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4.(⊙_◎)

さらに五分ほど眺め続けたアルファは、赤ローブの教徒が紫ローブの教徒のクロスアームから逃れようとして、思わず相手の脇の下に噛みつき、半月以上風呂に入っていないと思われる強烈な異臭に当てられ、その場で白目をむいて泡を吹く様を目の当たりにした瞬間、手に握っていた野イチゴをついに口に入れることができなかった。


彼は自分のIQが、この盆地の空気に少しずつ同化されていくような気がした。


「もうだめ……見ていられない!」


アルファは手に持っていた実の芯を地面に放り捨て、隠れていた巨石の陰から勢いよく立ち上がった。草くずだらけのズボンの裾を払い落とすと、彼は高みから眼下を見下ろした。泥の中で正気を失い大乱闘を繰り広げる「狂信者」たちがそこにいた。


「おい――!!下のコスプレみたいな安っぽい衣装を着たおっさん連中!いい加減にしろ!」


アルファは両手を口元に添え、丹田に力を込めて、耳をつんざくほどの大声を張り上げた。


唐突な一喝が、広大な平原に響き渡る。盆地の中で激しく戦っていた教徒たちの動きが一斉に止まった。敵の口に臭い靴下を押し込もうとしていた紫ローブの教徒は手を空中で固め、急所を狙って不意打ちを仕掛けようとしていた赤ローブの狂戦士も、泥だらけの指を黙って引っ込めた。充血した数十の目が一斉に土丘の上へと向けられる。そこには奇妙なTシャツを着た黒髪の青年が立っていた。


「どこの異教徒だ!」赤ローブの小隊長が鼻血を拭い、へし折れた折りたたみ椅子を掲げて怒鳴った。


「我ら暗月教団の神聖な宝奪任務を邪魔するとは、死にたいのか小僧!」紫ローブの小隊長は足を引きずりながら太ももの匕首を抜き、痛みに顔をしかめつつも捨て台詞を吐いた。


死に際まで虚勢を張る彼らを見て、アルファはわざとらしく片手を腰に当て、もう片方の人差し指をまっすぐ下へ向けた。


「やめろ!こんなんじゃ人は倒せない!これが喧嘩だと?これはスーパーの特売卵を奪い合う主婦たちだろ!魔法の異世界だぞ、この野郎!最低限の火球一つだけでも、髪を引っ張り合うよりずっとマシだろうが!」


アルファは深く息を吸い、口角に「悪どい」笑みを浮かべた。「そこまで互いを苦しめたいなら、本当の痛みというものを教えてやる。大人の世界の残酷な鉄槌を味わえ!」


声が落ちた瞬間、アルファは呪文すら唱えず、体内に宿る最大級の魔法適性を引き出し、両手を胸の前で合わせ、極めていい加減な法印を結んだ。


「喰らえ!全体【歯痛術】!」


肉眼では捉えられない淡い青い波動が、アルファを中心に扇形を描いて盆地の下方へ押し寄せた。


一秒前までアルファに吠えていた教徒たちは、次の瞬間、一様に固まった。


赤ローブの小隊長は左奥歯に、ドリルが神経を直撃するような鋭い激痛が走ったのを感じた。刃物や剣の傷とは違い、皮膚の表面からではなく、骨髄の奥から噴き出し、神経を伝って頭頂部へ直撃する痛みだった。


「ひぃ――!痛い!俺の歯!」赤ローブの小隊長は手に持った折りたたみ椅子をガシャンと地面に落とし、両手で左頬を必死に押さえ、顔全体が苦痛で歪み、涙とよだれが制御不能に流れ出す。


「ああああ!俺の親知らず!先月抜いたばかりなのになぜ痛い!これは幻痛か!助けてくれ!」


「痛い痛い痛い!誰か俺を一撃で気絶させてくれ!歯髄が燃えてる!」


わずか三秒で、互いに殺し合っていた二つの勢力は、すべて歯科医院で抜歯を待つ重度の歯髄炎患者へと変わり果てた。地面を転げ回る者、物理的な気を紛らわせようと石に頭を打ちつける者、敵だった相手の太ももにしがみついて泣き叫ぶ者。先ほどまでの仇敵だったことなどすっかり忘れている。


