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アンダーグラウンドノーツ  作者:


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3/5

第3話

ニューカラーズの3人は神谷鉱石洞へ到着後


着地できそうな手ごろな空間を見つけるとそこへ降り立つ




「ふわっと着地!」


超速度の落下からくるりと体を回転させ足から着地すると


通常発生するはずの衝撃がない。その様子にコメント欄でも反応が見られる




『いつみてもすごいよなその技術』




『靴底になんか取り付けてるんだっけ?』




そのコメントに玲奈が反応する


「その通りです。私達の装備にこの反重力技術が搭載されていてこれのおかげで


どのような高度からの落下でも安全に着地することが出来ます」


説明しながらヒョイと片足を上げ靴底で発光しているリアクター部分を


視聴者へと見せる




その姿がかわいいというコメントであふれ玲奈は照れくさそうに何度もペコペコと頭を下げていた




「さて!皆さん見えますか~?すごい綺麗だよね!!!」




リリーが広角レンズの付いたドローン型カメラを上空へと飛ばすと、配信画面には言葉を失うような絶景が映し出された。 天井からも地面からも、淡く自発光する巨大な水晶が幾重にも群生している。赤、青、紫と色とりどりの鉱石が光を乱反射させ、洞窟内はまるで天然のイルミネーションのようだった。 コメント欄の速度がさらに跳ね上がる。




『うおおおおおヤッバ!!!』




『神谷鉱石洞は他のチャンネルでも見た事あるけどすごいよなここ!』




『てか画質いいな!』




「みんなコメントありがとう!」


と、カメラに向かって元気に手を振るのは翠だ。「ここは第1階層の上層だから比較的安全なエリアで、ここまではノーツ研修生でもこれるので何度か来たことはあるんですけど、でも本当に綺麗ですよね……!」





そんな二人の少し前方を歩いていた玲奈が、ふと足を止め、生い茂る結晶の隙間に目を留めた。 それは他の鉱石とは明らかに異なり、まるで液体のように内部がゆらゆらと黄金色に輝く、親指ほどの小さな結晶だった。




「……あ、待って。これって、もしかして……」




玲奈が指差した瞬間、コメント欄がさらに沸き立つ




『おい嘘だろ!?サヴマクォーツじゃねえか!!』




『マジ!?初配信で《奇跡の結晶》引き当てるとか豪運すぎるww』




近くで見たいという要望にリリーがカメラを近づける




サヴマクォーツ―― 奇跡の結晶。 人類がこの大穴で初めて発見した未知の物質であり、現代の超文明を支える基盤だ。極小のサイズ一つで大都市の一日分の電力を賄える圧倒的なエネルギーを秘め、今まさに彼女たちが着ている特殊ボディスーツの素材や、さっき説明した靴底のリアクターにも使われている。地上を追われた人類の「あらゆる不可能を可能にしてしまった物質」が、今、少女たちの目の前にあった。




『サヴマクォーツ自体は有名だけど、日本じゃほぼ見つからんからマジすげえわ!』




『JPはほぼ輸入に頼ってるからな~』




『有名どこの配信者でも見つけたことあるやつほぼいないんじゃね?』





「うれしい...!大事に持って帰ろうね!」


 翠が喜びサヴマクォーツを丁寧に回収し。その後もいくつかの有用な鉱石などを見つけ順調に洞窟の奥へと進んでいく。






「はーい、というわけで! 今日の『ニューカラーズ』初配信は、この第1階層の突破をもって終了とさせてもらいま――」 玲奈が画面に向かって挨拶を終えようとした、その瞬間




美しく輝く結晶の光が、奥の闇から這い出してきた『何か』によって、一瞬だけ不自然に遮られた




「――っ、みんな、下がって!」 


玲奈の鋭い声が洞窟に響く。 




カメラの死角、暗闇の奥深く。




3m程の巨大な体躯に光を反射しないほど深い黒の表皮


長い手足と人間のような外観をしているがまるで岩石でできているかのような


ゴツゴツとした見た目は生物かどうかすら疑わしい




「「「アンノウン....!!!」」」





アンノウンと呼ばれた怪物の頭部にある水晶のような単眼が3人を


とらえると明らかな敵意を向け低く地鳴りのような叫び声をあげると


壁を上る速度を上げその距離を縮めてくる




その様子は当然ドローンでも映し出されており、お祭りムードが一変


視聴者に不安が広がり始める。




『お、おい...これ大丈夫なのか?』




『安全なんじゃないのかよ...!!』




『自分Eランクのノーツやってるけどこんな浅い階層でアンノウンが出るなんて聞いたことないぞ!』





「リリーちゃん!どうする?」


翠が不安そうに白崎へと指示を仰ぐ。




「...単眼に岩石質な体...ゴーレム種!!」


普段の明るい表情から切り替わり、冷静に敵の分析を進めるリリー




「動揺しないで! いくら異例の事態でも、ただのゴーレム種なら私たちでも倒せる相手だよ! それにこいつを居住エリアに向かわせるのはマズイ!2人共!ここで食い止めよう!!」 




リリーの声には、配信者ではなく、過酷な訓練を耐え抜いた『地底飛行士』としての気概が満ちていた。 




覚醒者としての超人的な身体能力を爆発させ、三人は一斉に散開する。岩壁を力強く蹴り、怪物との距離を開ける。




「まずは私が動きを止める! 翠ちゃんは後方支援を、リリーはいつでも風を撃てるように合わせて!」 


玲奈が鋭く叫び、怪物の正面へと立ちはだかる。彼女が意識を集中させた瞬間、洞窟内の空気が一変した。サヴマクォーツの輝きさえも凍りつくような極低温の波動が、玲奈を中心に吹き荒れる。




「ハァッ……!」 




玲奈の掌から放たれた絶対零度の冷気が、突進してくるアンノウンの足元へと奔った。地面の結晶が瞬時に凍りつき、巨大な怪物の足元をガチガチの分厚い氷が包み込んでいく。 だが、光を反射しない漆黒の怪物は、その圧倒的な質量と怪力で氷を爆砕し、なおも三人に迫ろうと狂暴な地鳴りを響かせた――。

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