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36 何気無い一日

昨日は投稿出来なくて、申し訳ないです。

なるべく、毎日投稿を目標に頑張りますので、よろしくお願いいたします。

 この間まで、暑いのは昼からだけだったのに、最近は朝から暑い。

 暑いからと言って、薬草採取の仕事は待ってくれない。薬効が高くなる最適な時期に採らねばならないからだ。


 ウールスの怪我はかなり良くなったとは言え、まだまだ本調子では無いので、ノアの森への採取に、フルアも一緒に行くことになった。


「こまめに休憩は取るが、疲れたらすぐに言えよ。それから、水を入れた瓶も忘れない様に」


「ハイ。持ってます。ちゃんと樹液とハビーガ蜜のキャンディーも入れました」


 そう言いながら、フルアはふと前世の水筒を思い出した。マジックバッグがあるから良いものの、水を入れた瓶は結構な重さなのだ。


 割れにくいように、厚く作った瓶だけでも重いのに、その中に水をたっぷり入れるとずっしりとした重さになる。


 『前世の水筒を作るのは難しいよね。でも、この瓶重いだけじゃなくて、飲みにくいからなぁ。考え付かないかなぁ』


 2人と1匹でノアの森に向かいながら、フルアはずっと考えていた。


 汗をかきながら2人で薬草を採っていく。


 目的の薬草を採り終え、2人で水を飲んでいたら、ピシィはどこかでベリーを採ったのか、口に咥えて戻って来た。


 《これを食べたら、疲れが取れるよ。2人で食べなよ》


「ありがとう、ピシィ。いただくわね。ピシィは、魔力を食べてね」

 そう言って、ピシィには魔力を与えた。


「師匠、ピシィがこれを食べたら、疲れが取れるからどうぞって持ってきてくれました」


「あー、それはベリークイーンだな。疲れは取れるが酸っぱいぞ。覚悟して食べろよ」

 ウールスは、口の端を上げて、フルアに教えた。


「師匠は、食べないんですか?せっかく持ってきてくれたのに」


「うぅ…では一粒だけ…酸っぱいの苦手なんだよなぁ」


 ウールスの独り言は、誰にも聞こえていなかったようだ。


「「すっぱい」」


 かなり酸っぱい果物だ。だが、一粒食べただけでも、不思議な事に疲労感が治まってきた。


 フルアは、酸っぱさに強いようで、もう一粒食べていた。


「フルアは、酸っぱく無いのか?すごいな2粒も、食べられるなんて」


「酸っぱいですけど、何でかわからないんですが、食べたら、もう一つ食べたくなるんですよ」


「そうなのか。食べられるなら食べといた方が良い。食べるほど、疲労が取れるからな」




 思ってたより採取に手間取ったのか、戻るのが遅くなってしまった。

 慌てて、食事の用意をした。


 パンに、葉物野菜とコッケイ肉を焼いたものを挟んだものは、ウールスの好物だ。

 それと、ジャガイモのスープ。これを冷やして食べると、暑い時でも喉を通りやすいのだ。


 ピシィが採ってきてくれた、ベリークイーンは入れ物に入れ、ハビーガ蜜を塗しておいた。どうやら、ウールスは酸っぱい物が苦手な様だから、少しでも食べやすくなれば良いかと思ったのだ。ふと、思いつきハビーガ蜜とベリークイーンを、カップの底に入れて水を注ぎ、魔法で作った氷を浮かべた。少し味見をしてみると、酸っぱさが和らぎ、甘酸っぱく口当たりの良いジュースになった。

 木のカップに入れているから、色がわかりにくいが、ガラスのグラスなら見た目も華やかで綺麗だっただろう。


 『カップは木なのに、水筒はガラスなのよね〜』


 木のカップに中々外れない蓋を付ければ、重くない水筒が出来上がるんじゃ無いかと思ったが、外れない蓋を作るのは難しい。何でも簡単には考え付かないなと、フルアは、小さなため息をついた。


 ちなみに、ベリークイーンとハビーガ蜜のジュースは、ウールスが喜んだ。甘酸っぱい位なら、美味しいらしい。しかし、そのまま食べるより疲労回復度は落ちたようだ。


 「そのままだと、食べるのが辛いから、全然問題ない。量をとれば同じだ。しかも美味いからな」


 ウールスには好評だった。


 食後でゆっくりしているこの時に、先ほど考えていた水筒の事を、ウールスに相談する事にした。


 「師匠、水を持ち歩く瓶って重いですよね。私はマジックバッグに入れるから、重くはないですが。で、蓋以外を、このカップみたいな木で作って、外れにくい蓋を考えて作れば、今よりも軽く持ち運びしやすいかと思ったんですが、どうでしょう。でも、まだ蓋をどうやって作ったらいいのか、わからないんですが」


 「あぁ、この鋼の木なら水にも強いし、良いだろうな。外れにくい蓋を考えるのは難しいな。同じ木なら、水が漏れる。水が漏れない何かを思いついたら、やってみるといいぞ」


 違う素材…


 フルアは、何かを思いつきそうだったが、出てこない。

 そういう時は、頭の片隅にこの事を置いておき、違う事をする方が良い案が浮かんだりするものだ。


 「師匠、もっとよく考えてみます」


 そう言って、2人は薬草の仕分けと、処理をする事にした。


 「すぐに考え付かなくたって、良いんだぞ。心に止めて置いたら、いつかは思いつく時が来る。その時に、作れば良いんだ」


 ウールスが、仕分けながらそう言った。


 「そうですね。ありがとうございます。のんびり考える事にします」

 

 フルアも、笑って答えた。


 そうだ、急ぐ事なんて何もない。


 こうやって作れたら良いな、っていうのがたくさん出来たら、頭の中に眠らせて、思いついたら形にすれば良いだけなんだ。


 何気ない話をしながらも、フルアの心にゆとりを持たせてくれた師匠に感謝した。

 

 

 


 

最後まで読んでくださってありがとうございました。


感謝しています。

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