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■第235話 ジャングルの光編 五人バラバラ大冒険!

バラバラに進め。その方が目立たない。

五つの道に、五つの出会いが待っていた。

そして三日後、全員が集合した。


■ ばらばらに進む

獣道のような、何となく道になっているところを一行は進んだ。暗視スコープを装着し、暗闇の中をひたすら歩く。木の根を避け、蔦をかき分け、一歩一歩前へ進んでいく。丸一日、無我夢中で進んだ。疲労が限界に達した頃、一行は開けた場所を見つけて野宿した。火はおこさず、冷たい食事を済ませると、すぐに眠りについた。

翌朝、朝日がジャングルに差し込んできた。さくやが提案した。「ばらばらに進もう。その方がきっと目立たない」「どう分ける?」ラーシュが尋ねた。「ラーシュは川沿いを、その横をエレナ、真ん中を私、その横をレイナ、一番ジャングルの奥がユーリ」「了解!」一同が頷いた。

エレナがパッドの地図を示した。「皆さんの地図に目的地を入力しています。それを目印に進んでください。直線ならば一日の距離ですが、ジャングル内であること、追手を巻くことが、ばらばらに行動する目的です」「了解!」

五十人は散会し、各自で集合場所を目指した。


■ ラーシュ——川沿いの漁師

ラーシュはまず川を目指した。川の流れる音が心地よい。時折、魚が跳ねる音が聞こえる。警戒しながら進んでいく。

昼過ぎ、川辺で休憩していると、上流から小さな舟が流れてきた。舟には、褐色の肌をした漁師が乗っている。網を手に、魚を探しているようだ。ラーシュが手を上げると、漁師が舟を寄せてきた。「お前たち、どこへ行く?」「上流だ」「上流か……遠いぞ」漁師がラーシュたちを見て、少し考えた。「俺たちも上流へ行く。乗るか?」「助かる」

舟に乗せてもらった。漁師が巧みに竿を操り、川を遡上していく。「お前たち、変わってるな。こんな小さいのに、盾を背負って」「戦士だからな」「ガハハ!面白い!」漁師が豪快に笑った。川の流れを読む技術が凄かった。まるで川と対話してるみたいだった。


■ エレナ——知識の交換

エレナは目的地までの動線案をいくつも話し合いながら進んだ。「このルートなら、地形的に有利です」「いえ、こちらの方が時間効率が良いでしょう」「では、両方のメリットを取り入れて……」理論的に最善のルートを導き出していく。

途中、ジャングルの奥で槍を持った戦士たちと遭遇した。戦士たちが警戒して槍を構える。「待ってください。私たちは敵ではありません。このジャングルの地形について、データを収集しているんです。あなたたちは、この辺りに詳しいですか?」エレナが冷静に説明した。

戦士たちが顔を見合わせた。「データ?収集?」「はい。例えば、この先の地形はどうなっていますか?川はありますか?崖は?」エレナが質問すると、戦士たちは興味を持ち始めた。「お前たち、賢いな」「俺たちも、お前たちから学びたい」戦士たちは、エレナたちを護衛することにした。知識の交換という、新しい形の協力関係だった。


■ さくや——川に流される

さくやは小川に流されていた。「うわぁぁぁ!」足を滑らせて川に落ち、流されている。「あかん、流れが速い!」「あ、あそこに岩が!」何とか岩に掴まり、全員で岸に這い上がった。ずぶ濡れになりながらも、笑い合う。「ほんま、ドジやな私ら」

その時、木の陰から声がした。「ガハハ!お前たち、面白いな!」仮面を被ったいかつい者たちが現れた。体は筋肉質で、全身に模様が描かれている。森の民だ。「川に流されるとは!ガハハ!」「笑わんといてや……」さくやが恥ずかしそうに言うと、森の民がさらに笑った。「いや、面白い!お前たち、どこへ行く?」「上流や」「上流か。俺たちも同じ方向だ。一緒に行こう!」

森の民は、さくやたちを気に入ったようだ。「お前たち、小さいのに元気だな!」「そら、元気だけが取り柄やからな!」「ガハハ!いいやつらだ!」森の民とさくやたちは、すぐに打ち解けた。わいわいと話しながら、ジャングルを進んでいく。


