相変わらずお米大好きなんだもの。こんなに大きく成長しても、そこは変わんないんだなって」

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