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模擬戦2 不気味な空

ご覧いただきありがとうございます。


ルビ多めです。

模擬戦は滞りなく進んでいく。


トムとミリアの隊はとても健闘した。いいところまで行ったのになぁ。


勝手に耳に入った話によれば、今回使用された難易度決定システム(DDS)はシステムの更新が行われたばかりの最新式だそうだ。

判定難易度がいつもより()()()高めに設定されてしまっているらしい。


私、大丈夫かな…?

私はすぐにそんな考えをうち消すように頭を振った。ここまで来たら出来ることをするだけだ。集中し魔力を人形に行きわたらせていく。


そして、ついに私たちユンカース隊の順番が回ってきた。通信ウィンドウにシュヴァルベ様の顔が映し出される。


「各機、準備はいいかしら?」


シュヴァルベ様は隊員一人一人に声をかけていく。


「ローレ、あなたに背中を任せるわ。サポート、お願いね。」


「はい!」


私の返事にシュヴァルベ様は少し表情を柔らかくして頷く。すぐに表情を引き締めた。


「……よろしい。もう一度言うわ、摸擬戦だからと気を抜かないように。それでは。」


シュヴァルベ様は力強く発する。


「我に続け!ユンカース隊、出撃!」


「「「了解!」」」


隊長(シュヴァルベ様)の力強い掛け声とともに私たちは一斉に大空に飛びあがって行く。


私達の長い一日が始まった。



時同じくして、王都から距離にして南東2万5000キロ地点、王国防空隊所属、第21ミサイル基地では警報が鳴り響いた。


レッドアラート(発射警報)?一体どうした?誰か、状況を報告。」


赤く染まる指令室でオペレータが慌てた様子でコンソールを操作する。


コマンダー(基地指令)!第7から16サイロが起動!ランチ(発射)シークエンスが開始されています!」


「はぁ!?HQ(本部)からの命令は受けていないぞ!今すぐ止めろ!おい!どこからコントロール(ハッキング)されている!特定を急げ!それから、ターゲット(攻撃目標)はどこだ!?」


コマンド(命令)投入開始。ランチ強制停止を試行、リジェクト(拒否)エマージェンシー(システム強制停止)を試行、リジェクト。」


「やむおえん、発射されるよりはマシだ!タワー(発射塔)シャットダウン(閉鎖)、発射前にブースターをアポトーシス(自爆)させろ!」


「アポトーシスコマンド試行、リジェクト!ダメです!コマンドリジェクト(命令拒否)されました!」


「ぐぅ…ABM(迎撃ミサイル)だ!空で撃墜しろ。」


「ABMコントロール…オフライン(応答なし)。迎撃できません!」


「コマンダー!コントロール元が判明しました!」


「どこだ!」


「それが、その、王都内、DDSからコントロールされています…攻撃目標は…王都…です。」


「なん、だと…」



そして、ミサイルがすべて発射された。数1000万人が暮らす大都市、王都に向かって。



「ユンカース隊、模擬戦は中止だ。現在調査中だが、ほとんどの人形にリンクダウンシグナルが送られている。なぜか君たちの人形以外は動かなくなった。原因が判明するまで待機してくれ。」


急に人形から降りるように指示されたユンカース隊は、模擬戦会場のグラウンドで責任者の話を聞いていた。


(いったい、何があったのかな?人形が動かないってどういうこと?)


その時、空に不快な音が鳴り響く。もう何十年も鳴らされることがなかった不快な音。


「えっ、これって空襲、警報?」


私は空を仰ぎ見ながら呟く。


「誤報、かな?」


不快な空はどこまでも青く澄み渡っていた。

ここまでお読みいただき有り難うございました。


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