眼下の戦闘力を完全に失った連中を見て、アルファは満足げに頷いた。だがすぐに思い直す。「いや、さっきまであれだけ激しく戦ってた、意志が強い奴らかもしれない。痛みに慣れて起き上がり、俺に襲いかかってくる可能性はないか?」


未然に防ぐため、アルファは最後まで面倒を見ることにした。再び手を挙げ、指先に不気味な紫の光を灯す。


「歯痛だけじゃ足りないなら、バフを追加してやる。生命の偉大さを味わえ!【出産痛術】――発動!」


紫の光輪が天女の散華のように、地面を転げ回る教徒一人ひとりに降り注いだ。


その瞬間、盆地全体の空気が凍りついたかのようだった。


歯痛で叫んでいた声がぴたりと止み、代わりに全員が同時に息を呑んだ。


続いて、地獄を超える悲惨な交響曲が奏でられ始めた。


「ああああああ!腹だ!腹が裂ける!」


一番体格の良い赤ローブの教徒は巨大なビール腹を両手で必死に押さえ、熱湯に放り込まれたカエルのように仰向けになり、両足を狂ったようにばたつかせた。「出てくる!何かが腸から出てくる!羊水だ!誰か俺を取り上げてくれ!俺は男だぞ!」


「うわわわわ――!殺してくれ!早く殺して!これは一体なんの魔法だ!俺の子宮……いや、俺に子宮なんてないのに!なぜこんなに痛いんだ!」


紫ローブの暗殺者はエビのように体を丸め、頬を押さえて泣きながら腹を抱えて痙攣し、二重の痛みに白目をむく力すら残らず、壊れたふいごのような息だけを漏らした。「宝箱はもういらない……家に帰って母さんに会いたい……」


歯痛術が戦意を奪っただけだとすれば、出産痛術は男性としての尊厳と常識を根底から粉砕した。五十人を超える大男たちが泥の中で腹を抱え、汗だくになり、産室で今にも生まれそうな妊婦のような悲痛な叫びを上げている。


「うむ、効果は抜群だ。これが物理と精神の二重超渡というやつだ」


アルファは極めて冷静に土丘から降り、泥だらけの地面と、痙攣を続ける「妊婦」たちを踏み分け、地球の聞き覚えのない小曲を口ずさみながら、神聖かつ偉大な作業――戦利品漁りを始めた。


「鳴くな鳴くな、深呼吸、吐いて、そうだ、その調子。うんこをしてると思えばいい……」アルファは足元で白目をむく赤ローブの魔術師を適当に慰めながら、手を慣れた様子でローブのポケットに突っ込んだ。


「ん?銅貨が数枚だけ?教団の給料こんなに安いのか?それにこれは何だ?鼻くそのついたチラシ?気持ち悪いな!」アルファは嫌そうに紙を捨て、数枚の銅貨と銀貨をポケットに入れた。


彼はビュッフェで料理を選ぶ客のように、人混みの中を歩き回る。


「おっ、この匕首なかなか良さそうだが、毒が塗ってある。やめとこう」


「兄さん、財布は没収だ。異世界の戦闘力を再認識させてもらった授業料だと思ってくれ」


「粗悪な赤薬が三本?まあ売れば金にはなるだろう」


地面を転げ回り、痛みで親もわからない教徒たちの真ん中を、アルファはまるで無人地帯を歩くように進み、わずか十分で彼らの所持金を根こそぎ奪い去った。みな貧乏人ばかりだったが、塵も積もれば山となる。銀貨数十枚、銅貨百枚以上を手に入れた。


