第十二話 勤務実績?
応接室へ戻って、もう一度状況の確認をする。
「一度、状況を整理すると、まず、残り日数は98日。
人口半減に関しては、総数が不明。ただし、少なくとも現時点で1名は脱落。
後は、食料が残り1週間程度…。
ここが一番の問題だな」
「そうですね。一回で運べる量って考えても1週間分が限界ですし…。
ただ、ドーム内の全員が期限を知った以上、食料の確保が最優先になると思うんですよね」
「そうだな…。ただ、今は同じように考えて食料調達に動いている人も多いと思う。
だからあえて、明日の早朝から食料確保に動くのがいいと思うんだ」
「なるほど…そうですね。あまり人と遭遇するのは避けたいですし、それがいいと思います」
「じゃ、明日の午前3時に、この部屋へ来ますね。それまでは、このフロアで自由行動ということで…」
これで、明日の3時まで、業務時間は確保できた。
ーーガシッ
立ち上がろうとした腕を掴まれた。
「わかりました。でも、お仕事はせずに、ちゃんと休んでくださいね…?」
声のトーンは優しいが、目が笑っていない気がする。
しかし、いまの俺にそんなことを気にする余裕はない。
「もちろんです。いまから軽く顔を洗ったら、自席で横になるので大丈夫ですよ!
あ、そうだ。何かあれば、内線25番かけてください」
そう言い残し、足早に応接室を後にした。
ーー自席に着く。
やっと戻ってこられた。
ほんとうに、長かった…。
時間を確認し、私用外出申請の下書きを作成する。
そもそも、ネット環境がつながらないこの状況での業務は、計上していいのだろうか。念のため、業務を行った時間のみ記録を残すようにした。
ーーーーカタカタ、カチッカチッ
業務を進める。
ふと時間を確認すると、23時。
左腕があまり動かないため、仕事の進みは悪いが仕方ない。
明日のことを考えると、業務を切り上げるべきか…。
窓から見た光景がよみがえる。
さすがに、ある程度疲れをとっておかないと、自分があの男のようになる可能性もあるんだ。
そう言い聞かせつつ、応接室の方へ歩き出す。
応接室の扉は閉まっていた。中から物音も聞こえない。
白石さんは、もう眠ってしまったのかもしれない。
物音を立てないよう、寝るための身支度を行い、2時にアラームを設定した。
寝袋を取り出し、床に敷く。
今日は、床で寝られるだけよかった。
あっ…。怪我した腕がうまく寝袋に入らない…。
くそ…、あっ!入った。
よし。
明日の段取りを思い浮かべながら、眠りについた。




