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私、人生迷ったら世界最強魔導士になりました。  作者: 工藤 零
第一章 『自分探しの旅』
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23/102

23『クエスト』

ギルドがあるという地下5階に向かい、沢山ある中の一番近いところにあったギルドに入る。


「失礼しまーす」


クエストボードを覗き、いいのがないか探す。

見れば、スライム以外のモンスターを倒すものも沢山ある。

名前は知らない物ばかりなので想像はつかないが、全体的にスローター系が多い様だ。


「ルイは何がやりたい?」


「うーん。これかな!」


と、ルイが指さしたのは難易度3のダンジョンクエスト。

ダンジョン奥深くに眠るボスを倒して来いとのものだった。

難易度5がマックスなので比較的難しいのだろうが、私達は一応これでも強い方なはずなので大丈夫だろう。


地上に戻り、そのダンジョンがある場所に向かう。

地上は本当に何もない。

聞くところによると、地下の街の地上部分はモンスターが多く出現する場所らしく、何の建物も立っていない。


ダンジョンも数多く存在し、その多くが地下につながっている。

地下の発展に努めたい街の人はそれが邪魔で困っているからクエストとして討伐をお願いしているとのこと。

だがしかし、難易度が高いのでなかなか減らない。

この街はそれで中央の街以上の発展を目指せていない。

ということで、ルイの意見もあり私達は初めてのクエストにしてダンジョンに行くことにした。


「なんだか暗いな……」


「そう?」


「ルイは大丈夫なの」


ラリアンは暗いのが苦手なのか私の背中にへばりついているが、私には特に変わりはない。

ただ閉じ込められたような感覚が少しするだけだ。


「ラリーは暗いの苦手?」


「い、いや。そ、そんなことはないぞー?ただ、ちょっと怖いかなーってだけで……」


「怖いんじゃん!」


私の言葉は的確にラリアンの的をついたらしい。


「ナツメは怖くないのか?」


「ん?全然。だって暗くなんて全くないもん」


「本当か?ナツメは暗視スキルを持ってるんだな」


「……?そんなスキルとった覚えはないけど……」


いや、そう言うのも通じないんだった。多分、あの大量なスキルのどこかにあったのだろう。

自分で思うのもなんだが、全てのスキル覚えられる気がしない。

まさにチートの無駄遣いだ。


「ナツメは便利だな。私も暗視スキルは使いたいが、入手方法が分かっていないからな。ルイはどうやってゲットしたんだ?」


ラリアンが、ダンジョンが初めてらしく興味津々にしているルイに話を振る。


「んー?ルイはねー盗賊やってたらいつの間にかゲットできてたの。だからね、分かんない」


「あ、ああ。そうか……」


少し残念そうだ。

確かに、ラリアンだけ見えにくいのは可哀想だ。

スキル以外に何か方法は無いのだろうか。


「暗視魔法みたいなのは無いの?」


「ん?ああ。あるにはあると思うが、確か光魔法だった気がするぞ?私には使えないからな」


「そっか」


ラリアンは希望を見出していないらしい。

実は、策がある。

多分、私の能力だったらできるはずだ。


「暗視」


日本語で呪文を唱える。残念ながら、勤勉ではないのでかっこいい感じに呪文を唱えられない。

でも、同じ効果は出るはずだ。


「お?見えるようになったぞ!これなら全然怖くないな」


「それはよかった」


予想通り、見えるようになったらしい。

ナツメほどは見えていないかもしれないが、重要な戦力であるラリアンには冷静に戦って欲しい。

多分、怖さは消えたはずだ。


「あ!ナツメ大変だ!」


「え!何々?」


「幽霊だ!」


「ほ?」


目を凝らしても、その姿は見えない。


「もしかして怖すぎて幻でも見たんじゃ……」


「そんな事は無いぞ!あの幽霊はアンデットモンスターと言ってな、ちゃんとしたモンスターなんだ。多分、見えすぎているナツメには見えないんだ」


「えー。じゃ、ラリー退治ヨロ」


「……」


私にはその、アンデットモンスターとやらが見えないのでラリアンに丸投げする。

思うが、幽霊に対して効く魔法はあるのだろうか。

聖魔法とかか?そんな魔法があるのかナツメは知らない。


「ナツメ……。私はついさっき言った気がするが……」


「ん?」


「私は光魔法が使えないんだぞ?」


「そんなこと言われても……」


「ナツメ、3メートル先にいる。適当にぶっ放してくれ」


と、言われても何効くのか分からないし……。光魔法を使えばいいのだろうか。


「えいっ」


適当に光をパッとさせる。


「わっ」


「きゃっ」


ラリアンが可愛くない驚き声をあげたのに対して、ルイは可愛らしい悲鳴をあげる。

何故皆して悲鳴を上げたのかと言うと、魔法の眩しさによる。

カメラにシャッターを切られたかのように一瞬だけ辺りが真っ白になったのだ。


威力は想定内だが、通っているかどうか。

正直、他に方法を知らない。


「ナツメ、怯みはしたがあまり効いていないぞ!」


「そんなこと言われてもねえ……」


「ナツメ、危ない!」


と、ラリアンがナツメを何かからかばった。


「何?」


「……」


「たいへん!怖いお姉ちゃん、呪いにかかっちゃったの。早く解いてあげないと」


ルイが、ラリアンに抱きついてこちらを見てくる。

可愛い……とラリアンそっちのけで思考が働く。


「はっ!」


危ない。ルイの可愛さにやられるところだった。

これも一種の呪いなのではないか、とまた別の思考が働く。


「はやく!」


「あ、そうだった……」


というか、そんなこと言われても解き方分からないしなあ。

ラリアンは使えなさそうだし……。


「ルイ、どうすればいいか分かる?」


「あのね、呪いを解くにはね、光魔法が使えることが重要なの。でね、光魔法が上達すると聖魔法が使えるようになるんだけど……。確か、聖魔法の中になんか呪いを解く魔法があったはずなの」


