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私の過去 ④


次の日

また私は美術室に来ていた。

昨日の絵が却下されたからだ。


「めんどくさ」


絵を描く準備をしていると思わずそう呟いてしまった。


「こらこら。

本音を言わない。

他の子なら喜んで補習に来るんやで?」


地獄耳か!

ほんで、こいつ中々自分のイケメンさ鼻にかけとるな。

何が喜んでやねん。

変わって欲しいわ。

私はバイオリンの練習がしたいねん。


「はぁ、そうですか。

それやったら他の子に絵描かせません?」


「それは教師として許さへんなぁ。」


なんでやねん。

昨日散々出会い厨の爽やかボーイしてたやろ。

教師感ゼロやないか。


「そうですか。」


今日は何描こかな。

弟以外描く事ないなぁ。

キャンバスの前で悩んでいると、また爽やかボーイが話しかけてきた。


「描くもの決まらへんの?」


「弟以外描く気が無かったんで。」


「じゃあ俺とかどうかな?」


この爽やかボーイ何言うてるねん!

この人描くくらいやったらあのハゲ描くほうがましやわ。


「遠慮しときます。

尊敬する私のクラスのハ、、、担任描きます。」


「今ハゲって言いかけたやろ!

そんな事言うてええんかなぁ?

担任の先生に言おうかなぁ。」


まだ完全にハゲとは言うてないやろ!!

しかも尊敬するまで付けてるんやで!

ええやん、ハゲてるのは事実なんやし!!

でも、これをハゲに言われたら面倒くさい事になるなぁ。


「すいません。

爽やか先生を描かせてもらいます。」


「よろしい。

って爽やか先生ってなんなん!?

もしかして、名前覚えてないとかないよな?」


やばっ

なんでバレたん!?

美術の先生とか興味がなさすぎて覚えてない。

なんやっけ?

友達がこないだから騒いでたよな。

あれや、多分、松は付いてた。

それは間違いない。

松なんとか、、、。

まぁ大体で言えば当たるやろ。


「そんな訳ないじゃないですか。

松田先生ですよね?

女子の間では有名人ですから。」


よっし!

絶対合ってる!


「違うわ!

松木や!!」


あー、惜しかった。

松木とか分からんわ。

松木でも松田でも松屋でも一緒やろ。


「失礼しました。

松木ユウサク先生ですよね。」


「違うって!

松木 ユウスケ!

間違った名前組み合わせたらそれ松田優作やんか!」


ほんまやな。

まぁええやん、何でも。

大体合ってるんやし。


「そうですね。

そういう松木先生も私の名前とか知らないでしょう?

おあいこという事で。」


「知ってるで。

酒井リンやろ?」


なんで知ってるねん。

きっしょ。


「そうです。

ほんならジッとしてて下さい。

今から描くんで。」


「サラッと流すなよ!」


もう面倒くさいわ。

なんやこいつ。

ちゃちゃっと描くか。

それにしても見れば見る程イケメンやなぁ。

私が先生を描くために見つめていると、先生は照れ出した。

何照れてんねん。


「待って、休憩させて!」


は?

なんでやねん。

こっちは早よ帰りたいねん。


「絵のモデルに休憩は必要無いと思いますが。」


「そんなに見つめられると照れるわ。」


爽やかボーイから言い出したんやろ!!

照れてもイケメンとか卑怯か!!


「そうですか。

じゃあ休憩しましょうか。」


沈黙が流れる。

この空気めっちゃ気まずい。

とりあえず何か喋らな。


「先生って暇なんですか?

私の相手ばっかりしてて。」


「暇ちゃうわ!

忙しい間を縫って君の相手してるねん。

これも仕事やから!」


「そうなんですか。」


絶対暇やろ。

美術の先生とかする事ないやん。


「そうやで。

あと個人的に絵画を描いてコンクールにも出展せなあかんからめっちゃ忙しいんやで!」


「へぇ。

先生も絵描くんですね。」


「うん。

ちょっと見てみる?」


散々私の絵を馬鹿にしてるからさぞかし上手なんやろうな?

私は心の中で喧嘩腰になりながら先生の絵を見る事にした。


「はい。」


「これやで!」


その絵は四季折々が描かれたものだった。

繊細で美しく見るものを魅了するようなものだった。


「上手なんですね。」


「そうやろ?」


ドヤ顔する爽やかボーイにはムカついたが、それも許せるくらいに絵が上手だった。

多分、彼は絵を描く事が好きなんだろう。

そんな風に思わせるものだった。


「はい。

これは賞賛に値すると思います。」


「俺もそう思うんやけどなぁ。

中々難しいんよな。」


爽やかボーイは難しそうな顔をした。

コンクールでは上手くいかなかったのだろう。


「その気持ち分かります。」


「ほんまに?」


「はい。

私も最近上手くバイオリンが弾けないので。」


「バイオリン奏者やったんやね!

何か原因はあるん?」


「何となく最近視線を感じる事があって。」


そうだ。

私は最近視線を感じる事が多い。

昔から見られることは多かった。

しかし、最近の視線は何だか異質な気がする。

言い表す事は出来ないが、執着心的な意思を感じる、そんな視線だ。


「そうなんや!

大丈夫?

酒井は綺麗やからなぁ。」


綺麗?

先生が生徒にそんな事言うてええのん?

この爽やかボーイほんまにタラシやなぁ。


「そう言う訳では無いですが。」


「まぁとにかく気をつけなあかんな!

じゃあ絵の続き描くか!」


「はぁ。」


無理矢理話をそらされた気もするけど、まぁええわ。

とにかく私は絵の続きを描きだした。

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