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世界の終わり、目の前かも。

 一日に人が何人死んでいるとか、紛争地域の子供たちには食べ物が足りないとか、物資の供給が不足していて人が死んでいるとか、宗教間で頻発する紛争に国として介入してはいけないとか、俺にはそんな事、関係ない。

 一日一日を無為に過ごしながら、ごみ箱には消費されたものだけが詰め込まれていく。

 電気を大量に使い、食べ物を粗末にし、時間はいつの間にか過ぎ去っていく。

 この国の、こんな現状で、人助けをするだなどと、片腹痛くて目も当てられない。

 人間、生まれたところで生きていかなければならないのだ。自分を呪い、親を呪い、環境を呪い、そんなことしていても何も生まれないし、なにがしかの利益もない。

 そこで生まれ、そこで育てられ、そこに根づいてしまったお前の価値観は、もう変えようもなければ捨てようもない。

 俺は、この平和な国で生まれ、平和ボケした親に育てられた。

 それ以上でも、それ以下でもなく、何もかもが充足している環境を、当たり前だと生きてきた。

 地震や台風、豪雨や豪雪、にわかには竜巻もおきるらしいこの国で、何事もなく十九年間を生きてきた。

 絶対に、俺の周りでは事件など起きないと、そう思って生きてきた。

 俺の周りでは、平凡に時が過ぎて、何事もなくただあるものに満足して、絶対に何事も起きることはないと、そう思っていた。


 始まりは、終わりを連れてくるのだ。

 何事も経験だなどと言う奴がいたら、そいつは相当にのんきな奴か、もしくはお前をだまそうとしている。殴ってでも黙らせて、経験しなくてもいいことは、この世に山ほどあるのだと逆に教えてやることだ。

 地球の大きさが、どれくらいなのかはよく知らないが、俺の周りのことに関心を持ってくれるほど親切でないことはよく知っている。

 だが、今は、しかし今は目をむけろ。

 これは俺の問題じゃない。これは俺だけの問題じゃない。これは、親切じゃない、お前らも、巻き込まれる問題なのだ。

 目を開けてよおく見ろ。

 口を閉じてしっかと聞け。

 今、世界は終わりに向かっているのだと。

 他人ごとではない。

 

 情報は錯綜し、誰一人として信じられなくなった今、お前たちは何を思う。

 俺は、俺はただ一人、こう思う。


「 あいつに会いたい。


 ただ一人、俺の愛した人に。 」


 そんな事がかなわないのはわかっている。

 もうそんなことはできないのだ。

 始まるのだ、世界を滅ぼす戦争が。

 何も得ない、何も生まない大戦が。


 空を行く巨大な飛行機が、何を積んでいるのかは明らかだった。


 核だ。


 あの中には使ってはならない兵器が積んである。


 相手の誘いに乗って、調子づいて持ち出した。あんなものを使うらしい。

 何にもなかった俺の人生に、こんな風に何かが起きて、それは俺のすべてを焼き払う。

 何もない俺から、何もかもを奪っていく。

 俺の人生は、そんな風にして、誰かに愛されることもなく、何かに全うすることもなく終わる。

 終わってしまうのか、いやだなあ、いやだなあ…………


 

 


 ……ん…そうか、今日は土曜日か。

 目を開き、起き上がる。

 変な夢を、見ていた気がする。

 

 今日から何か、始めてみようかな…

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