26 プラムル酒とハビーガ蜜
毎日投稿しようと思ってたのに、出来ませんでした…
申し訳ないです。
これからも、なるべく毎日投稿目標で頑張りますので、引き続き応援よろしくお願い致します。
この話を読んで下さる皆様方に感謝致します。
ありがとうございます。
『梅酒と梅干しの作り方…どうやって作るんだっけ?』
プラムルを水で洗いながら、記憶を探ってみたが、全く思い出せない。
竹串の様な細い棒で茶色の軸を取り、水気を取って漬ける、と言うのはわかる。だが、お酒のアルコール度数とか氷砂糖の代わりに、砂糖をどの位入れるのかなど、わからない事が多い。
フルアは、悩んでいるのが面倒になってきた。
『もう、雰囲気だけで適当に作っちゃえ!』
プラムルを採取できた数も少ないし、今回は前世の梅の様に、工夫で食べられる様になるのか、実験なのだ。前世の作り方と全く同じでなくても、いいじゃないか!そう思いながら、ずっと諦めて俯いて暮らしていた自分が、こんなに伸び伸び暮らしていると言う事に、気が付いた。
『ここで暮らせて良かった。修道院に行っていたら、こんなにのびのびと生活できていたかわからない。盗賊に襲われた時は、もうダメだって思ってたのに…不思議だなぁ』
しみじみと思いに耽りながら洗って軸を取っていたら、気がついた時には全て出来ていた。
「師匠、強いお酒と蜂蜜いただいて良いですか?」
「酒は、あるな。フルア…ずっと言おうと思ってたんだが、あれは蜂蜜じゃないぞ。コモヘルンデス国は、養蜂が盛んだから、そう思ってたんだろう?あれは、ハビーガの木の花蜜だ。まだ、作り方を見た事がなかったな。あれを先に、作るか」
「蜂蜜じゃなかったんですか。香りも花のような華やかな香りだったから、てっきり良い蜂蜜だって思ってました」
「作り方を見たら、理由がわかるぞ」
そう言いながら、裏の畑に向かった。
そこには、1メートル程の木がある。その木は、花が咲いたと思うと、数時間で枯れて茶色になってしまう花が咲く。その枯れた花を、ウールスは萼からむしり採った。
「フルアも採ってみろ。この花の萼から抓って取るんだ」
フルアも真似をしてみた。
花を触ると、カサリと乾いた音がした。萼の下を抓ると簡単に採れた。
2人であるだけ採ってしまうと、それを持ってキッチンに向かう。
「これは濡らさない様にしないといけないから、水に気を付けてな」
そう言いながら、棚からこの花がたくさん詰まったガラス瓶を出してきた。
「採った花は、瓶に詰めて貯めておくんだ。花弁も萼も全部入れてくれ」
フルアは、言われた通りに瓶の中に花を入れた。
ウールスは、いつの間にか小さいお椀と匙を持っていた。中には何かが入っている様だ。
「これは、水だ。この花が詰まった瓶の中に1滴だけ水を入れるんだ。これは触媒だから、水は少ない方が良い。じゃ、作るから良くみとけよ」
そう言って、お椀の中の水で匙を濡らし、そっと瓶の上にかざすと、水が一滴、花の上に落ちた。すると、見る間に詰め込んだ花が溶けていった。茶色い花弁や萼は、見る間に形が無くなっていった。
そして、瓶の中に残ったのは、蜜色の液体だけになった。
「面白いだろう。この国は蜜蜂が繁殖しにくい代わりに、ハビーガの木が多いんだ。これは、ハビーガの蜜とか花蜜と呼ばれるものだ。どこの家にもハビーガが植えてあって、花で蜜を作る。花は、木から取った状態じゃないと、蜜にはならないが、花が雨に当たると蜜の甘味が薄くなるから、咲ききったらこうやって、水が入らない様にして、保存するんだ。花が多い状態で水を入れる方が、濃厚な蜜が出来て美味いな」
フルアは、こんな蜜の作り方を初めて知って、驚いた。
「一滴の水で、花が溶けていって蜜になるなんて、初めて知りました」
「この国では、珍しいもんじゃないが、家によってあっさりした蜜を作るのを好んだり、うちみたいに濃厚な蜜を作るのを好んだり、家の味の蜜があるんだ。フルアも好きな味の蜜を作ってもいいぞ。花の量とか、水の量で加減するだけだがな。まぁ、今日はこの蜜を使おう」
そう言われ、フルアはプラムルの実を小さい陶器の壺にいれ、花蜜と酒を入れ封をした。
「この状態で何ヶ月か寝かせて、飲める様になるんですが、すぐに鑑定しますか?」
「そうだなぁ。すぐにしてしまうか。気になるしな」
そう言われ、壺を作業台に運んだ。
封を開け、鑑定をしてみるとーーー
プラムルの酒
今の状態は毒が強く、飲用出来ないが、4ヶ月以上置くと飲用出来る
ハビーガの蜜との相乗効果で、疲労回復する
軽い解毒の効果がある
フルアは、ホッとした。
今はまだ飲めないが、疲労回復と解毒作用があるなら、作る価値があると思った。
だが一番は、前世のお姉さんが好きだった梅酒を、ウールスにも飲んでもらいたいと思ったのだ。
4ヶ月先が楽しみになった。
この分だと、梅干しも大丈夫かもしれない。
フルアは、また採りにいって、たくさん作りたいと思い始めた。
フルアの頭には、濃い魔素が追いかけてきた事など、忘れてしまっていた。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
感謝致します。




