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5.『憎悪の書』にメモられるところだぞ!

道中、アルファはずっと後頭部に数万匹のアリが這いずり回るような不快感を覚えていた。


この感覚は実に不気味だった。混雑した地下鉄の中で、背後の男が自分の後首をじっと見つめているのがはっきりわかっているのに、振り返って怒鳴る勇気が出ない——そんな状況によく似ている。アルファは人の背丈ほどの雑草が生い茂る平原を大股で進みながら、悟られないように呼吸を整えた。


「スッ」


アルファは突然、極めて完成度の高いブレイクダンスのトーマス旋回ターンを決め、掃堂腿で砂埃を巻き上げる。両目をレーダーのように鋭くし、背後の道筋を隅々まで睨み回した。


「出てこい!もう見えているぞ!俺の二十三枚の銀貨を狙う、闇に潜む卑劣漢め!」


アルファは黄飛鴻の定番構えを取り、声高に喝破した。


だがそよ風が吹き抜け、太いエノコログサが数本、風に無邪気に揺れるだけ。人どころか、スライムの影ひとつ見当たらない。


実際には、彼からわずか十メートルも離れていない生い茂った草むらの中で、黒いゴシックドレスを纏った銀髪の少女が、極めて平然としゃがみ込んでいた。身長があまりに小柄な上、草が十分に密集していたため、アルファの平视の視線は彼女の頭上をそのまま通り過ぎていた。琥珀色の瞳は静かに、その場で恥ずかしい中二ポーズを次々と決めるアルファを眺め続け、呼吸のリズムさえ一切変わらず、まるで冷徹な観察者のようだった。


「ちっ。連続して激しく動いた上に風呂にも入っていないこの体の酸っぱい匂いで、神経が錯覚を起こしたのか?」


アルファは頭を掻き、気まずそうに構えを解いて手の埃を払った。


「それとも異世界の風には覗き属性でもついているのか?まあいい、飯と風呂が先だ。どうでもいい!」


彼は迷いなく背を向け、遠くにそびえる灰色の城壁を目指して再び歩き出した。


およそ一時間の徒歩を経て、アルファはついに「ウェストパーク」という都市の南門にたどり着いた。


高くそびえる城壁には剣で斬りつけた跡が無数に刻まれ、堀の中には三つ目のワニが泳ぎ回っているのさえ見える。だがアルファを最も驚かせたのは、このファンタジー色溢れる城塞ではなく、門の前に遊園地のジェットコースター待ち列のように長く伸びた入城待ちの行列だった。


アルファは大人しく列の最後尾に並び、つま先を立てて前方を覗き込んだ。門の入り口には普通の徴収所は設置されておらず、代わりに巨大な木製の机が置かれている。筋肉が極限まで発達し、急所だけを隠したスパルタ式の革鎧を着た二人の衛兵が机の後ろに座り、入城者の審査を行っていた。


「名前!職業!ウェストパークに何をしに来た!」


左側の傷顔の衛兵が、商人風の太った男に怒鳴った。


「拙者マーティン、生地商人で仕入れに参りました……」


太った男はぺこぺこと頭を下げる。


「よし、これから知能と精神耐性テストを開始する!」


右側の坊主頭の衛兵が机を激しく叩き、上のインク壺まで跳ね上がらせた。


「聞け!森に十羽のクークー鳥がいて、魔術師が火球術で一羽を爆死させた。木にはあと何羽残っている?!」


太った商人は一瞬固まったが、すぐに自信に満ちた笑みを浮かべ、この問題の馬鹿らしさを嘲るかのような顔を見せた。


「ご報告いたします、一羽も残りません!火球術の爆発音で他の鳥は全部飛び去ってしまいますから!」


「不正解!」


傷顔の衛兵が怒鳴り、机を思い切り蹴飛ばした。


「ここを地球のなぞなぞだと思うな!ここは魔法大陸だ!このクークー鳥は長年魔法放射線を浴び続け、みな耳が聞こえない!残り九羽は爆発音など一切聞こえない!基本常識すらない馬鹿者め、入城を許さん!引き返して生物学を学び直せ!」


言い終わると、駆け寄った城防軍二人が太った商人の腕を抱え上げ、ゴミのように遠くへ放り投げ、堀の中へ落とした。


後ろからそれを見ていたアルファは呆然とし、額の冷や汗がスッと流れ落ちた。


「おいおいおい、これが知能テストってか?完全に地元保護主義とステレオタイプによる強盗理論じゃないか!この都市の主脳は踵に生えてるのか?!」


アルファがツッコミを終える前に、列の進みは驚くほど早かった。前方の者の大半がこの奇想天外なテストで落とされていたからだ。あっという間に、アルファがその木製の机の前に立つ番となった。


