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ブラックおっさん、メンタルだけで生き延びる!?  作者: でこぽん
第二章 社畜、未知との遭遇を味わう

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第三十六話 衛生管理

「さ、今日なのですが、そろそろ体洗いたくないですか…?」


そう。

ドームが現れてかれこれ1週間。

濡らしたタオルで体を拭いてしのいでいたが、残り90日以上もこのままとはいかないだろう。


「たしかに…。

体が汚れていると、病気にもかかりやすくなりますし、せめてシャワーを浴びたいですね」


長い髪の毛を触りながら白石さんが賛成してくれた。

本当は、もっと早く髪を洗いたかったのだろう。


「そうですよね!

なので、会社の西側でシャワーを浴びられるジムやマンガ喫茶など、探しませんか。

その際、着替えとコインランドリーもあればいいんですけど」


提案中、白石さんと黒川くんは頷いてくれていたが、水城くんは真顔…というより、少し嫌そうな表情をしている気がした。


「シャワー探すのは、良いと思うんすけど、満喫って機械系多くないっすか?」

「言われてみれば…。

では、ジムをメインに探してみますか」


なるべく、こちらに攻撃してくる可能性のあるロボとは出会いたくない。


「我に湯浴みなど不要だ。

お主らの帰りをここで待つことにする」


水城くんが、小さめの声で呟いた。


「そんなこと、言わない!

怪我もしてるし、綺麗に洗っておかないと膿んだりするよ!」


たしかに、白石さんの言うとおり、体を清潔に保っていないと、怪我も悪化する可能性はあるか…。


「み…、蒼きくん、じゃ着替えとシャワーに入れる場所があるかは僕たちが探してくるので、両方見つかった後に、一緒に行きましょう?」


横に座っている水城くんに提案をする。


「でも…」

「お前の心配をみんなしてんだよ!

いいから言われたとおり、シャワーが見つかったら浴びるんだ!」


何か言い掛けた水城くんを遮り、正面に座っている黒川くんが言いきった。

言葉と態度にある圧をもう少しどうにかできないものか…。


「もう!もう少し優しい言い方できませんか!?

着替えは探してくるから、シャワーだけは一緒に行こう?

服のサイズは150センチでいいかな?」


「“S”。大人用の」

白石さんの助け船に、少しむくれたような表情で答える水城くん。


「じゃ、決まりですね。蒼きくんは、1人で残ってもらって、僕たちは準備ができ次第出発しましょうか。

留守任せますけど、大丈夫ですよね?」

「案ずるな。我を誰だと思っている?」


留守番は、問題なさそうだ。




ーー会社を出発し、20分ほど歩いた。

今日は、早朝でもないに関わらず、人の気配はほとんどいない。


人口が減ってしまったのか、または、ロボットに警戒しているのか、なんにせよ好都合だ。



「竹本さんって、服いつも綺麗っすよね」

ぽつりと黒川くんが聞いてきた。


「ああ、僕、基本的に1週間分は会社に着替えをストックしているんですよ。

身だしなみは、社会人の基本ですから」


そうだ。

パリッとシワの伸びたシャツとネクタイは必須アイテムだ。


「仕事人間なのは感じてましたけど、1週間分って、多すぎませんか…」

「案外そうでもないですよ。

ほら、今だってさすがに足りなくなってますし」


それに、俺には向かうべき仕事が山積みなんだ!

そうだ。

本来なら、もう月末月初の処理は済んでいないとダメなのに、どうにかオンラインに復帰できないものか…。




ーーそんな会話をしながら歩いているうちに、ドームの端近くまでやってきていた。

辺りを見回すと、リサイクルショップを見つけた。


「あそこだと、服をおいてそうですね」


リサイクルショップ内では、子供服からスーツまで幅広く置いてあった。

とりあえず、各々動きやすそうな服を一式買っていく。

もちろん、水城くんの服も忘れずに。


「そういえば、黒川さん。

水城くんに対して、もう少し優しい言い方できないんですか!」


少しはなれたところで、白石さんが話していた。

俺以外からも言われた方が、黒川くんも態度の振り返りができるだろう。

なにより、怒っている白石さんは少し…。



そうして、リサイクルショップを後にし、次はジムを探す。

地図への記載は白石さんに任せ、歩き始める。



「あれ…もう少し向こうだった気がするけど…」



白石さんが、ドームと地図を見比べ小さく呟いたことも知らずに…。


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