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4やめてー助けてー殺されるー

 人間には4つの首がある。首、手首、足首、そして乳首。○リ首入れれば5じゃんと思った君は俺と同類ですね。つまり俺は今、3つの首を枷によって大層ご立派な椅子に拘束されているわけで。

 

 部屋の入り口から真っ直ぐに伸びた、赤いビロードの絨毯の先にある、階段を数段上がった立派な椅子。謁見の間に相応しい豪奢な玉座。座った途端に絡繰が作動し、椅子から枷が飛び出し、いい感じに俺を拘束しやがった。

 

 「やめてー助けてー殺されるー」

 コレ知ってる。電気椅子ってやつだよきっと。ヤバイよ、ヤバイよ!!

 

 「はぁ、わし本当にこいつ殺したい」

 隣でロリっ娘の巫女っちが、苦虫を噛み潰したような嫌悪感を顔に貼り付かせ、俺を見下ろす。

 

 「ダイシ様、すみません。大いなる力を確実に御身へ宿す為の処置でございます。決して痛みを与えるような事は致しませんのでご安心を」

 少し離れた場所で微笑みという無表情でこちらを見つめるジョロッチ。

 

 「嘘だー巫女っちは俺に痛い事するんだー!!たっけてジョロッチー!!」

 

 バチーンッ

 痛い。巫女っちに張られた。

 

 「やかましい!!静かにしろっ!!」

 

 「ぶったね、父さんにもぶ…」たれたことあったわ。

 また、叩かれると嫌だから大人しくしとこう。

 

 「わし、こんなに嫌な気分で儀式を行うの初めてじゃ」

 溜息と共に俺の頭に両手を置く。

 

 俺は巫女っちの初めてを奪った男だね。なんて言うとまた怒られるから自重する。勉強した。

 

 巫女っちは目を閉じムニャムニャとお経(比喩)を唱える。椅子に座った俺の目線はちょうど巫女っちの胸の辺りだ。微かな膨らみが成長と共に俺好みの巨乳になっても、巫女っちじゃ嫌だなぁと、よこしまな思いに耽っていたその時。

 

 ZGAAAAAAAAANNN!!

 轟音が轟き、視界が真っ白になった。

 

 「きゃーーーーーーーーーーっ!!」

 しこたま驚いた俺は悲鳴をあげる。

 

 あれ?痛くない。真っ白に覆われた視界が、次第に色を取り戻していく。

 

 「ほれ、終わったぞ。とっと帰れ」

 つれない巫女っち。

 

 枷を解かれ、椅子から立ち上がる。俺は右の掌を見つめ、今までに感じたことの無い、漲る力が全身を覆っている事に呆然とする。

 

 コレが大いなる力ってやつか。

 

 「フハハハハ。震えるぞ○ート。燃え尽きるほどヒー○!! 刻むぞ!!血液のビ○ト!! 山吹き色の○紋疾走!! ( サンラ○トイエローオーバー○ライブ!!)」

 叫ぶと同時に左腕が半円を描き、頭上へ握り拳を振り上げる。

 

 ドガーン!!

 

 何か出た。俺の波紋が疾走した。

 振り上げた左腕から半月状の気円斬が飛び出し、先にある入り口付近を半壊させた。

 

 「何しとんじゃ、おどれりゃぁぁ!!」

 ドゴッ!!

 ダンッ!!

 喧嘩キックでふっ飛ばされ、壁に叩き付けられた。

 アレ?痛くない。

 スゴイ、スゴイよこれ!!

 

 「フハハハハ、最高にハイってやつだ!!」

 俺の高揚感よそに二人は白々しい視線を向けてくる。

 

 ん?これってもしかして飛べるんじゃね?

 俺はギュッと拳を握り、飛ぶイメージと共に身体に力を巡らせる。

 

 感じる重力が軽くなり、フワリと浮かんだ。

 やった!成功だ!

 

 と思ったが、四肢をダラリと下げフヨフヨと宙に漂うだけだった。でも飛べた!

 「やったよジョロッチ。俺も飛べたよ」

 手を振り喜ぶ俺にジョロッチは憐憫の表情で、パチパチと手を叩く。

 

 そのまま漂い巫女っちの近くで力を抜き、降り立つ。

 

 「ありがとう、巫女っち。俺、この力で世界を救うよ」

 巫女っちの肩にポンと手を乗せ、お礼を伝える。

 

 「はぁ?お前そんなんで何か出来ると思っとるの?」

 思い切り馬鹿にされた。

 

 優しいジョロッチがフォローしてくれる。

 「ダイシ様、今はまだ力を宿しただけですから、今後訓練を行い、力の使い方を修得して頂きますので」

 

 そういう事か。

 「分かったよジョロッチ。君のために頑張るよ」

 親指を立て爽やかに答える。

 

 「分かったなら、とっとと帰れ。二度と来るな」

 巫女っちの悪態にも俺の心はさざ波すら立たない。

 俺は成長したのだ。

 

 「それでは巫女神様、失礼いたします」

 「うむ、大変だろうが頑張るのじゃぞ。ジョロバケット」

 

 「じゃあね。巫女っち」

 「うっさい。はよ去ね、ボケ」

 

 別れを告げ、俺はジョロッチに抱きかかえられ空路で帰路につく。

 

 あああああああああ、やっぱダメだ。

 行きと一緒だ。力を授かっても俺の息子はボディービルダー。

 

 「ジョロッチ…またおっきしちゃった」

 「うう、知りません」

 「何かさヘルスじゃないや、娼館みたいなとこないの?」

 「帝都の色街にサキュバスのお店ならありますが」

 照れながらも仕方なく教えてくれる。

 

 「じゃあさソコ連れてってよ。何かちょっと俺ヤバイっす。あ、でもお金持ってないから」

 「分かりました。代金は心配しないで下さい」

 「ありがとう。何かごめんね」

 

 

 ✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟

 

 

 諸君。君達は人間の同士で満足かね。いや、知らぬが仏という言葉もあるからな。知らないほうがよかろう。

 何がだって?そりゃサキュバスちゃん達の具合ですよ。

 あれは人間じゃ出来ないね。手からも足からも精気を吸われる時の気持ちよさ。脳髄から痺れる快感ですよ。

 

 今日は3人のサキュバスを相手取り、めくるめく悦楽の世界。いやーコレを感じ味わうだけでも異世界に来たかいがあるってもんだよ。事後のこの清涼感。視界がクッキリ開けて、いま視力検査したら5.0とかあるんじゃないのって感じ。ああ、世界ってこんなにも美しかったんだね。

 

 と、一人で感想戦をしているとジョロッチが迎えに来た。抱えられ帝城へ戻る。

 

 「ありがとうねジョロッチ。スッキリしたよ」

 「それは良かったですね」

 口調からヤレヤレといった感じを受ける。

 

  ん?おかしいな?スッキリしたはずなのに。またマイサンがおっきしてるお。

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