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28 パインツリーのお茶

この話を読んでくださる全ての皆様に、感謝いたします。

ありがとうございます。

 2人がメディカの店に入った途端、目敏いメディカに声を掛けられた。

 その声は、興奮していた。

 

 「フルアちゃん、本当にすごい物を教えてくれたわ!ありがとう!あれから文献を調べて、すぐにピンズさんのところに行って、パインツリーの葉を買ってきたの。で、出来たのがお茶とパインツリーローションよ。“お茶にして飲み続けると、血の流れが良くなり身体が丈夫になる”って鑑定されたの。すぐに、生産ギルドに登録したわよ。勿論、うちでも売るけど、これは色んな所で作って販売した方が良い物だもの。その足で、ピンズさんに、葉を定期購入させてもらえる様に、話を進めたわ。多分、パインツリーを生産している人は少ないから、苗を買いたいっていう人も出て来るだろうって話しもしといたわ。ピンズさん、驚いてた」


 何やらすごい話になっていた。


 「フルアちゃんのお陰なの。本当にありがとう。私は薬屋だから、病や怪我に対する薬を作って売っているけど、薬を売る為に、皆に病気や怪我をして欲しいなんて思わない。元気でいて欲しいの。パインツリーのお茶を飲んだら、病気にならないって事じゃないから、万能薬な訳じゃ無いけど、少しでも病気にならないで暮らせるなら、嬉しいじゃない」


 「メディカさん、いつになく興奮してるな」ウールスが、ポツリといった。


 「当たり前じゃない。でも、これ一回飲んだだけじゃダメなのよ。続けないとダメなの。お茶なら誰でも飲むし、続けやすいわよね…」


 「で、パインツリーローションの方は、どんな効能があるんですか?」

 フルアがメディカに燃料を投下した。


 「そ れ が !かなり凄いの。これは、口が()()()硬い人にしか、売らないって決めたくらいにね。老化が遅くなるローションなの。そして、さらに凄い事に、少しづつ修復もされるから、長い目で見たら、若返るわね。もちろん、パインツリーの葉を水に溶かしただけじゃないわよ。私のスキルを総動員させて作った、究極の化粧水よ!今、使うのは私とフルアちゃんの2人で!あ、ウールス君もローション付ける?」


 「いや、俺はいらないな。フルアも子どもなんだから、いらないんじゃないのか?」


 ウールスは、素朴な疑問を呈した。


 「若いうちから付ける事で、より価値が出るのよ。若い皮膚のまま大人になったら、ずっとこのプリプリの若い肌のままでいられるって事よ。それに、ちょっとした怪我とかだって長く使い続ける事で、跡も無くなるわ。素晴らしいわ!永遠の若い肌!女性の憧れよ!」


 ウールスも図らずも、メディカに燃料を投下してしまったようだ。

 

 「そうなのか。では、俺の分も2人で使ってくれ」


 ウールスは、興奮冷めやらぬメディカに対して《肯定》と《逃げる》の技を使った。残された技は、《沈黙》のみだ。容赦なく使う事にした。(注・本当の技ではありません。)


 「凄いローションですね。みんなが欲しがりそうです」

 

 「そこなのよ。これを公にしちゃったら、力のある貴族に囲い込まれて、ずっとこればかり作り続ける未来が見えそうよ。そんなの嫌よ。私は、死ぬまでこの店を続けたいの。命と同じくらい大切な店だもの」


 「私、誰にも言いません。秘密にします」


 ウールスは、黙って何度も頷いた。


 「ありがとう。そう言ってくれると思ってた。息子にも言わないわよ。嫁にもね。あの子達、口が軽いのよ。明るくて、良い子なんだけど、今回はダメだわ」


 メディカは、溜息を吐いた。

 

 メディカから持って帰ってと言われ、沢山のパインツリーのお茶とローション数本を頂いた。ウールスの鞄が、マジックバッグで良かったとメディカはつぶやいた。


 お礼を言いつつ別れ、昼食を食べに食堂に向かった。

 ウールスが以前に行った、チリチリーリを使った料理を出す食堂だ。


 2人で、違うメニューを頼み分け合って食べる事にした。


 今回は、“コッケイ肉とたっぷり野菜のチリチリーリ炒め”と“厚切りピギ肉のチリチリーリ入り根菜ソース掛け”の2種類を頼んだ。


 どちらも、旨辛で食が進んだ。

 家でも、作って食べたいと思える程だった。


 「ここの料理って、本当に美味しいです。連れてきてくれてありがとうございます」


 フルアも大喜びで食べている。その姿を見てウールスは、更に美味しくなったと、満足した。


 そして、2人が帰途に向かっている途中、冒険者ギルドの受付のお兄さんと出会った。


 「まだ、家に帰ってなかったんだね。助かったよ。今、使いを出そうかと思ってた所だったんだ」


 いつもより、慌てた様子で捲し立てた。


 「国の東側で病気が蔓延してるみたいで、ギルド中に依頼が来たんだ。ウルッカの森だけでは厳しいみたいなんだ。ウールスさん、フロアラパッシムの茎を保存してないですか?乾燥でも良いし、酒に漬けてある物でも良いんだ」


 「その薬草が必要って事は、伝染病だよな。酒に漬けてある物が少しあるだけだな。誰か一緒に来てくれたら、すぐ渡す。そして、俺は採取に行こう」


 「助かります。じゃあ、俺がこのまま付いて行きます」

 

 「フルア、ちょっと急ぐから、疲れたらすぐに言ってくれ」


 「大丈夫です。もう、身体も丈夫になってるんですから。付いて行けます」


 そう言ってフルアは、笑顔を見せた。


 「フルアちゃん、ごめんね〜急がせて」

 薬草を採取に行ってくれると聞いて、受付のお兄さんも安心したようだ。


 3人は、道を急いだ。


 薬草で、助かる命があるなら、採取に行かないと、とフルアも足を早めた。

 

 

 

コッケイ肉・・・鶏肉

ピギ肉・・・・・豚肉

という感じで思っていただけると、ありがたいです。


最後まで読んでくださってありがとうございます。

感謝いたします。

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