平安時代
目を覚ますと、日向はいち速くその異変に気がついた。いつの間にか倒れていたようだ。日向は急いで体を起こす。そして辺りを見回した日向は絶叫した。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!!」
境内から見渡せた景色は、日向の知るものではなかった。
高いビルが並んでいて、下にあった道路はコンクリートだった。
だが、今見ている景色は、全くもって異なっていた。
コンクリートなんてものはおろか、どこかですら見当たらない。人通りだってあったはずだったのに今は人1人通らない。高いビルなんてものも1つもなく、ただだだっ広い場所にに、自分の目にしたことがない建物が並んでいる。
明らかに、おかしいだろう。
日向は唖然とした。
「一体...どーなってんだ...」
ありきたりたそんな言葉しか出てこない。
それ以上は何も言えなかった。
こんなことがあるだろうか...。
いや。あってもらっては困る。だが...なんだろう。
(これは......)
あぁ、そうだ。学校だ。学校の授業でやったあれだ。古典の授業でやった。...題名が思い出せないが、確かにこんな感じの建物を見た気がする。
だが、それが目の前にあるってどうよ......。
頭のなかパニック状態の日向が頭を抱えた瞬間
「そなた!!何者だ!!」
日向ははっとして境内を振り返った。
そこには--------。
「.........まじか」
「まじかとは何事!!無礼千万!!」
金切り声に近い声で日向を罵るのは----女の子だった。
とても綺麗で上質な着物。頭には可愛らしい簪が刺さっていた。うん。昔の服装。
明らかに女の子と日向では服装が違う。そのせいか知らないが、女の子の眉間に寄ったしわが消えない。...いや、にらんだまま視線をそらさないのか...。
「...そなた、見慣れぬ物を着ておるな。名をなんと申す!」
「......あ、日向です」
「日向......聞かぬ名だ。この辺りの者か?何をしておった」
明らかに警戒心をむき出しにされている日向。
まぁ、当たり前だよな。
日向はもう一度ぐるっと辺りを見回した。
明らかに知らない場所。明らかに知らない人。そして、格好、言葉の違い----。
日向は、1つの疑問を抱いた。
「.........1つ、聞いてもいい?」
「わらわの問いに答えてからだ!」
「......なんでしょう」
「だから!!そなたは何物だ!!」
何物...と、答えればいいのだろうか。
「えっと......高校生です。はい」
「コウコウ?セイ?」
女の子が思いっきり首を傾げる。...通じてないようだ。さて、どうしよう。
「えーっと...その...あの...」
しどろもどろになる日向に、女の子は一層警戒を強くする。
まずい、非常にまずいだろうこれは。
「えーえー...あ!そうだ!」
「なんだ」
「あ、のさ......聞きたいことがいるんだ!!」
女の子が完全に眉を寄せた。怒ってる。絶対怒ってる。
日向がそう感じた途端、女の子は深くため息をついた。
「まあ....よくわからんが、答えたには答えたか...。よいだろう。何が聞きたい」
女の子が神様に見えた。
いやいや、そーじゃなくて。
「こ、ここはどこ......?」
「は?何を言うておる。ここは平安町。なぜそのようなことがわからん」
思わず失神するかと思った。
ここは平安町......。つまり....
「............平安、時代...?」
「だから、何を当たり前のことで驚いておる。そなた一体何がしたい」
女の子の言葉が遠く聞こえた。
視界が陰る。
お母さん。助けてください......。




