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15 ノアの森で

読んで頂いている皆様に、感謝しています。

ありがとうございます。


なるべく、毎日投稿する事を目標としておりますが、出来ない日もあるかもしれません。

ブックマーク&評価で、応援してくださっている方々にも、申し訳ないです。


がんばりますので、引き続き応援よろしくお願い致します。

 「師匠の、ルーンさんとの約束で、鑑定の魔道具の為の魔石を自分で用意する話を聞いて、私も、あの魔道具を使わせて貰うなら、自分で魔石を取らないといけないと思うんです」


 フルアは、鑑定の魔道具を見せてもらい、ルーンとウールスの話を聞いた時に、決意していた。


 勿論、いつかは魔物と対峙しようと思っていたから、自分なりに家事の合間に考えてはいたが、自分の魔法が、魔物に通用するのかは、まだわからない。そのうちに、と思っている内に、ずっと先延ばしをしてそのまま魔物を狩る事なく、過ごしてしまうのではないか、と思っていた。


 「自分の力が、まだまだなのはわかっているんですが…」


 「あの話はフルアに、魔石を調達してもらうために話したんじゃないぞ。まだ、ナイフの練習もしてないし、無理に魔物を狩る必要はないぞ」


 「でも、いつかは自分1人でもノアの森に行くことになるんですし、そして魔物が出た時に倒す事ができなかったら、大変な事になってしまうんだと思うんです。それなら、師匠と一緒に行ける時に、魔物を倒さなきゃって、思います。ギルドに行った時に、魔物は魔石を取るだけじゃなくて、牙とか皮とか骨とか、薬になったり、役に立つ生き物だって、聞きました。私は、弟子なんですから、師匠の様にノアの森で、薬草とか魔物を狩っていく仕事で、暮らしていくって思ってます」


 「ちゃんと決意してたんだな…ごめんな…今は、師匠と弟子という立場だけど、フルアは、まだ子どもだからこれからしたい事が出来るかも知れないし、先の事はゆっくり考えればいい、って勝手に思ってたんだ。フルアの期待に応えられるように、色々教えるからな。一緒に、頑張ろう」


 2人で、決意表明している間に、ノアの森に着いた。


 「この木の中に入ったら、違う世界だと思ってくれ。聞いたとは思うが、この中は魔素が濃い。魔力の足りないヤツは、息が苦しくなるようだ。まず入ってから、確認するから正直に答えてくれ。少しでも、息がしにくい、と思ったら、どんなにフルアがこの仕事をしたいと思っても、無理だ。能力というのでは無く、体質のせいだから、気にしなくて良い。違う仕事を探そう」


 フルアは、無言で頷いた。


 そして、手を繋ぎ森の中に入って行った。




 ノアの森は、暗くて鬱蒼としている場所だと、思っていた。


 全く違う。


 空気は清々しく、木々から漏れる光は、神々しいまでに光り輝いていた。

 下生えの草は瑞々しく、良い香りを放っていた。


 フルアは、魔物が出ないなら、ずっとここに居ても良い、とまで思ってしまった。


 「師匠!すごく清々しいですし、この森、素敵です!全然、苦しくないです。むしろ、ずっと深呼吸しときたいくらい、良い匂いだし。気持ち良いです」


 フルアが息苦しくないのならよかった、と思うウールスだが、違和感を感じた。

 自分もこの森で息苦しいとは思った事はないのだが、清々しいとは感じた事がない。

 むしろ、空気が重く感じていた。この違いは、なんだろう…と、思った所で以前ルーンが言った言葉を思い出した。


 『…結界魔法が金色の糸の様だって言ってたけど、僕達とは魔力系統が違うと思うから……』


 それか!

 ここは、魔力の系統でも感じ方が違うのか。

 この森とフルアは、俺以上に水が合ってるんだろう。


 フルアの希望通り、俺と同じ仕事ができるだろう。

 ウールスは、安心した。


 「息苦しくなくて、良かったよ。安心した。さぁ、結界魔法を自分に掛けてくれ。チリチリーリの木はここからすぐだが、何があるかわからないからな」


 フルアは、すぐに結界魔法を掛けた。

 馬車の中で見たような、金色の糸の様では無かったが、うっすらと金色の膜の様に見えた。


 ウールスとフルアは、魔物と濃い魔素に気を付けながら、進んでいった。


 

 チリチリーリの木は、すぐに見つかった。

 木とは言っても、それ程高木では無く、2メートルほどの高さだった。

 木肌は、つるりとしていて、小さな楕円の葉の間に、赤く細長い実が沢山実っている。

 前世のトーガラシと同じように見える。


 フルアは、怖い気持ちよりも、アレが食べられるなら、“きんぴらごぼう”が食べられる、その気持ちの方が大きく、早く採って調べて食べたい!としか考えていなかった。


 「食べられるかどうか調べるだけだから、少しで良いだろう。フルア、網は顔の前にしておく方がいいと思う。しっかり手を伸ばして、実が顔につかないようにしとけ。結界魔法を掛けてても、念の為だ」


 十分注意をしながら、近づく。

 3メートル程近づくと、チリチリーリの木は突然震え、枝をしならせた。


 赤い実が飛んでくる。

 スピードが速く、フルアは思わず目を瞑ってしまった。

 

 実が網に入っているかは、確認できない。取り敢えず、しっかり顔の前に網を突き出しておくだけだ。

 

 「フルア、後ろに下がれ!離れたら、実の攻撃は終わる!」

 ウールスの声が聞こえた。


 フルアはすぐに後ずさり、ウールスを見た。


 ウールスは、顔の前に麻袋を広げて集めていた様だ。


 「さぁ、戻るぞ。フルアが採った実も、この袋の中に入れると良い。俺が纏めてマジックバッグに入れておくぞ」


 思っていたよりも、沢山採れたようだ。


 フルアは、チリチリーリの木を見てみると、木は何事も無かったかの様に、静かになっていた。

 目もないのに、不思議な木だなと、思いながら、眺めていた。


 さぁ、“きんぴらごぼう”だ!

 フルアは、朝ご飯をしっかり食べたのに、お腹が空いた気がした。


 実際には、食べた事が無いのに、ごぼうとニンジンにピリ辛の風味が合わさった味が口の中に広がった気がした。

 

 『私って、こんなに食いしん坊だったかしら?』


 そう思いながらも、帰る足が早まっていった。

 

 

すぐにきんぴらごぼうを、2人に食べさせてあげようと思っていたのに…

上手くいきませんでした。

次回こそは、食べさせてあげたいです。


最後まで、読んでくださいましてありがとうございます。

感謝しています。

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