第二十三話 業務妨害
ーー「よう、また会ったな」
後ろから声を掛けられた。
聞き覚えのある声に、恐る恐る振り返る。
…やっぱりか。
昨日、裏口で会った男たちが立っている。
ガンッ!
男たちを認識するとほぼ同時に、胸ぐらを掴まれ殴られた。
「おっさん、昨日は世話になったな。さっきのはそのお礼だ」
「竹本さんっ!!」
「おーっと!させねーよ」
ペーパーウエイトを投げようとしてくれた白石さんの腕をもう1人の男が掴んで制止した。
ガンッ!
白石さんの腕を掴んでいる男に何かがぶつかった。
飛んできた方向には、黒川くんがいる。
「おまえ!昨日は、よくもやってくれたな!」
昨日黒川くんに負けていたリベンジをしたいのか、白石さんの腕から手を離し、黒川くんの方へ歩き出した。
ーー「店、こんなにしたの、あんたらっすか」
目の前の男に確認をする。
俺が昨日、気絶させた男だ。
「だったらなんだっつうの。どうせ俺らがしなくても誰かが荒らすっつうの」
悪びれる様子もなく、完全に開き直っている。
「絶対、許さねぇ。俺の仕事を増やしやがって!」
言い終わると同時に拳を振り上げる。
もちろん、竹本さん仕込みのパンチを握って。
「あっぶねー」
チッ。避けられたか。
パンチを持っていることに気付かれたのか、少し距離をとられる。動きも速く、案外頭もまわるようだ。
が、関係ない。
ポケットに忍ばせていたペーパーウエイトを男に投げる。
ガンッ!
「ぃっつ…」
よし、肩に当たった。
少し怯んだ隙に距離を詰める。
ドンッ!!!
がはっ…
パンチを装着した拳が腹に入った。
唾か胃液かわからないものが飛んできたのが不快だったが、畳み掛ける。
パンチを装着していない方の拳で男の顎を殴る。
ドコッ!!
……
ドサッ…
当たりどころがよかったのか、気絶したようだ。
「次、俺の仕事増やしたら、その腕使えなくするっすからね…」
もう聞こえていないであろう男に吐き捨てた。
ーー少し遡り、白石さんの腕を掴んでいた男と黒川くんへ向かっていった頃…
胸ぐらを掴まれたまま、もう2・3発は殴られただろうか。
せっかく腹部の守りを強化したというのに、顔ばかり…。
ガンッガン!
白石さんが投げてくれたペーパーウエイトが、男に当たった。そして…俺にも少し。
痛みからか、胸ぐらを掴んでいた手が緩んだ隙に、手を振りほどいた。
「女!後で相手をしてやろうと思っていたが、お前から先に相手をしてやる!」
ブンッ!
男が近くのものを掴み、白石さんの方へ何かを投げた。
「白石さんっ!」




