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032 【器物】指輪、【肉体】歯/牙

「受け取ってほしい、これが僕の気持ちだ」

 男はそう言って、女に小箱を差し出した。その中には、乳白色の指輪が収まっていた。

「僕が思いつく限り、最上級のものを用意したつもりだ。考古学好きの君のために、恐竜の歯の化石を削って作ったんだからね!」

 得意満面で言い切る。女はにっこり笑いながら、蓋を閉ざした。

「あら、どんな化石のものかしら? 紀元前何世紀頃で、どこの発掘チームが、どこの土地から掘り出したものなの? 他の部位はどの程度、発見された? 他に関連性があると思われそうな化石は、あった?」

 怒涛の質問攻めに、男は目を白黒させるだけ。だから女の言葉が遮られることはなかった。

「この程度にも答えられないのなら、歯牙にもかけないわよ? この指輪も、あなたの気持ちも」

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