「うーん」


ルイからの情報では大雑把な事しか伝わらなかった……。

が、まあ適当になんかすればいいんだろう。

ラリアンに先程ゲットしたばかりの杖の先を当てる。その時に気になるものがあったが見て見ぬふりをする。


「解呪」


ラリアンの体が少しばかり発光し、閉じられていた瞼が開けられた。

どうやら、効いたようだ。


「ナツメ……」


「大丈夫?」


「あ、ああ。ナツメは大丈夫か?」


「うん。大丈夫よ。ありがとね、助けようとしてくれて。でもね……凄く言いづらいんだけど……」






「は!?アンデットモンスターの攻撃が効かない!?」


「ん。多分ね。ついさっきチラッとカード見てみたらそんな感じに書いてあったの。何でかはよく分かんないけど」


「本当か?まあ、ナツメなら有り得なくは無いな……。でも、見える見えないは関係ないんじゃないか?」


「そうだねー」


言った通り、まだ目を通していなかったスキル欄には死者耐性と書いてあった。

パッと見、意味はよく分からないが、多分この解釈であっているはずだ。

正直、チートだからと言ってこのスキルがある意味は分からないが、あるのだから仕方がない。


人生、受け入れなければならないことばかりだ。

ダメージの受けないものが見えても意味がない、ということだろうか。


真意は見えないが、私自身、お化けや幽霊の類は嫌いな方なのでありがたい。

今後、チートをフル活用していきたい。


「いいな。ナツメは。私も幽霊は見たくもないのにナツメとは違ってみせられている。その能力が欲しいよ」


「嫌だ」


「えっ。特に断られるようなことは何も言ったつもりはないが……」


「欲しいって言ったじゃん」


「えー」


ラリアンをからかっていると、ルイが上目遣いで袖を引っ張ってきた。


「行こ?」


「うんうん」


ルイの頭をなでて、先に進む。

後ろでラリアンがぶつぶつ言っているが気にしない。


その後、途中何度かモンスターと遭遇したが割と安全にダンジョン最下層まで到着することができた。


「いよいよボスだな……」


今まで雑魚ばかりだったため、苦戦すると思われるボスを想像し、緊張が走る。


「ボスはアンデットの可能性が高い。その場合、ナツメを囮に私達がどうにかする。普通のモンスターだった場合、全員で攻撃だ。いいか?」


「ん」


「うんなの」


「よしそれじゃ、行くぞ!」


ボスがいると思われる部屋に入る。

広い。先程までとは大違いだ。

先が見えない。


「出ないな……」


ラリアンにも何も見えていないらしい。


「……来たの!おっきい魔力が10メートル先にある!気を付けて……。こいつ強いの……」


ルイの警告が走る。

少しおびえているようなルイの声に不安になりながら、敵を待つ。


「来た!ナツメ、アンデットだ!そこから動くな!」


「了解!」


相変わらず何も見えないが私は杖を構える。

特にこれといった意味はないが、折角の初ボス戦なので格好つけたい。


「トラップ!」


ルイが謎の呪文を唱える。

突如、数メートル先に穴が開く。

なるほど。罠か。果たして引っかかるのか……。


「ちっ。ダーク・ナイト!」


どうやら聞かなかったらしい。

ラリアンの舌打ちと呪文が部屋に響く。

突如、黒い人の形をした何かがナツメの前に立つ。


ラリアンの魔法だろう。

闇の騎士様は黒い実態のない剣で何かを受け止める。

素早い戦闘で、しかも騎士の方しか見えないのではっきりとした状況は分からないが、見た感じ、こちらが劣勢だ。


数秒経つと騎士は消えてしまった。

タイムリミットか普通にやられたのかナツメには分からない。


「ナツメ。何か策はないか!こちらは限界だ!」


「そんなこと言われても、この世界に来てそんなに日も経ってないし、頭がいい訳でもないからそんなの思いつかないよ!ラリアンこそ、幽霊をパッと消しちゃう何かないの!?」


万策尽きた。皆が思っていた。

しかし、ラリアンは何かに引っかかった。


「消す……。そうか!消せばいいのか!」


「?」


私とルイが首をかしげていると、ラリアンが私に杖を向けた。


「え?」


「生命操作!ユニット6453827死神を削除!」


どうやら、向けられていたのは私ではなく死神?のモンスターだったらしい。

何が起こったのかいまいちわからず、あっけに取られていると、ラリアンが近づいてきた。


「ナツメ、ありがとうな。助かったよ」


「あ、うう、ん?今の何?何して何が起こったの?」


「ああ。無事ここのボス、死神は倒したよ。ナツメの言葉のおかげでな。いくらかレベルが上がっているはずだ」


「そう?」


確認してみると、レベルが45になっていた。

あまりもの上がりように驚いたが、今はそれどころではない。


「いや、それはいいんだけど。何したの?」


「いやなに、ここのボスを消しただけさ。スキル《生命操作》でな」


「は?」

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