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月の秘め事  作者: 桃井
4/7

カグヤ姫?

さて。どうしてこうなったんだろうか。

日向は心のなかで思った。

どうして自分はこんなところにいるのか。

.........なんで目の前で、あの女の子が座っているのか..



時は30分前にさかのぼる。



ふと、日向が目を覚ますと、見知らぬ場所にいた。

目線の先には木の天井。視線だけ動かして辺りを見回して見ると、ここが畳の上であることがわかった。それに今、日向は布団に寝かされていると言うことも---。

「なんだとっ!?」

日向はがばっと起き上がった。

改めて辺りを見回す。

畳の部屋。いくつかの障子。1つだけの窓。回りにほとんど家具などは備わっていない。

のわりに結構広い。

「...........」

日向は頑張って状況を整理しようとした。が、整理どころか何も理解できない。まず最初に......。

「ここはどこだぁぁぁ!!」



「騒がしい。それが目が覚めて一番始めに言うことか?」



その声にはっとした。

日向の後ろのほうから聞こえた気がした。日向が自分の背後を見ようとした瞬間、障子が勢いよく開け放たれた。

そして----。

「ま、元気そうでなによりか」

イタズラっぽい笑みを浮かべた、女の子が立っていた。

「......って、君...」

「ふむ。記憶ははっきりしておるな。ここがどこかわかるかの?」

「イエ、全く......」

日向がため息混じりにいうと、突然女の子はスタスタと日向の前まで歩いてくる。そして、日向の目の前まで来た瞬間、ストンとその場に座る。

日向の目の前に。

「..........え」

「うーん...どうにもわからん。そなた...何物だ?」

女の子が向けてくるのは相変わらずの視線。だが、前とは明らかに違う。

そこにはすでに敵意はなく、ただ純粋な疑問の目を向けていた。

「そなた、本当にここがわからぬのか?わらわのことも知らんのか?自分が誰かわかるかの?」

「え、ちょ...」

「わらわの問いに答えよ。そなたは何物で、どこから来た。一体何の目的だ」

女の子の視線に鋭さが含まれ、思わず日向は腰ひとつ後退りした。が、すぐにその間は詰められる。

「言え!!そなたは何物だ!!」

最後の強い一言が、逆に日向の背を押した。

日向は、腰ひとつ下がった分開いた自分の前の空間に両手をついた。

思わぬ行動に女の子がたじろくが気にしない。

「そんなに知りたいならこの際はっきり言う!だが......そう簡単に信じられる内容ではないと思う。それでもいいのか?」

日向の言葉に、なぜか一瞬女の子が驚いた気がした。だが、日向が新たな言葉を紡ぐ前に、女の子はにっと笑った。

「いいだろう。話してみるがよい」

日向は女の子の目を見て、ここまでの経緯をはっきり告げた。


----10分後。


「あはははははははははっ!!!」

なぜか爆笑されていた。

「全く持って突飛な話だ!そなたがここの時代の人間ではないとな!そんなことを言われるとは思うてなかったぞ...っ!」

.........自分が話せっていったくせに、それはひどくないだろうか。

日向がむっとした顔をしているのがわかったのか、女の子はひとしきり笑ったあとで、改めて日向と相対した。

「あーあ。悪かったな。別になはから信じていないわけではないのだぞ?ただな...あまりに唐突すぎて...っ!」

「......結局笑ってやがる」

日向はとうとうそっぽを向いた。

しかし、すぐに女の子は立ち上がり、そっぽを向いた日向の前に座る。

今度はずいっと顔を近づけた。

「な、なんだよ...」

「...そなた、本当にこの時代の人間ではないのだな?その...たむりっぷ?」

「タイムスリップ」

「と、やらをしてこの平安町の町へ来たと言うのだな?」

「......俺だって、信じたいわけじゃねぇんだからな。悪い夢ならどれだけいいか...」

日向はくしゃっと自分の頭を抱えた。

夢ならいいのに...。全部、夢なら----。

「ふむ。よいだろう。信じてやろうではないか」

「......いいよ、別に。無理して信じなくても」

「何を言う。本当に信じておるのだぞ?現に、わらわにも確証があるからな」

「なんだよ、お前の確証って」

日向が聞くと、女の子はにっと笑った。

「何。簡単なことだ。そなたはわらわを見ても、動揺1つしない。ただそれが普通ではないが故の、確証」

「意味がわからねぇ......」

日向が眉を寄せると、女の子はなぜか立ち上がり、仁王立った。そして、これでもかと言わんばかりに胸を張って言った。




「わらわの名は夏九家御影かぐやみかげ!正真正銘、あのかぐや姫の血族者なんだ!!」




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