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23 メディカとパインツリーの葉

ギリギリ、23日に投稿致します。


毎日、綱渡りの様な投稿をしていますが、読んでくださる皆様、見捨てずによろしくお願い致します。

 メディカさんの店に行くと、丁度お薬を買いに来たお客がいたので、帰るのを待ちながら店内を見た。

 

 以前は木の器に蓋をして、油紙をして紐で縛っていたクリームや軟膏の入れ物に、輪ゴムが使われていた。

 その輪ゴムに、紙が挟んである。見てみると、《クリーム・さっぱり》とか《虫刺され軟膏》とある。


 これで、品を間違えて買う事も少なくなりそうだと、感心して品を見ている間に、お客様も帰り、店に残るのはウールスとフルアのみとなった。


 「ウールス君、フルアちゃん、久しぶりね。輪ゴムで留めた薬とクリームの評判良いのよ。私の手間が省けたのもあるけど、お客様も保存するのに楽だって、喜んでもらえてるのよ。ありがとうね」


 「メディカさんに、喜んでもらえて嬉しいです。メディカさんと話してる時に、思いついた物だったから、良かったです」

 フルアも、喜んでいるメディカさんに、嬉しそうだ。


 「寄ったのは、私が、伺いたいことがあって来たんです。生産ギルドに品物を卸しに行ったら、師匠の知り合いのピンズさんって方が、パインツリーの葉と樹液の粉を卸しにいらしてて、その後、師匠と話をされたんです。で、ピンズさんと師匠が同い年位の方だと思ったら、15歳も年上の方だって聞いて、昔に本で読んだ事を思い出した事があったんです。その事をメディカさんに確認したいと思ったので、ここに連れてきて貰ったんです。その本を読んだのは、ずっと前の事だったので、少し記憶違いかもしれないんですが、パインツリーの葉っぱに、老化防止効果とか病気になりにくくする効果があるって、本当ですか?」


 「私はピンズさんとは親しく話したことは無いんだけど、そういえば…あの人見た目がずっと変わらないね…パインツリーの葉をお風呂に入れて入ると、疲れが取れるって昔から言われてるから、疲れが取れる効果がある事は知ってたんだけど、老化防止効果とは私も知らなかったよ。ちょっと調べてみるわ。良い事を教えてくれて、ありがとう。フルアちゃんは、色んな事を誰かに教えて貰ってたの?」


 「私…先生から学ぶ事は出来なかったんですが、本を読む機会は有ったので、読める時には頑張って読んだんです。本が先生、って感じです」

 

 この国の識字率は6割程度で、大きな都市なら図書館もある。しかし有料なので、子どもが入れる場所ではない。フルアは、貴族には見えないが、話し方も丁寧なので、親が貴族の家の使用人で、心の広いご当主が、使用人の子どもにも図書室の使用を認めてたのかな?と、メディカは考えた。実際には、違うのだが。メディカは、親の手伝いをしながら、勉学に励むフルアを想像し、小さいながらも勤勉だと、感心した。


 「そうなのね。フルアちゃんが、沢山本を読んでたから、私もパインツリーについて勉強する機会ができたわ。で、その本はどうやって、身体に取り入れるとか、書いてあった?」


 「えーと…そこはあまり覚えてないんですが、お茶だったような…すみません。自信がないです」


 「ごめんなさいね。そこは、薬師の私が調べるべきよね。今日は閉めて、調べてみるわ。良い物ができたら、一番にウールス君とフルアちゃんに渡すわね!」


 「え?俺にも?」


 「それはそうでしょう。こんなに小さくて、賢い弟子ができたのよ。師匠は、ずっと若く元気でいないとね。それにしても、老化防止なんて…そんな薬やお茶が出来たら、この街の女性はみんな買いに来るわね。ふふふふふ…」


 まだ薬もお茶も、出来てもいないが、メディカの頭にはどちらも出来上がっている様だ。


 これ以上居るとおじゃまな様なので、ウールスもフルアも帰る事にした。


 


 『フルアは、前の家で図書室にある本で勉強もできたって、言ってたよな…要らない人間に、そんな事させるだろうか…邪険にはされていた様だが、働かせる事もなく、そこそこ清潔に生活させてたみたいだし。コモヘルンデス国は、魔法を嫌悪する国で有名だけど、フルアが知らされてなかっただけで、何かそうする理由があったのかもな。本当に要らない子どもなら、秘密裏に捨てる事もあるよな……まぁ、考えても仕方がないか』


 帰り道、ウールスはずっと考えていた。 

 だが、違う国の貴族の考えていた事など、わかるはずがない。


 大切なのは、今だ。


 フルアが幸せだと思える事だと、思い直した。





 「で、ちょっと聞きたいんだが…フルアの“前世のお姉さん”も、パインツリーの葉をお茶にして、飲んでたのか?」


 「え?飲んでませんよ〜〜。近所のお婆さんが飲んでたんですよ。その人ったら、葉っぱをちぎって薬缶にそのまま入れて、沸かして飲んでたんですよ。それを知った時、ビックリしたんで覚えてたんですよ。エヘヘ」


 「自分が飲んでもいない物を薦めたんだな…」


 「私は、飲んでないですが、そのお婆さんずっと元気で、近所の人から仙人って呼ばれてましたから」


 「なんだ?センニンって」


 「えーと、前世の世界で、死なない人で魔法を使う人?前世は魔法のない国ですが、本の中では魔法は、あるんですよ。」



 フルアの前世は…やはり謎の世界だな、とウールスは思った。

最後まで、読んでくださってありがとうございます。

感謝致します。

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