■第217話 遥かなる光編 別れと旅立ち、そして約束の帰還
空は広く、道は分かれる。
それでも向かう先は、同じ光だ。
また会おう——その言葉だけを、胸に持って。
■基地のような船着き場
本隊が到着してから数日。
重機も搭載されていた船のおかげで、浚渫工事が一気に進んだ。
川底の土砂が、みるみる取り除かれていく。
「この重機、便利でござるな!」
ジュウベェが感心する。
船着き場の近くに、飛行船の着陸場も整備された。
川沿いを飛べば、村の近くまで直接来られるようになった。
さくや隊の飛行船、マケダの飛行船、シャドウの飛行船。
三機が並ぶ。
大型船、飛行船、倉庫、宿舎。
「ちょっとした基地みたいやな」
さくやが呟く。
■ドクロボタン
マケダがさくやのもとに来た。
「爆音社長から連絡があったよ」
「何て?」
「船一杯に積んだら帰って来いって。それと——何かあったら船のドクロボタン押せって」
「ドクロボタン?」
マケダが船のブリッジを指差す。
赤いボタン。ドクロマークが描かれている。
さくやが遠い目をした。
「……前に押した時、無人島が一瞬で吹き飛んだんやけどな」
「え?」
「せやから絶対に押したらあかん」
さくやが真剣な顔になる。
「絶体絶命の時だけや。お気楽に押したら、えらいことになる」
「……怖いボタンだね」
「怖いボタンや」
■シャドウの決意
その時、シャドウたちが駆けてきた。
「さくや」
「どうした?」
「竹林の西を探索に出る。カイザーの追っ手が来ないか、確認したい」
「危険やないか?」
「忍者の仕事だ。それに——村に迷惑はかけられない」
シュウメイが前に出る。
「必ず帰ってくるアルよ!もうここはシャドウの村でもアルよ!」
シャドウたちが、静かに涙を流した。
「……ありがとう」
■荷造り
数日後。
運搬作業は軌道に乗っていた。
「この調子なら、予定より早く終わるでござる!」
ジュウベェが報告する。
「ありがとう。後は任せたで」
さくやが頷く。
「レイナ、エレナ、ユーリ、ラーシュ!次の発掘場所に行くで!」
各自、荷物をまとめ始める。
さくやが地図を確認する。
エレナが測定装置を調整する。
レイナが祈りの姿勢を取る。
「神様のご加護を……旅が安全でありますように」
ユーリが弓の弦を確認する。
ラーシュが斧と盾を背負う。
シュウメイたちが駆けてくる。
「さくやたち、行くアルか?」
「ああ、もうすぐや」
「寂しくなるアル……」
「また戻ってくるで。ここは私らの村でもあるからな」
シュウメイたちが笑顔を見せる。
「待ってるアル!」
■広場での別れ
広場に、全員が集まった。
シャドウたちも、旅の準備を整えている。
「シャドウたちも、同じ日に出るんか」
「ああ。西へ向かう」
シャドウのリーダー格が続ける。
「追っ手が来たら、すぐに知らせる」
パンダたちが、シャドウに頭を下げる。
無言で。
深々と。
「パンダ師匠……」
シャドウたちも頭を下げる。
大虎が小さく吠える。
巨大イノシシが「ブモ」と鳴く。
「……みんな、ありがとう」
■旅立ち
船着き場。
マケダたちと侍たちが見送りに来ていた。
「それでは、行って来ます!」
さくやが手を振る。
「ご安全に!」
マケダが笑顔で応える。
「さくや殿、必ず次の光鉱石を見つけるでござるよ!」
ジュウベェが刀を掲げる。
「任せとき!」
飛行船が浮き上がる。
霧を抜ける。
青空が広がる。
竹林では——
シャドウたちが、西へと歩き出していた。
黒い影が、森の中に消える。
村に残ったマケダたちと侍たち、シュウメイたち、パンダたち、大虎、巨大イノシシ。
「寂しくなったでござるな」
「でもまた会えるアル!」
「そうでござるな。必ず」
飛行船の中。
さくやが窓の外を見つめる。
「次はどんな場所やろな」
「楽しみですね」
エレナが微笑む。
「神様の導きがありますように」
レイナが祈る。
「何が待ってても、大丈夫だ」
ラーシュが前を向く。
「ああ」
ユーリが頷く。
また会おう——その約束を胸に。
旅は、続く。
#小説 #ショートショート #ファンタジー #創作 #冒険 #探検 #旅 #ほっこり #キャラクター小説 #読書好きと繋がりたい




