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月の秘め事  作者: 桃井
3/7

平安時代

目を覚ますと、日向はいち速くその異変に気がついた。いつの間にか倒れていたようだ。日向は急いで体を起こす。そして辺りを見回した日向は絶叫した。

「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!!」

境内から見渡せた景色は、日向の知るものではなかった。

高いビルが並んでいて、下にあった道路はコンクリートだった。

だが、今見ている景色は、全くもって異なっていた。

コンクリートなんてものはおろか、どこかですら見当たらない。人通りだってあったはずだったのに今は人1人通らない。高いビルなんてものも1つもなく、ただだだっ広い場所にに、自分の目にしたことがない建物が並んでいる。

明らかに、おかしいだろう。

日向は唖然とした。

「一体...どーなってんだ...」

ありきたりたそんな言葉しか出てこない。

それ以上は何も言えなかった。

こんなことがあるだろうか...。

いや。あってもらっては困る。だが...なんだろう。

(これは......)

あぁ、そうだ。学校だ。学校の授業でやったあれだ。古典の授業でやった。...題名が思い出せないが、確かにこんな感じの建物を見た気がする。

だが、それが目の前にあるってどうよ......。

頭のなかパニック状態の日向が頭を抱えた瞬間



「そなた!!何者だ!!」



日向ははっとして境内を振り返った。

そこには--------。


「.........まじか」

「まじかとは何事!!無礼千万!!」

金切り声に近い声で日向を罵るのは----女の子だった。

とても綺麗で上質な着物。頭には可愛らしい簪が刺さっていた。うん。昔の服装。

明らかに女の子と日向では服装が違う。そのせいか知らないが、女の子の眉間に寄ったしわが消えない。...いや、にらんだまま視線をそらさないのか...。

「...そなた、見慣れぬ物を着ておるな。名をなんと申す!」

「......あ、日向です」

「日向......聞かぬ名だ。この辺りの者か?何をしておった」

明らかに警戒心をむき出しにされている日向。

まぁ、当たり前だよな。

日向はもう一度ぐるっと辺りを見回した。

明らかに知らない場所。明らかに知らない人。そして、格好、言葉の違い----。

日向は、1つの疑問を抱いた。

「.........1つ、聞いてもいい?」

「わらわの問いに答えてからだ!」

「......なんでしょう」

「だから!!そなたは何物だ!!」

何物...と、答えればいいのだろうか。

「えっと......高校生です。はい」

「コウコウ?セイ?」

女の子が思いっきり首を傾げる。...通じてないようだ。さて、どうしよう。

「えーっと...その...あの...」

しどろもどろになる日向に、女の子は一層警戒を強くする。

まずい、非常にまずいだろうこれは。

「えーえー...あ!そうだ!」

「なんだ」

「あ、のさ......聞きたいことがいるんだ!!」

女の子が完全に眉を寄せた。怒ってる。絶対怒ってる。

日向がそう感じた途端、女の子は深くため息をついた。

「まあ....よくわからんが、答えたには答えたか...。よいだろう。何が聞きたい」

女の子が神様に見えた。

いやいや、そーじゃなくて。

「こ、ここはどこ......?」

「は?何を言うておる。ここは平安町。なぜそのようなことがわからん」

思わず失神するかと思った。



ここは平安町......。つまり....



「............平安、時代...?」

「だから、何を当たり前のことで驚いておる。そなた一体何がしたい」

女の子の言葉が遠く聞こえた。

視界が陰る。



お母さん。助けてください......。

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