「次だ!名を名乗れ!」


坊主頭の衛兵が敵を見るような目で、アルファの奇抜な服装——特に魔物の糞がついたビーチサンダルを上下に眺め回す。


「アルファだ。職業は……ええと、騎士だ」


アルファは顔色一つ変えずに嘘をついた。


「騎士?サンダル履きの騎士だと?」


傷顔の衛兵が冷笑し、腕を組んだ。


「余計なことは抜きだ、テストを受けろ。答えられないか、納得のいく答えが出せなければ、お前の頭をサンダルの中に押し込んでやる!」


ずっと憧れていた熱い風呂と豚カツ定食のため、アルファは深く息を吸い、脳のプロセッサを瞬時にオーバークロックさせ、どんな非常識ななぞなぞにも備えた。


傷顔の衛兵が咳払いをし、眼光を鋭くする。


「聞け小僧、ドワーフは風呂に入るとき、なぜ一度も浴槽を買う必要がないのか?」


「……」


アルファは固まった。


これはなんの問題だ?これは地球上で溢れかえっているブラックジョークではないか?異世界の知能テストが、ステレオタイプジョークの語彙力を競うものだというのか?


衛兵の期待を込めつつも凶悪な目を見て、アルファは今、正常な論理で答えてはいけないと悟った。すぐに軽薄で飄々とした表情に切り替え、眉を少し上げる。


「簡単だ。雨の日に水たまりで跳ね回っただけで溺れるリスクがあるからな。浴槽を買ったら、家の中に自殺トラップを設置するようなものだ」


「プッ——」


坊主頭の衛兵は口に含んだ水をそのまま吹き出し、続いて耳をつんざく大笑いを爆発させた。


「ははははは!水たまりで溺れるだと!こいつ、なかなかやるじゃねえか!」


傷顔の衛兵も目を輝かせ、アルファの肩を力強く叩いた。もう少しでアルファの骨が折れるところだった。


「良い子だ、毒気がある!当たった当たった!もう一問聞く。金持ちのドワーフ富豪を一瞬で破産させる方法、知っているか?」


アルファの口角に腹黒い笑みが浮かび、迷いなく返答する。


「それは超簡単だ。彼の財布を高さ百五十センチの棚の上に置くだけだ。跳んで足を折っても届かず、背を高くするインソールを買うため、最後には財産を全部すっかり失うことになる!」


「ははははは!天才だ!完殺だ!百五十センチの棚だと、ははは!」


二人の衛兵は前後に揺れて大笑いし、涙まで飛び出した。彼らはアルファの手の甲に、大根で彫られた赤い通行印を押した。


「入れ、小僧!ウェストパークはこうしたユーモア溢れる騎士を歓迎する!ははは、笑い死ぬところだ。仕事が終わったら隊長にこのジョークを話してやる!」


アルファは表面上はニコニコしながら何度も礼を述べ、心の中では巨大な白目をむいていた。


存在しない『憎悪の書』をそっと撫で、心の中で呟く。


「礼節のない筋肉馬鹿ども、この借りは覚えておく。俺自身はドワーフじゃないのに、入城のためにお前らと一緒にブラックジョークを口にして、人間性まで値崩れした気分だ。だがどうでもいい、周波数が合って入れればそれでいい。今この瞬間、ドワーフが突然現れて俺の膝を殴りに来るなんてことはあるまい」


アルファは両手をズボンのポケットに突っ込み、使い古されたサンダルを履いたまま、堂々と城門の中へ歩いて入った。


彼の足が城壁の影に踏み入れた瞬間、身長およそ百十センチ、自分より長い大ハンマーを担いだドワーフの鍛冶職人が、鼻歌を歌いながら城壁の角から歩いてきた。


ドワーフの鍛冶職人は落とした銅貨を探して俯いていたが、突然顔を上げ、硬い鉄製ヘルメットが「ゴン」と、寸分違わずアルファの膝に直撃した。


「いててて!」


アルファは膝を押さえて片足でその場で激しく跳ね回り、痛みで涙が出そうになった。


「どこの目つぶれ野郎が親父の道を塞いでいる!」


ドワーフ鍛冶職人は罵りながらヘルメットを揉み、ハンマーを担いだまま立ち去り、アルファのことなど一切気にかけなかった。


アルファはひんやりと息を吸いながら、遠ざかる小さな背中を眺め、風の中で完全に呆然と立ち尽くした。


「これがまさに現世報ってやつか?!この大陸の因果律兵器は秒単位で決済されるのか?!」


同時に、城門からほど近い草むらの中で、銀髪の少女も隠れ家から立ち上がった。アルファがびっこを引きながら都市の中へ入っていく姿を眺め、小さな手でドレスの埃をそっと払うと、優雅な小刻みな足取りで、入城待ちの人混みに紛れ込んだ。

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