第二十八章 カオスドラゴン
「グオオオオオオオッ!」
カオスドラゴンが咆哮する。
その声だけで、地下空間の岩が砕け、国王が耳を押さえる。
だが、俺は平然と立っている。
「国王、下がっていてくれ。巻き込まれる」
「分かった……気をつけてくれ、レオン殿」
国王が地上へ戻る階段に向かって走る。
俺とカオスドラゴンだけが残る。
カオスドラゴンの六つの目が俺を見る。
「人間……我を封じた者たちの末裔か……」
竜が人語を話す。
「俺はレオン。お前を倒しに来た」
「フフフ……千年ぶりに目覚めたら、人間の小僧が我を倒すと?笑わせるな」
竜が巨大な尾を振ってくる。
直径十メートル以上の尾。
俺は瞬間移動で回避する。
尾が地面に叩きつけられ、巨大なクレーターができる。
「速いな……だが」
竜が口を開き、カオスブレスを吐いてくる。
黒い炎。全てを消滅させる破壊の炎だ。
直径三十メートル以上の極太ブレス。
俺はアイスウォールを多重展開して防ぐ。
「アイスウォール・千重展開!」
千枚の氷の壁が俺の前に出現する。
カオスブレスが壁を次々と溶かしていく。
だが、防ぎきった。
その隙に、俺は反撃する。
「メテオ・超大型、連続投下!」
無数の超巨大炎球が竜に降り注ぐ。
竜の背中に直撃し、爆発が連鎖する。
だが、竜は傷一つない。
「無駄だ。我が鱗は全ての魔法を弾く」
「なら、これはどうだ」
俺はアースクエイクを発動する。
「アースクエイク・最大出力!」
地下空間全体が激しく揺れる。
竜のバランスが崩れる。
その瞬間、俺は瞬間移動で竜の頭部に移動する。
そして、竜の目に向けて攻撃する。
「フレア・極大、六連射!」
六本の極太熱線が六つの目を同時に貫く。
「ぐおおおっ!?」
竜が苦痛の声を上げる。
目は鱗で守られていない。
だが、竜はすぐに反撃してくる。
頭を激しく振り、俺を振り落とそうとする。
俺は念動力で体を固定し、さらに攻撃する。
「熱湯ウォータージェット・最大出力、連続射撃!」
超高温の熱湯を竜の目に連続で射出する。
竜が激しく暴れる。
「小賢しい……!」
竜が全身から黒いオーラを放つ。
カオスフィールド。全ての魔法を無効化する結界だ。
俺の魔法が効かなくなる。
「チッ……」
俺は瞬間移動で距離を取る。
竜が再びカオスブレスを吐いてくる。
今度は回避しきれない。
俺はアイスバリアを展開する。
「アイスバリア・最大出力!」
全身を氷の鎧が覆う。
カオスブレスが直撃する。
氷の鎧が溶けていく。
だが、俺は耐える。
そして、カオスフィールドの弱点を透視で見つける。
結界の核は竜の心臓にある。
「見つけた」
俺は飛行で竜の胸部に向かう。
竜が爪で俺を攻撃してくる。
巨大な爪。一撃で建物を破壊できる威力だ。
俺は瞬間移動で回避し、竜の胸に張り付く。
そして、鱗の隙間から内部に侵入する。
「高圧ファイヤーマスク・超極大展開!」
竜の内部を超高温の炎が包み込む。
「ぐおおおおっ!?」
竜が苦しみ始める。
カオスフィールドが弱まる。
その隙に、俺はさらに攻撃する。
「熱湯ウォータージェット・最大出力、全力連射!」
内部から無数の超高温熱湯を射出する。
竜の内臓が焼かれ、蒸発していく。
「フレア・極大、内部炸裂!」
竜の体が内側から爆発する。
竜の動きが止まる。
だが、まだ生きている。
「まだ……終わらん……」
竜が最後の力を振り絞る。
「カオス・エクスプロージョン!」
竜の全身から黒い光が放たれる。
自爆魔法だ。
このままでは地下空間全体が崩壊し、王都も巻き込まれる。
俺は全魔力を集中させる。
「させるか!」
俺は複合魔法奥義を発動する。
「エレメンタル・アナイアレーション!」
全属性を融合させた究極の防御魔法。
俺の周囲に巨大な障壁が展開される。
そして、竜の自爆を吸収する。
黒い光が障壁に吸い込まれていく。
地下空間が激しく揺れる。
だが、崩壊は免れた。
竜の体が光に包まれ、消滅していく。
「馬鹿な……我が……人間一人に……」
竜の声が徐々に小さくなっていく。
そして、完全に消滅した。
カオスドラゴン、撃破。
俺は膝をつく。
MPが三分の一まで減っている。
だが、勝った。
地面に巨大な魔石が転がっている。
神級を超える、龍級の魔石だ。
俺はそれを回収した。
そして、地上へ戻る。
階段を登り、玉座の間に戻ると、国王と宮廷魔術師たちが待っていた。
「レオン殿!無事か!?」
国王が駆け寄る。
「ああ。カオスドラゴンは倒した」
「本当か!?」
国王が信じられないという表情をする。
「証拠だ」
俺は龍級の魔石を見せる。
国王と魔術師たちが驚愕する。
「これは……龍級の魔石!?伝説の……」
「カオスドラゴンの魔石だ。封印の心配はもういらない」
国王が深々と頭を下げる。
「ありがとう、レオン殿。君は王国を救った」
「礼はいらない。約束通り、すぐに帰る」
「待ってくれ」
国王が俺を引き止める。
「せめて報酬を受け取ってくれ。金貨一万枚だ」
「……分かった」
俺は報酬を受け取った。
アイテムボックスの中の金貨は二万枚を超えた。
「それと、もう一つ」
国王が何かを取り出す。
それは、黒い指輪だった。
「これは王家に代々伝わる宝物だ。龍殺しの指輪という。竜族に対して絶大な威力を発揮する」
「……もらっておく」
俺は指輪を受け取り、装備した。
【装備】
・深淵の王冠(全属性魔法威力×2)
・龍殺しの指輪(竜族へのダメージ×3)
俺はステータスを確認した。
【ステータス】
名前:レオン
年齢:26歳
レベル:100
職業:冒険者
ランク:A
称号:深淵の覇者、龍殺し
HP:5000/5000
MP:7000/7000
【能力値】
体力:280
筋力:285
魔力:380
敏捷:287
知力:283
新たな称号「龍殺し」を獲得した。
「では、失礼する」
俺は玉座の間を出ようとした。
だが、国王が呼び止める。
「レオン殿、最後に一つだけ教えてくれ」
「何だ?」
「君の目的は何だ?なぜそこまで強くなろうとする?」
俺は少し考えた。
「この世界には悪党が多すぎる。理不尽な暴力が多すぎる。俺はそれを許さない」
「だから戦うのか?」
「ああ。力のない正義は戯言だ。正義無き力はただの暴力だ。俺は両方を持つ者として、この世界で戦い続ける」
国王が微笑む。
「素晴らしい信念だ。君のような冒険者がいることが、王国の誇りだ」
「……じゃあな」
俺は城を出た。
そして、次の目的地を考える。
まだ見ぬ強敵。
まだ倒していない悪党。
この世界は広い。
俺の戦いは、まだまだ続く。




