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32 そして、3人でノアの森へ…

この話を読んでくださる皆様方に感謝いたします。

ありがとうございます。

 ウールスは、思案していた。


 今回の薬草採取は、死にかけたものの良い値段で売れた。当分働かなくても、食べていける程に。

 しかし、薬草は生える時期というものがあるから、それぞれ最適な時期に採取したい。

 問題は、あの濃い魔素だ。

 

 なぜ追いかけて来た?


 今まで、そんな話は聞いた事が無い。ギルドの者に聞いても、追いかけられた者はいなかった…

 それがわからない事には、フルアを連れては行けない。それに…俺だってまだ万全じゃない。顎と両腕は、あの奇跡の薬で治ったが、腹と両足はメディカさんの塗り薬で治してる所だ。まだまだ、痛みが残っている。こんな状態じゃ、何かあった時に助けきれなかったら、後悔するのが目に見えてる。


 どうしたもんだ…


 

 突然、勢い良くドアが開いたので、考えに耽っていたウールスは、驚き声を上げた。


 「うわっ!じいちゃん。そんなに慌ててどうしたんだ?」


 「どうしたじゃないよ。ウールスが死にかけて大怪我をしたって聞いたから…どこを怪我したんだ?じいちゃんに見せてみてよ。」


 誰に聞いたのか、慌ててやってきたのは、ルーンだった。


 「この間、東の街で伝染病が流行ったみたいで、依頼でフロアラパッシムを採りに行ったんだ。順調に採ってたんだけど、魔物を取り込んだのか、通常の倍の高さのヤツが後ろから、俺を狙ってな。危なかったよ。フルアのお守りが無かったら、今頃それの養分にされてたな。ここにいられるのは、フルアのお陰だな」


 「そうだったのか…フルア〜〜〜!!ありがとう!ウールスの事、助けてくれたんだなぁ!!」


 洗濯中だったフルアは、ルーンに抱きしめられて、驚いた。


 「ルーンさん、どうしたんですか?泣いて…」


 「フルアが…フルアが、ウールスを助けてくれたって聞いて…嬉しくて、涙がちょっと出ただけだよ」


 「助けたって言っても、ちょっとしたお守りを渡しただけです…安全に採取ができて、怪我をしない様にって、付与したのに怪我されてますし。改善の余地ありな、お守りだったんです」


 「それでもだ。ありがとう」

 ルーンに、お礼を言われ、フルアは照れくさかったが、嬉しかった。


 「で、どこを怪我したんだ?見た目は、怪我をしてる様には見えないけど?」


 「それがな、フロアラパッシムをギルドに持って行ったら、東の領主様の家宝の薬を分けてもらえたって、ギルドで塗らせて貰えたんだ。目立つ所だけ塗ったら、あっという間にそこは治ったな。でも、まだ腹と両足がまだだから、メディカさんの薬で治してる途中だ」


 「へー、そんな薬を出してきたんだ、あの領主。やるね。まぁ、メディカさんの薬は、治癒の効果があるからね。治りが早いよ。それにしても、良かったよ。動けないほどの、大怪我だって聞いたから。慌てて、来たんだ」


 「心配掛けてごめんな、じいちゃん。来てくれて、ありがとう。嬉しいよ」


 ウールスに言われ、ルーンも照れながら「当たり前じゃないか。大事な孫なんだからね」そう言いながら、耳が赤くなっていた。



 「それはそうと、じいちゃん。聞きたい事があるんだ。この間、フルアとノアの森に入った時に、濃い魔素の霧に追いかけられたんだ。今まで、そんな事聞いた事もないし、俺自身追いかけられた事なんてなかったから、これからどうしたものかと思ってな。じいちゃん、何か聞いてるか?」


 「あの霧に追いかけられたの?2人が?う〜ん。理由は僕にはわからないなぁ」


 「じいちゃんにもわからないのか…」


 「んん〜〜。じゃぁ、3人でノアの森の主に聞きに行こっか?」


 「「ノアの森の主?」」


 ウールスもフルアも驚いた。ノアの森に主がいるなんて思わなかった。


 「そ、ノアの森の主。僕だって、あそこに家を建てる時にお願いしに行ったよ。乱暴な事しないと思うし。今から行く?」


 ノアの森に主がいる事を、今まで聞いた事が無かったウールスは、ルーンに詰め寄った。


 「じいちゃん、今までノアの森にそんな人がいるなんて、言った事無かったじゃないか!なんで内緒にしてたんだ?」


 「主は、人じゃないからねぇ。人は会えないからかな?でも、3人なら会えそうな気がするんだよね。あの霧に追いかけられたって言うのなら、余計に会えそうな気がするよ」


 「主は、どこに住んでるんだ?」


 「人じゃないから、住むっていう概念はないと思うなぁ。居るのは、あの濃い魔素の霧の中だよ。あそこから、出ないしね」


 「そんな所に?もしかして、追いかけられたのは、俺達が主に何かしてしまったか…」


 「私のせいかもしれません。プラムルの実が欲しいって、師匠に言って連れて行ってもらったんです。その時に濃い魔素の霧が、すごい勢いで来てたから、悪いのは私だと思うんです。師匠に、迷惑を掛けてしまった」

 フルアは、どんより落ち込んでいた。


 「そんな事、主は気にしないと思うよ。それは偶然だと思うけど。まぁ、聞いてみるのが一番だよ。何が有っても、僕が2人を守るよ」


 ルーンは、そう言って笑った。


 「ノアの森の主…会うのが怖い気がするが、このままでは何も変わらない。話が出来るならその方が良い様にも思える。フルア、3人で行ってみるか」

 

 ウールスは、ルーンが守ると言ってくれた事で、フルアの身の安全が確保されたと思い、思い切る事にした。


 フルアは、何者かわからない者に会う事の怖さも感じていたが、ウールスとルーンの事は信じている。


 「はい、2人に付いて行きたいです」




 そして、3人はノアの森に入っていった。

 

最後まで、読んでくださいまして、ありがとうございます。

感謝いたします。

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