■ レイナ——神の使い

レイナは一旦進むのをやめ、祈っていた。「神様、どうか我々を正しい道へとお導きください」祈りが終わると、不思議なことに、進むべき道が見えたような気がした。迷いなく、その方向へと歩き始めた。

しばらく歩くと、小さな村が見えてきた。同じくらいの身長の者たちが暮らしている。村の者たちが、レイナたちを見て驚いた。「おお……」「神の使いだ……」跪いた。レイナは戸惑った。「いえ、私たちは普通の旅人です……」「いや、あなた方は祈りを捧げていた。神聖な存在だ」「我々は信心深い民族です。神の使いが現れるという言い伝えがあります。小さきもので、祈りを捧げる者たち」「それは……」「あなた方です。我々と共に来てください」

結局、レイナたちは神輿に乗せられ、村の者たちに担がれて進むことになった。「神様、これで良いのでしょうか……」レイナは小さく祈りながら、神輿に揺られていた。


■ ユーリ——キウイに乗る

ユーリはわくわくしながら進んでいた。ジャングルの奥は、未知の世界だ。見たこともない植物、聞いたこともない鳥の鳴き声。すべてが新鮮で、心が躍る。

その時、草むらから何かが飛び出してきた。大きな鳥だ。いや、飛べない鳥——キウイだ。体長は一メートルほどもある巨大なキウイが、十羽ほど現れた。「おお……」ユーリが目を輝かせた。キウイたちは、ユーリたちを見て首を傾げた。敵意はないようだ。

ユーリがゆっくりと近づいた。「よしよし、いい子だな」キウイの頭を撫でると、キウイが嬉しそうに鳴いた。「お前ら、俺たちを乗せてくれないか?」ユーリがキウイの背中に乗ろうとすると、キウイは抵抗しなかった。むしろ、背中を低くして乗りやすくしてくれた。「よし!行くぞ!」キウイたちが一斉に走り出した。「速い!めちゃくちゃ速い!」風を切る感覚が気持ちいい。ジャングルの木々が後ろへ流れていく。「最高だ!」ユーリが叫んだ。


■ 三日後——集合

三日後——一同は目的地に集合した。少し開けた場所に、一人、また一人と姿を現す。

最初に着いたのはユーリだった。キウイから降りて、他のメンバーを待つ。次にエレナが、戦闘民族と共に到着した。ラーシュが舟から降りてきた。さくやが森の民と笑いながら到着した。最後にレイナが、神輿に乗って到着した。

「お疲れ様でした」「無事で何よりや」一同が再会を喜んだ。

一緒に旅した者たちに別れを告げた。漁師たちが手を振り、舟で川を下っていった。戦闘民族が敬礼をして、ジャングルに消えていった。森の民が仮面を外して笑い、手を振った。レイナを担いでいた者たちが、深々と頭を下げて去っていった。キウイたちは、ユーリの頭を優しくつついてから、ジャングルの奥へと走り去った。


■焚き火を囲んで——それぞれの冒険談

その夜、焚き火を囲んで、各自が出会いを語った。

「俺、川で漁師に舟に乗せてもらったんだ。川の流れを読む技術が凄かった。まるで川と対話してるみたいだったな」ラーシュが笑った。「私は、理論的な話をしたら護衛してもらいました。知識の交換という形で協力できました」エレナが照れくさそうに言った。「私、川に落ちてな、森の民に助けられたんや。めちゃくちゃ笑われたけど」さくやが苦笑した。「でも、仮面の下の顔、見たかったな」「私は……神の使いだと思われてしまいまして……」レイナが恥ずかしそうに言った。「神輿、本当に丁寧に扱っていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです」「俺、キウイに乗ったぞ!めちゃくちゃ速かった!最初は警戒されたけど、撫でたら懐いてくれてな」ユーリが興奮気味に話した。

一同が大笑いした。それぞれが、それぞれの旅をしてきた。そして、無事に再会できた。

「でも、みんな無事で良かったな」ラーシュがぶっきらぼうに言った。「ほんまやな。バラバラに行動して、それぞれが助けられたんや」さくやが頷いた。「また会えるといいな、あいつら」ユーリが空を見上げた。

焚き火を囲む小さきものたちの笑い声が、ジャングルの夜に響いていた。




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