24 再会
依頼達成の報告の為に冒険者ギルドまで来た。辺りは夜の帳に支配され街の喧騒はすでに過去の物になっていた。カウンターまで来ると受付嬢はいつもの辛辣受付嬢だった。
「依頼達成の報告に来ました。これが証拠の右耳です。」
「承りました。それから王城から盗賊退治の報奨金がお二人に出てます。また盗賊退治をされたそうですね。メインウエポンの『色仕掛け』のレベルも順調に上がってきているようで結構な事ですね(* ̄ ̄ ̄ ̄ー ̄ ̄ ̄ ̄)フッ」
コイツキライ(T_T)
よく見ると受付嬢はやはり貧乳だった。アルが言うように、優しさを蓄えられないのだろう。だったら仕方が無いか。俺は少し心が広くなった気がした。
しかし、もうトラウマだな。病名は『貧乳恐怖症』だな。
「 ┐( ̄ヘ ̄)┌ ヤレヤレ・・・ 」
アルはやれやれと言った顔してる。アメリカ人の様にポーズまで付けてるし。
次の日もアルと二人で狩りに出て来た。兎に角、何でも狩ってレベルを上げる。
最初にホーンラビットを見つけた。『剣術』スキルの効果が出て来たのか直ぐに狩れた。
するとレベルが上がった。
長かった(T_T)。ここまで長かった。盗賊50人超。ゴブリン二匹。その他小物色々狩った。
ついにレベルが上がった。
アルも喜んでくれた、少しは。顔は笑顔ではなかったが・・
こんなに倒してやっとレベルが2になった。本当に長かった。これでやっと攻撃魔法が使えるようになった。
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名前 : ターニャ
性別 : 女性
体力量: 36/36
魔素量: 40/40
物理攻撃力:4
物理防御力:3
敏速 :5
魔力 :∞
魔法防御力:8
幸運 :18
ユニークスキル 『亜空間収納』『ぐるぐる異世界』Lv1『アブストラクト』Lv1
スキル 『鑑定』Lv1『剣術』Lv1
※ユニークスキルとパッシブスキルにスキルポイントは不要。
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魔素量が40mpになった。単純な攻撃魔法なら2回使えるようになった。生活魔法も使える。これで冒険が行い易くなった、ほんの少しだけど。
この後魔物を狩りまくった。ホーンラビットだけど。魔法は二回しか使えなかったので後は剣で狩りまくった。ゴブリンもレベルアップと『剣術』Lv1のお陰で以前より余裕を持って狩れるようになった。『剣術』が無ければステータスがゴブリンとあまり変わらないから『剣術』の影響は大きいのかも知れない。
狩りを終えギルドへ向かう途中武器屋へ立ち寄ることにした。
「あなたの魔素量もっと増やさないと今後厳しいわ。」
アルが渋い顔で忠告してくれる。
「分かっているけどどうすれば良いのか・・。」
「魔素を枯渇するまで使う事ね。この杖がいいかも知れないわ。杖についている魔石に魔素を溜めることができるし、それを使う事もできるわ。魔素が枯渇するまで魔石に魔素を溜める事で魔素量も増えるわ。」
『鑑定』Lv1で見ると確かに魔素を溜めることが出来る、更に戦闘時に使用できる様だ。貯蓄魔素限界量は60mpだ。最低威力の攻撃魔法は魔素を20mp使用するので3回分しか使えない。にも拘らず20万ゴールドだ。費用対効果が低すぎる気がするが、そんなものなのだろうか。
店員を呼んで聞いてみることにした。
「いらっしゃいませ。」目が合うと店員は目を大きく見開き動きを止め俺を凝視する。
「ようこそいらっしゃいました。ターニャ様。本日はどのような御用でしょうか。」
「あ、それ勘違いよ。彼女良く間違えられるのよ、そのターニャって人に。彼女未だこの国に来たばかりだから。」アルが説明してくれる。助かるよ。違うと言えば嘘になるという事は判る。
「承知致しております。イサドヌイン会長から承っておりますので。」
「あー、なるほど。ところで、この杖が欲しいんですが安くなりませんか。」
「何を仰いますか、もっと良いお品が御座います。少々お待ちくださいませ。」と言いながら奥へ戻って行った。
数分後戻って来た、どうやら店員ではなく店主の様だ。
「こちらで御座います。これは200mp分の魔素を蓄え、更に使用することができます。」
「無理無理、高すぎますよ。60mpで20万ならこれは60万ゴールド位ですか。」
「大丈夫ですよ。何時もの如く御父上に付けておきますので。」
父上?誰?
「いえ、現金で支払いたいのですが。」
「承知いたしました。ではこちらの杖を20万ゴールドで結構でございます。」
「本当ですか?ありがとうございます。」
「いえいえ。でも本当に魔法が使える様になられたのですね。これで訓練詰んで体内保有魔素量の絶対値を上げてください。これで戦略が豊富になりますね。ところで未だ『聖剣』グラムはお持ちですか。いつか不要になりましたら宜しくお願い致します。」
「シーッ!小声で!なぜ、そのことを知っているんですか?」丁度アルが聞いてなくて良かった。
「え?有名ですよ。多分王都で、と言うより国中で知らない者はいないのでは?小声で話すだけ無駄ですよ。」
「ソ、ソウナンデスカ?」この剣はもともとターニャのだったのだろうか。それを盗賊が拾った?
「ところで、極小のアイテムボックスありますか?」
「えー、御座いますとも。指輪型の極小サイズが30万ゴールドですが10万ゴールドで結構ですよ。」
指輪に空間魔法を付与した魔石が取り付けられたものだった。
総額30万ゴールドを支払い武器屋を後にした。
武器屋で時間がかかり過ぎた。既に日は沈み辺りを闇が支配していた。人々は家路へと急ぎ姿を潜め、ただ夜の街を楽しむ男どもと楽しませる女どもが闊歩するだけだった。
ギルドへ到着した。既に夕方の納品の行列は鳴りを潜め閑散とし始めたギルドのロビーが有るだけだった。対照的に隣の酒場は賑やかさを増しき異世界ヒャハーが勢力を増していく。
俺達は買取カウンターへ行き買取をお願いしていた。
すると入り口付近が騒がしくなってきた。
「おい、勇者の集団だ。」
「本当か?初めて見たぞ。」
「最近召喚されたらしいぞ。夕方毎日素材を納品しに来てるそうだ。」
冒険者が口々に噂をしている勇者が俺たちの後ろに並んで来る。そこに見覚えのある顔があった。
橘だった。
あの日バスから忽然と姿を消した橘の姿がそこにあった。
とにかくターニャの事を知っている人間が沢山いるのに周りに俺とターニャの事情を悟られるのはまずい。橘には二人っきりで事情を打ち明けよう。
「橘さんですよね。」
「あれ?誰かに似てませんか?王室の関係者の方ですか?」
「いえ、そんな大層な者ではありません。少々お話宜しいでしょうか。」できる限り丁寧に言った。信頼してもらえるように。
「では、素材を卸した後でよろしいでしょうか。」
「では、外のカフェでお待ちしてます。」




