表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/15

逃亡癖

逃げられない…


逃げられない…


逃げられない…


----------------------------


青い空から、逃げたいと思った。

輝く太陽から、逃げたいと思った。

空を行く雲から、逃げたいと思った。

母なる大地から、逃げたいと思った。

世界に広がる海洋から、逃げたいと思った。




僕の人生は逃げることが前提だった。学校、友達、教師、果ては両親兄弟。

僕はその全てから逃げ出した。

今も逃げている真っ最中。最初は軽い気持ちだった。宿題を忘れて、軽い嘘をつくような、友達をからかうために小さな嘘をつくような、そんな感覚。

でも、世の中はそんな僕を排除しようと動き出した。

僕は逃げた。

消される前に、僕と言う存在を証明するために。でも違った。どんなに逃げても、どんなに主張しても、世界は僕を受け入れてはくれなかった。

激しい怒りと後悔が、次から次へと溢れてきて、僕の感情は、宛もなくさ迷う亡霊のよう。

浮かび上がってきた自分という人間の本性は、おぞましく、穢らわしく、はっきり言って見ていられるようなものではなかった。


そうして僕は、自分からも逃げ出した。


果てなき逃亡はしかし、呆気ない巻く引きを迎えた。

自殺したのだ。


嘘をつき、嘘をつかれ、騙され、殺した。


贖罪は、できなかった。

逃げ切れなかったのだ。

とうとう自分さえも、信じられなくなったのだ。



今僕は、この、賽の河原で石を積む。




一体どこへ、逃げれば良いのだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