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ビンチ!

ご覧いただきありがとうございます。

「う〜ん。」


今は昼休み。


私は机に雑誌を広げて、うんうんと唸っていた。

私は今、絶体絶命のピンチに陥っているのだ。


なぜならば、家を出るときになんとか持ち出すことができたなけなしのお小遣いがそろそろ底をつきそう(お金が無い!)だからである!


そうなれば、1個10テルンのチョコレート(ご褒美)も100テルンのパックジュース(ご褒美)も買うことができなくなくなってしまうのだ!


これは!私にとって絶体絶命の大ピンチなのだ!


だから、私は昨日、学園帰りに王都で一番大きな本屋に寄った。そこで、無料のこれ(求人誌)を手に入れたのである!


何かいいアルバイトはないかと求人誌をペラペラとめくっていた私は、ある一文を見て目を丸くした。


(わわっ、これすごい!簡単って書いてあるのに!)


【急募!時給!1万5000テルン(1万8000円)!若い女性限定のアルバイト!とっても簡単なお仕事!】


さすが王都は都会なだけのことはある。プラット星系の最低賃金とは大違いだ。

全体的に求人数も多く、時給もいいものが多い。その中でも今見ている求人は時給が群を抜いていた。


(さすが王都(都会)だなぁ。スケール(時給)が違うよ。)


私はうんうんと頷きながら、求人に書かれている電話番号をピッと指差した。


(よし!これだ!決めた!これにする!)


私は早速、書かれている番号に連絡を取るため、鞄の中の携帯を探した。そうしていると。


「ローレ!なに見てんのよ。」


ミリアは後ろから首に腕を回しながら抱きついてくる。


「あ、ミリア。ブラックワーク(求人誌)だよ。アルバイトしようと思って。そうだ!ミリア!これ見てよ。このアルバイトすごいよ!ほら!」


「ん〜、どれどれ?ぇ、急募…1万………若い、女性……」


ミリアは手に持ったプラックワークから顔を上げるとなんとも言えない表情をした。


「ローレッタ。」


「え・・・?」


(なに?なんで、そんなに可哀想なものを見るような目なの?)


「ローレ、悪いことは言わないから、さ、こっちにしときなよ。」


と言って、違うページの求人を指差す。


【接客業 時給800テルン(960円) 安くて美味い宇宙食堂】


「ここなら学園にも近いし、昔からやってて私もよく知ってるところだからね。それに・・・さぁ。さっきのはきっとローレには難しいと思うんだよねー。いろいろ、ね。言いたいこと、わかるでしょ?ね?」


「あ、うん、そうだよね。だって、時給1万5000テルンだもんね!私なんかじゃ、きっと無理だよね。ありがと!ミリア!私、こっちにするよ。」


「そう!よかった!…まぁ…ローレだったら即採用だろうけどさぁ…ていうか…ローレを…私の目の届かないところに置いておけないわ…私が、守らないと…。」


「んー?ミリア。どうしたの?何か言った?あ、あった。それじゃ、応募の電話してくるね。」


私は鞄から探し当てた携帯を握りしめて廊下に向かった。


その日の放課後。アルバイトの面接を受けた私は、その日のうちに採用されたのである。


よーし、頑張って働くぞー!

ここまでお読みいただき有り難うございました。


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