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自己紹介

ご覧いただきありがとうございます。

「私はローレッタ=プラットと申します。えっと...プラット...星系から来ました。よろしくお願いいたします。」(ぺこり)


私はなんとか無難に自己紹介を終えて席に戻った。

席に戻る途中、何人かの訝しげな表情が目に入った。


だよね。みんなプラット星系なんてところ、聞いたことないよね。


・・・余計なこと言うんじゃなかった。



私はちょっぴり不本意ながら無事に、王立宇宙軍士官学園に入学を果たした。

入学式を終えた今は所属クラスで初のHRの時間。定番の自己紹介中である。


学園はその名示す通り、テルース王国宇宙軍の未来の士官を育成するための学園である。

王国では教育が重要視されている。なので、この学園は国防の要と位置付けられている。


ここに通うことが出来るのは貴族だけではない。

平民も入学することが出来る。平民の場合は非常に難関とされている選抜試験を突破しなければならない。

調べてみると年に数1000名以上が受験し入学できるのは僅か50名程度だそうだ。ほんとに狭い。


私が平民だったら間違いなく入れていない。

貴族は紙切れ一枚なのに。


お父様が言っていた通りここに通う生徒の学費、寮費はすべて国費。つまり、税金で賄われている。

ここにいる4年間の学費、生活費は一切かからない。制服、教科書代、食事、その他もろもろの日用品、すべて込み。ただし、お小遣いは別。


生徒の中には高位貴族の子息令嬢も沢山居た。そういった人たち(お金持ち)は親が学園に多額の寄付を行っているそうだ。


例えば、これから自己紹介をしようとしている。シュヴァルベ=ユンカースのように。


(わたくし)はシュヴァルベ=ユンカースです。どうぞ、よろしくお願いいたします。」


シュヴァルベ様は王国でも知らない人がいない大貴族。ユンカース侯爵家のご令嬢。正真正銘の貴族のお姫様である。容姿端麗、成績優秀。私とは住む世界の異なる別次元の方だ。


王国には長らく公爵家が存在しない。公爵家は戦争ですべて絶えてしまったからだ。

そしてユンカース侯爵家は王国最古参にして戦争を耐え抜いた。今では国政にも深く関与しているそうだ。公爵叙爵も時間の問題だと言われている。


また、ユンカース家はユンカース・ホールディングスを筆頭に軍事分野における企業をいくつも傘下に収める。俗にいう死の商人でもあるのだ。


そんな大貴族のお姫様がどうしてこの学園に居るのかわからないけれど。まぁ、私には関係ないことだよね。


手短に自己紹介を済ませたシュヴァルベ様は美しく長いプラチナブロンドの髪をなびかせ堂々とした立ち振る舞いで自分の席に戻った。


その姿に誰もが感嘆のため息をついている。私とは大違いだ。


HRが終われば今日は終了である。授業は明日からだ。

しかし、私はまっすぐ寮には帰らない。帰れない。私にはやらなくてはならないことがある。


それは、王都は初めてでどこに何があるのか把握する必要があるのだ。重要なこととしては安くて美味しいお菓子を売っている場所とかである。


それはさておき、本当は。私の全荷物がトランク一つであること。今日中に足りないものの買い出しに行かなくてはならない。なんと!お金は学園支給である。すごい。


私はそそくさと帰宅準備を始める。と、そこに。


「ちょっと・・・いいかしら?」


「はい?私で・・・すか。」


振り返った先には私とは全く無縁である人物が立っていた。

ここまでお読みいただき有り難うございました。


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