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赤ルア(テスト用)  作者: あせこ
二日目
16/81

3-5 彼女は一六歳?



 西側に面した部屋に移動する。

 リルドナが居た部屋と反対側の部屋だ。

 日は傾き西日が差し込んでいる。

 カーテンなんて気の利いた物は無いので、やけに眩しい。

 射光と横向きにヤツは腰掛ていた。


「一体何だったんだ?」

「あれが素のリウェさ」

「あの子供っぽい喋り方が本来のリウェンってことか?」

「もう、俺の前でも見せなくなっていたが」

 応えながらも、手早くテーブルにチェス盤を広げていく。

 俺も向かい座り、準備に取り掛かる。

 結局のところ俺もチェスが好きなようだ。

「お前、リウェいくつに見える?」

「何?」

 唐突な質問に駒を並べる手が止まる。

 ヤツの表情は読み取れない。

「十五、六歳くらいかな、十代半ばって感じだった、」

「うむ、肉体年齢はそんなところだ」

「ついでに言うと、お前は二十代半ばだ」

「そっちはどうでもいいさ」

 おかしな受け答えだった。

 いくつだ?

 肉体年齢だ?

 おかしくないか?

「頭の中は十…いや十二歳くらいか」

「十歳ってことはないだろう?」

 リウェンを思い浮かべる。

 丁寧な言葉遣い、

 優雅な立ち振る舞い、

 上品な仕種。

 とてもじゃないが、子供に出来るようなものじゃない。

 十六歳と見積もってもやはりお釣りが来る。

「あいつは頭がいいからな、

 そう見える様に色々学んだし、そう演じるように努力したんだ」

「勉強や努力で出来るもんなのか?」

 西日を浴びる顔に苦笑いを浮かべながら応えてきた。

「お前にそう見えたんなら、見事成功しているということだろう?」

「うーん、そうだな」

「つまりそう言う事だ、

 本人の希望だ、そこは触れないでやってくれるか」

「俺はどうしたらいいんだ?」

「先程のは見なかった事してやってくれ」

「構わないさ、そもそもなんでそんなコトする必要あるかは気になるけどな」

「仮にあいつが、五百と十六歳だったとしたらどうする?」

「はぁ?」

「冗談だ、これ以上の追求を止めてくれると嬉しい限りだ」

 絶対、まだ何か隠してるな。

「ちなみにだ。」

 ヤツの陣地には黒の駒、

 俺の陣地には白の駒が並び終える。

「俺も、素のリウェを見るのは久しぶりだ」 

 そういうヤツの顔はどこか嬉しそうだった。

「とりあえず、始めるぞ。

 まずは昼間の目隠し対局(ブラインド・チェス)のおさらいだ」


 なんだ結局やるのかよ。

 お陰で不安を塗り潰せそうだった。






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