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38 ソリューション

【おい、一気に体力が減ってるぞ、大丈夫か。】


 分かってるよ。って見えるの?そう言えばオークの時のシフト中にステータス見てたって言ったよね。スキル使えるの?スキルって使えない魔法もスキルが有れば使えるんだよね。だったらシフト中に魔法も使えるんじゃないの?


【でも、シフトしている時は『獲得経験値100倍』は機能してなかったぞ。】


 それ、アクティブなスキルなら使えてパッシブなスキルは使えないって事じゃないの?


【意味不明、理解できない。】


 後で教えるから、取敢えず『アブストラクト』で魔素回復して、できたら教えて。

 勇者は私を見てニヤついている。避けられる程度の攻撃しかしてこなくなった。


【魔素完全回復したぞ。『転移』が使える。全員で転移するぞ。アルを抱き起し怯えて後ずさる振りして彩芽と雪乃とみんなで抱き合って怯えている振りしろ。】


「アル、立って私の後ろへ。」


 言われたように、目を覚ましているアルを立たせた。そのまま怯えている振りをして雪乃たちの元へ攻撃を躱しながら後ずさる。


 にやけながら追い立てる気分を味わっているようで簡単にこちらの思惑通りに事が運んでいる。

 遂に、雪乃たちの元へ到着した。そして雪乃たちと抱き合い怯えた振りをする。

 頭の中で声が聞こえた【『転移』<『ホテル501号室』】


 視界がぶれた。目の前は501号室だった。


 どうやら助かった様だ・・・



 ――― 


「消えたぞ。おい、消えたぞ。どういうことだ。」


「どうやら転移の魔法を使ったようです。」細い筋肉質の勇者が答える。


「転移の魔法は高等魔法でかなりの魔力が必要だったはずだぞ。」


「はい、魔法は必要とする魔素と同じ魔力が必要ですからね。つまり『転移』には300mp以上の魔素が必要ですから300以上の魔力が無いと発動できません。人類の最高値が200程度です。我々もまだ使えません。」


「何らかの魔道具かアーティファクトを使ったのではないでしょうか。」


「王である儂がこれから楽しもうと期待に胸を膨らませていたのに…あいつら許さないぞ。わしの楽しみを奪ったヤツは皆殺しだ。」


「王様、醜悪です。そもそもこちらが悪い訳ですし。」と細マッチョ。


「王様、捜索しながら転移できなくさせる方法を模索したうえで一気に捕縛すべきかもしれません。若しくは転移に使ったアーティファクトや魔道具をそれほど多く所持しているとは思えませんので不要かもしれません。お楽しみはその後に取って置きましょう。」リーダーが答えた。


「王様早急に見つけ出し、殺してしまいましょう。ターニャがこの政権を転覆させ王座を奪回する可能性も残っています。」第二王女は少々鬱陶(うっとう)しくなってきたな。


「分かっている、儂が王でお前が王妃だ、アリエノール。それは揺るがないぞ。見つけ出して抹殺しよう。んー、やっぱりもったいないな。性奴隷にしよう。」


「そこは抹殺して下さい、陛下。」


 もう第二王女は用済みだな。ま、権威の象徴として置いておくか。突然、臣下が王になっても国民が納得しないだろう。国民が俺を王として納得したら病死でもしてもらおうか。


「となると最初から逃げるつもりでアーティファファクトを持ってきたか、後から来た勇者が救出のために持ってきたかだな。どっちでも良いが。行き先が分からないのなら今日はクーデターの処理をするぞ。元の王は何処にいる。」


「地下牢に閉じ込めました。王女と王子も一緒です。」


「勇者諸君、良くやってくれた、君たちには約束しておいた大臣の地位と領土を与えよう。」


「ありがとうございます。」


「第三王女はどうしますか。」


「第三王女?」


「シャルロットです。現在セネルランド王国の王都タメラムトへ留学しています。」第二王女が答える。


「それなら、まず俺が味見だな。堪能した後でお前たちにも味合わせてやる。」


「いえ、そう言う事ではなくて・・」


「そうか?それならクーデターが知られる前に元王の振りをして呼び戻せ。理由は王妃が病気でも良いし、死んだことにしても良い。もし断れば逮捕して連行しろ。」


「罪名はどうしますか。」


「外国にいるのだから、外患誘致だな。外国でこの国への謀反を行う事を計画していたとして逮捕連行しろ。」


「大丈夫でしょうか、そもそも王女が自分の親の国に対して謀反を起こそうとしていたのであれば,その国が消滅している現状では逮捕理由が無くなるのではないでしょうか。彼女を逮捕できるのなら、その前に我々が逮捕されるという事になります。とすれば国家に連続性が無いものとする必要があります。連続性が無いのであれば彼女の逮捕理由が無くなりますが、新たな法を遡及させて逮捕しますか。しかし、それでは行為後の法によって予期したものとは異なる効果を与えることになり法律関係を混乱させ社会生活が不安定なものとなります。つまり不遡及の原則に反する事になります。」


「だったら、この私の王権に対する謀反だな。今日クーデターの事実を知った王女が謀反を計画したという事にしろ。捕縛人が到着する頃にはちょうどいいだろう。」


「少々無理がありますが、よその国の事にはそれほど言えないでしょう。承知致しました、陛下。」




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