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22 付与石の使い道

この話を読んでくださる皆様方に感謝いたします。

ありがとうございます。

 街の手芸店は、大きくこそないが、布、縫い糸、刺繍糸、に分かれていて見やすく、フルアの気持ちが高揚した。逆に、ウールスは少し居心地が良くないのか、フルアの後ろを、そっと付いて歩いていた。

 いつもと反対だ。


 「フルア、ゆっくり見て選べよ」心と裏腹な言葉が、若干上滑りしている様だが、後悔のない買い物をして欲しいとは、思っている事は感じられた。


 「お父さん、後ろについていられたら、選びにくいですからね。そこに座ってらしてくださいな」


 店主の女性に声を掛けられた。

 ウールスは何も言わずに、窓際の椅子に腰掛け、フルアを見守ることにした。


 これから暑くなる季節のせいか、布は薄手のものが多い。刺繍糸も種類が多く、この店が流行っていることがわかる。

 

 「お客さん、何をお探しですか?ご相談も承りますよ」

 店主の女性に、フルアも声を掛けられた。


 「2センチ位の綺麗な楕円の小石があるんですけど、それをレースの様に編んで包んだら可愛いかと思って…」


 「いいですね。それをペンダントにしても、素敵ですね。太めに編んで、ブレスレットにしてみますか?それでしたら、こちらの糸はどうですか?」


 そう言いながら、多様な色のレース糸を出してきた。


 「ペンダントもブレスレットも、どちらも可愛い気がしてきました。迷います〜」

 フルアは目移りしながらも、楽しそうだ。


 悩みに悩んで、白と薄い緑色のレース糸を選んでいた。その糸に合わせるかの様に、細い革紐も購入した。


 「お嬢さんが作られるんですよね。そのペンダントが出来たら、うちによって見せてくださいよ。いい作品だったら、そこの棚に置いてもらって、販売も出来ますよ」

 

 生産ギルドに出すばかりではなく、そういった販売方法もあると聞き、驚きながらも「もし、とっても上手く出来たら、お見せしに伺いますね」と、答えた。


 店を出て、人通りが少なくなった頃、ウールスに販売について尋ねた。


 「商品は、全て生産ギルドに出すのだと思ってました。さっきのお店の人が、上手く出来たら店において販売できるって言ってました。生産ギルドに出さなくても大丈夫なんですか?」


 「さっきの店なら、布や糸は生産ギルドを通してか、生産者から直接購入してるだろうな。だが、そこから作られる服や袋なんかは、ギルドを通さないな。輪ゴムとは違う。あれは、魔性蔓のエキスで魔法で加工して作られた、誰も知らない初めての製品だからな。ギルドに登録しておく事で、商品は怪しまれないし、登録使用料も貰えるしな。魔法が絡む品は、ギルドを通すって思ってた方がいいかな。でも、薬と化粧品は通さないぞ。あれは、作る人こそが信用だからな」


 確かに怪しい露店で薬を売っていても、効く様な気がしないし、買う気も起こらない。フルアは納得した。


 「私が付与した健康と幸運と安産の石も売るなら、生産ギルドですか?」


 「ーーーーーあれか…あれ、鑑定の魔道具の結果見ただろう…あれ、なんというか、付与というには、ざっくりしてるというか…」


 ウールスは、鑑定結果を思い出しながら、口籠った。


    【健康の付与石】


   身につけていたら、人より少し健康になる



    【幸運の付与石】


   身につけていたら、人より少し幸運になる



    【安産の付与石】


   身につけていたら、人より少しお産が軽くなる


 

 人より少しって、どのくらいなんだ?

 どの人と比べてなんだ?

 それによって、幸運や健康の度合いも違う。全てが、ざっくりしすぎて効果の具合もわからない。

 気休め感がハンパない。


 「あれは、人によって効果があると感じる奴と感じない奴がいそうな気がするな。言い方は、良く無いだろうが、祭りの当て物の様な付与だよな。もし売るなら、あの手芸店の棚でも大丈夫だと思う」


 「お守りっていうのは、そんなものなんです。自分が信じる事で、自分の力の手助けみたいな。全てを代わりにやってくれるものじゃ無いんです。だから、あれで大丈夫なんです」


 フルアの自信満々な返答に、ウールスはフルアが良いなら良いか…と思った。


 「それよりも、パインツリーです。あの木、前世にも有ったんですよ。お姉さんの家の近くに住んでいたお婆さんは、葉っぱをお茶代わりにして飲んでました。あの葉っぱには、老化防止効果と病気になりにくくする効果があるんです」


 「そんな凄いモノなのか?あの葉をお風呂に入れたら、疲れが取れるって言うからな。もしかしたら、そういう効果があるのかも知れないな。今でこそ、ピンズさんも樹液の粉末でそこそこ儲かってきてるみたいだけど、ずっと大変そうだったからな。パインツリーを、もっとみんなに使って貰いたいって、ずっと言ってるし」


 「ピンズさんって、師匠とお友達なんですか?」


 「ピンズさんは、俺より15歳は上の人だぞ。あの人は親切な人でな、色々教えて貰ったんだ」


 「そんな年上の人には見えませんでしたよ。同い年くらいに見えてました。もしかしたら、パインツリーの効果かもしれないですよね。メディカさんに、効能とかお茶とかにどうかとか、聞いてみたらどうでしょう?前世の木と同じ効能なら、きっと効果があると思うんですよ」


 「前世の事を話すのか?」ウールスは、思案しながら言った。


 「どこかで、本で読んだ事にしたらどうでしょう。そして、ピンズさんがとっても若く見える事も話したら、考えてくれると思うんですよ。だって、老化防止ですもん」


 「フルアは、まだ子どもなのに老化が気になるのか?」


 ウールスが、笑いながら尋ねた。


 「私は、まだ子どもだけど、前世のお姉さんは大人で仕事もしてたんです。だからなのか、老化防止って聞くと、ピクってしちゃったんです。不思議ですよね」


 フルアも笑った。


 2人で、メディカさんの店に向かった。


 

最後まで読んでくださってありがとうございます。

感謝しています。

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