戦利品漁りを終えたアルファは、ついに盆地の中央へとたどり着き、この馬鹿げた騒ぎの発端となった黒い金属製の箱の前に立った。


間近で見ると、この箱は確かに「危険だ」というオーラを放っていた。どんな金属で作られているのか分からず、冷たく、表面に彫られた紋様が微かに流動しているように見える。一番目を引くのは、正面中央にある巨大な深紅のコウモリの紋章だった。


「コウモリ……吸血鬼……暗夜の一族……」


アルファは顎に手を当て、長年二次元やゲームに浸かってきた経験をもとに、頭をフル回転させる。


「定番展開だと、こういうコウモリの印がある箱の中には、八割の確率で千年生きた吸血鬼真祖が封印されてる。しかも九十九パーセントは白髪赤眼か銀髪金眼のツンデレロリだ。開けた瞬間、彼女は俺の血を吸い、強引に主従契約を結び、そのあと聖騎士、吸血鬼ハンター、果ては魔王軍まで俺を追いかけてくる……」


考えただけでアルファの顔色が真っ黒になった。


「ふざけるな!俺はハーレムものの主人公なんて御免だ!俺はただ異世界で豚カツ定食を食べて、熱い風呂に入って、気持ちよく眠りたいだけの普通の人間なんだ!」


好奇心は猫を殺すだけでなく、大きな厄介事まで引き寄せる!


アルファはきっぱり手を引き、二歩後ろに下がり、箱に向かって両手を合わせて拝んだ。


「中にいるどなた様でも、どうぞそのままお眠りください。お邪魔はしません。失礼する!」


そう言うと、アルファは容赦なく背を向け、手に入れたばかりの「開業資金」をポケットに収め、平原の果てにぼんやり見える建物群の輪郭を目印に、都市があるであろう方向へ大股で歩き出した。振り返らない。


「急いで都市を見つけるのが先決だ!俺は豪華な飯を食いたい!柔らかいベッドで寝たい!」彼の背中は陽光の下、非常に潔く颯爽として見えた。


……


……


盆地にそよ風が吹き抜け、地面では数十人の男たちが弱々しくうめいているだけだった。


アルファが去って約十分後。


「カチャッ」


極めて澄んだ機械音が盆地の中央に響いた。音は小さいが、不思議と周囲の呻き声をかき消した。


地面に静かに置かれていた黒い金属箱の表面、複雑な紋様が突然深紅に輝いた。続いて、コウモリの紋章が刻まれた箱蓋は重力を失ったかのように、ゆっくりと、自ら上へと弾き上がった。


青白く細い、血の気のない小さな手が箱の縁から伸び、金属の縁をそっと掴んだ。


その後、小さな姿が箱の中から起き上がった。


それは十二、三歳ほどに見える少女だった。(?)


銀月のように白く滑らかな長い髪が、肩に無造作に垂れている。


黒いレースと暗紅の宝石があしらわれた極めて華やかなゴシック調の黒いドレスを身にまとい、ほとんど透明とも言えるほど白い肌を一層際立たせていた。


一番目を引くのは、琥珀のような橙黄色の瞳だった。その瞳には目覚めたばかりの戸惑いはなく、長い時の流れを見通したかのような静かで深い光だけが宿っていた。


少女は箱の中に座り、首をわずかに回した。地面を転げ回り、腹を抱えて泣き叫ぶ男性たちを眺めたが、驚きも恐怖も憐れみも一切浮かべず、道端で引っ越しをするアリたちを見るような目だった。


繊細な小さな鼻がわずかに動き、空気の中の何かを嗅ぎ取る。


そして彼女の視線は盆地の出口の方向へと固定された――まさにアルファが去った位置だ。


迷いは一切なく、少女は華やかなスカートをつまみ、箱の中から立ち上がり、軽やかに地面へ飛び降りた。地面の財宝も武器も一瞥もせず、黒い小さな革靴を履いた足で、「ダ、ダ、ダ」と、非常に優雅でありながら揺るぎない小刻みな歩調で、アルファが去った方向へ、迷いなく歩き出した。

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